弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法
カテゴリー  [話題の裁判・事件 ]

第338回 キラキラネーム「王子様」の変更が認められた 

「王子様」という名前の方の
名前の変更が家庭裁判所で認められた
ことが話題となっています。

いわゆるキラキラネームというものです。

このキラキラネームは、
最近は増えているようです。
以前から、キラキラネームの問題は取り上げられてきましたが
キラキラネームを付けられた子供が
まだ小さかったことから、
自分で変更の申立をすることができなかったので
これまでは申立例があまりなかったということかと思います。

しかし、これからは、キラキラネームを付けられた子供が大人になり
就職活動をしたりする時期となってくるので
名前の変更の申立をすることが増えてくるかもしれません。

名前の変更には、正当な理由が必要です。
正当な理由は、今の名前を使っていると生活に支障が出て困っている
という事情となります。
キラキラネームで、周りから笑われる、いじめられる、バカにされる
などは、名前の変更の正当な理由になります。

名前の変更は家庭裁判所の許可が必要なので
キラキラネームによって、このような理由で生活に支障が出ている
ということを書いて、
家庭裁判所に名前の変更の許可を求める申立をします。

許可が出たら許可の審判書を持って役所に届け出て
戸籍を変更してもらうことになります。

名前の変更の許可の手続は
非公開なので、
今回のように、本人がツイッター等で公開しなければ
一般の人にはなかなか知られないことになっています。

( 2019/03/19 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第330回  専業主婦から弁護士に復帰するドラマ「GOOD WIFE」 

世の中、女性が働くことは当たり前となり
弁護士でも、女性弁護士は増えています。
通常の職業であれば
育児中は休職したり、
一度退職して子育てに専念する女性は多いでしょうが
弁護士の場合は、
自営業ということもあって、
育児中に休職したり、退職したりすることは
少ないかもしれません。

そんな珍しい女性弁護士が主人公のドラマが始まりました。
ドラマ「GOOD WIFE」です。
主人公は、東京地検特捜部の部長までした優秀な検事と結婚して
弁護士を辞めて、子育てに専念してきたけれども
夫が収賄容疑で逮捕され、
しかも、女性記者との不倫疑惑があり
家庭の収入確保や将来の離婚への備えということもあって
再び弁護士として働き始めるという設定です。
子育て等の経験を生かして
事件を解決していくということのようです。

第1回は、裁判は奮闘むなしく一審で敗訴してしまいます。
しかし、その後に亡くなっているかもしれないと思われていた
子供が生きて発見されたことから
逆転で勝訴的な和解をするというものでした。

16年ぶりに弁護士の仕事に戻るという場合
以前弁護士の仕事をしていたのであれば
裁判等についてはやり方は変わらないので
あまり影響はないと思います。
ドラマの中では証人尋問中の相手方の異議に対する
対応がうまくいきませんでしたが
実際はブランクがあっても
そのようなことはないと思います。

実際にブランクがあるとすると困るのは
会社法など主要な法律が変わっていることだと思います。
刑事事件では裁判員裁判がありますし
民事信託など新しい制度も認められています。

ただ、なかなか法律が変わったことに気付かず主人公が困るということを
ドラマにするのは難しいことから
証人尋問中に久しぶりの裁判で
相手方からの異議に困るということになってしまったようです。

ただ、裁判や弁護士のドラマという意味では
きちんとしていたと思います。

一点、やはりこのドラマでも、
法律事務所の職員が検察庁から
裁判に必要な情報を入手するという場面がありました。
弁護士ドラマは、
弁護士が違法に証拠や情報を収集しないと成り立たないかと思い、
その点はとても残念ですね。




( 2019/01/22 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第329回 今度はスキャンダル専門弁護士 

1月になってまた
新しいドラマのクルーが始まりました。
今回も弁護士を主人公とするドラマが
2本あります。

弁護士のドラマは、
医師や警察のドラマと同様に
多くなってきましたね。
それだけ世間に注目を浴びるのは
よいことだと思います。

さて、今回取り上げるドラマは
「スキャンダル専門弁護士QEEN」
スキャンダルを専門にする弁護士は
実際にはいないと思いますが
企業の危機管理や
不祥事が起きたときの対応を取り扱う弁護士は
多いと思います。

初回の話は、
アイドルグループの解散を巡ってのテレビ番組内での謝罪会見が
テーマとなっていました。
このドラマを放映しているフジテレビで、
同様のことが実際にありましたから、
視聴者にそれとの対比で見させるという点で、
ちょっとおもしろかったかもしれません。

ただ、弁護士の事件の解決手法が
相手の弱みを見つけてそれが世間に知られないようにすることを
条件とするというようなもので、
それはどうかなと思いました。

最近の企業法務を取り扱うドラマでは
主人公の弁護士が相手方企業の弱みを握って
それを交渉材料にするものが多いと思います。

そのようなこともないとは言えませんが、
普通は法律と証拠によって解決するのが
弁護士の仕事なので
ドラマを見るみなさんが
弁護士は相手の弱みを握って交渉して
勝つのが仕事と
勘違いしないといいなと思っています。
( 2019/01/15 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第321回 ハラスメントゲーム 

セクハラ、パワハラ、モラハラ、マタハラ・・・・
世の中ハラスメントとして禁止される行為が多くなり
なかなか
社内でのコミュニケーションや仕事の依頼がしにくくなったと
言われたりします。
他方、被害者からすれば、そのようなハラスメントは禁止という風潮から
助けられている面もあります。

そういうなかなか難しい問題を取り上げているのが
ドラマ「ハラスメントゲーム」です。
主人公は、弁護士ではなく、
以前パワハラで飛ばされた経験を持つコンプライアンス室長です。

ドラマでは、
ハラスメントかハラスメントじゃないのかという難しい部分に焦点を当てるのではなく
ハラスメントに隠された加害者・被害者の裏側にあるものを
主人公が見抜いて解決するというものになっています。

今回のドラマでは、弁護士ものが多く
前回、前々回と取り上げましたが
個人的には、このハラスメントゲームが
一番面白いと思いました。

パワハラ、モラハラなどハラスメントがどういうことで
どういう場合がハラスメントになるかという簡単な説明も
ドラマ中にあります。

興味のある方はご覧になっていただければと思います。
( 2018/11/13 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第320回 今度は弁護士資格のない元弁護士 

先週、
現在、弁護士のドラマで偽弁護士が主人公のものが
放映されていることをお話ししました。

今度は、弁護士資格を失った元弁護士が主人公のドラマです。
ドラマのタイトルは、「リーガルV」。
やはり、普通の弁護士の話は視聴者が飽きていると思われているのか
米倉涼子さん演じる今は弁護士資格を持っていない元弁護士が
個性的などちらかというとダメな弁護士を使って
事件を解決していくという話です。

弁護士でない人は、弁護士と報酬を分けたりしてはいけないし
弁護士を雇用して事件を受任したりすることもできません。

主人公は、事務所の管理人と言っていますが
実際の世界でこのようなことをすれば
非弁行為として摘発されてしまう可能性はあります。

これまで3回放映されていますが
弁護士のドラマとしては
先週取り上げた「SUITS」よりも「リーガルV」の方が面白いような気がします。

みなさんも、比較して見られたらよいかもしれません。

( 2018/11/06 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第319回 偽弁護士ドラマSUITS 

刑事事件以外の弁護士のドラマが
最近多くなってきました。
そのせいか、今回は、普通の弁護士ではなく
弁護士資格を持たないけれども
類い稀なる記憶力を生かして弁護士になりすました
いわば偽弁護士が主人公のドラマが登場しました。

そのドラマは「SUITS」。

第3回までを見た限り、
類い稀なる記憶力を武器に
事件を鮮やかに解決するわけでもなく、
弁護士資格を持つけれどもあくどいボスに対し、
弁護士資格を持たないけれども正義感を持って事件に挑む
主人公というわけでもなかったように思えました。
なぜ普通の新人弁護士でなく
偽弁護士を主人公にしたのか
僕には、今のところ、よくわかりません。
「なりすまし」というところが
新しい切り口なのかもしれませんが。

アメリカでヒットしたドラマが原作だそうです。

興味のある方は、ご覧になられてはいかがでしょうか。


( 2018/10/30 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第307回 てるみくらぶ社長が詐欺で懲役6年の実刑に 

格安旅行会社のてるみくらぶの経営が破たんして
1年以上が経ちましたが、
みなさん、覚えていらっしゃいますか?

旅行会社にチケット代やホテル代を前金で支払っていたのに
会社が経営破たんしてしまい
現地のホテルや航空会社にお金が支払われておらず
顧客がホテルにも泊まれないし、飛行機にも乗れなくなった
というひどい話です。

その社長が詐欺で有罪となったという話を聞けば
みなさんも、それはそうだと納得するとは思います。

しかし、てるみくらぶの社長が詐欺で有罪となったのは
顧客を騙したことではありません。
銀行に対し、嘘の決算書を見せて、融資を受けたということです。
また、役員報酬1000万円を受け取っていたことを破産管財人に
隠していたということで、有罪となっています。

したがって、てるみくらぶの社長は
銀行に嘘の決算書を見せたり、役員報酬を受け取ったことを
隠したりしなければ、
詐欺罪などで刑罰を受けることはなかったということになります。

みなさんは、約束違反があると、騙されたから詐欺だと思うことが
多いでしょうが、
実際は詐欺となるケースは少ないんです。

てるみくらぶの社長が詐欺罪などで有罪とになりましたが
顧客からお金を取ったけれどもホテルや飛行機代を支払わなかったことについては
刑事責任を問われていないということを知っておいていただければと思います。

( 2018/07/24 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第304回 2022年の4月から18歳で成人となります。 

2022年4月1日から18歳で成人となります。
ただし、お酒やギャンブルは
20歳にならないとできません。

では、18歳で成人となると何ができるようになるのでしょうか。
一足先にできるようになった選挙ができるようになります。
それから、結婚ができるようになります。
これまでも18歳で結婚することは可能でしたが
親の同意が必要でした。
これからは18歳になれば親の同意なしに結婚できるようになります。
女性の結婚は16歳から可能でしたが
法改正により親の同意があっても16歳では結婚はできなくなります。

親の同意がなくても、契約を結ぶことができるようになります。
逆に言うと、これまでは騙されても親の同意がない場合
取り消すことが可能でしたが
これからは、18歳以上が結んだ契約は親の同意がなくても有効なので
取り消すことが難しくなります。

これがかなり問題となることが予想されます。

これまでは、20歳になると
酒、たばこ、ギャンブルができるようになる代わりに
契約は取り消せなくなるし、責任は重くなることが
大人(成人)になることだということで
わかりやすかったですが
2022年からは
大人になることは
契約上の責任は重くなるけど
お酒は飲めないし、
たばこもギャンブルもできないということで
何のための成人かよくわからない
ということになります。

しかし、
これまで成人式は、お酒を飲んでお祝いをしてきたけれども
お酒は飲めないし、
18歳の1月に成人式を行うと
大学受験で、それどころではない
ということにもなりそうです。

法律が変わればそれに合わせた
成人式や成人となる意味は
出てくるとは思いますが
昔の成人からすると
何のための成人なのかなと
心配してしまいます。

ちなみに世界的には
18歳で成人だそうです。





( 2018/07/03 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第299回 破産前の財産隠しは犯罪です。 

破産する際に、
債権者に全て財産を渡してしまうのは惜しいし、
破産後はしばらく収入が無くなってしまうだろうから
少しでも財産を手元に残しておきたい
と思うのは、仕方のないことだと思います。

しかし、それをしたら、破産法違反として
刑事罰を受けることとなります。

また、破産の目的は、破産手続後は
借金などの債務を返さなくてよいという
免責決定を得ることにありますが
免責もでなくなってしまいます。

報道によると、
家電通販サイトの運営会社社長が
破産法違反の罪で懲役3年の実刑判決を
受けました。
理由は、破産手続開始前に
1億1000万円を引き出して隠したうえに
破産管財人に自分の預金口座から引き出した
1890万円について知人に返済したと
嘘の説明をしたということです。

破産をすると、
これまで築いた財産を失うことにはなります。
しかし、借金や支払いもしなくてよいこととなります。
財産を隠したい気持ちはわかりますが
それは、刑罰を受けたり、免責が受けられなくなったり
と自分のためにもなりません。
破産する方は、くれぐれも注意してください。


( 2018/05/29 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第298回 会社設立費用中5万円は裁判官、検察官の天下り費用? 

みなさんの中には
会社を設立したことがある人は
どれだけいるでしょうか。

株式会社を設立するのにどれだけお金がかかると思いますか?
株式会社を設立する際に必要なお金は
1円と答えられた方もいるかもしれません。

しかし、それは株式会社の資本金が1円というだけで
それだけでは株式会社を設立することはできません。
株式会社を設立するには、
設立登記をする必要があります。
それにかかる費用が15万円。
その他に、定款という株式会社のルールを
公証人に認証をしてもらう必要があります。
その費用が5万円。

したがって、会社設立には
20万円はかかることとなります。

日経新聞の記事を見たところ
この定款認証費用を削減するために
公証人の認証制度を廃止しようとした
議論があったそうです。

しかし、法務省が
公証人の認証制度が廃止されれば
暴力団等の反社会的勢力が隠れる法人が
増えかねないと反発して
認証制度は廃止されなかったようです。

公証人の定款認証がなぜ必要なのか
説明できる人はあまりいないと思います。
今後定款認証の際に
実質的支配者が反社会的勢力でないことを申告させるようにする
らしいですが、
これまでは、そのような制度はなかったので、
認証制度を廃止させないために
この申告を設けたのではないかと勘ぐってしまうくらいです。
そもそも、そのような申告制度を設けたとしても
名義貸しなどにより潜脱は簡単になされてしまいそうだからです。

本気で、反社会的勢力が株式会社を持てないようにするのであれば
反社会的勢力は、株式を持てないようにし、取締役にもなれないと
法律で定めて、
その取締役を警察がするという方法しかないと思います。

定款認証で、チェックするというのは
あまり意味がないことで、
その手続に5万円も費用を取るのは
無駄だと思います。
僕が言ったところでどうにもなりませんが。。



( 2018/05/22 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第282回 仮想通貨580億円が流出 

昨年は相場が急上昇して高額所得者を出したと思えば
今年になって相場が急落している仮想通貨。

芸能人を使用したCMで知名度を上げていた
仮想通貨取引業者であるコインチェックが
サーバー攻撃に遭い
580億円もの仮想通貨を流出させてしまったという
事件が起きました。

これについて、コインチェックは、顧客に対し、全額補償することにしたようです。

補償しなければ、
顧客はサイバー攻撃に遭ったときには損をすることになると考え、
今後コインチェックと新たな取引しないでしょうし、
今、他の通貨で取引している顧客も、
同様にコインチェックは危ない会社と考え
他の業者に移してしまう可能性があります。

また、今回の事件の原因は、
ネットにつないで管理していたことと、
秘密鍵を複数に分割した上で
分離して管理していなかったことなどが原因とされていますので
補償しないと言ったとしても
顧客から損害賠償請求をされ、
その損害賠償請求は裁判で認められる可能性があります。

これらの理由から、コインチェックは顧客への全額補償を認めたと思います。

しかし、これで一件落着ではありません。
この場合でも会社が580億円の損害を被ったことには変わりがありません。
コインチェックの資産や収益がどれくらいかわかりませんが
この580億円の損失で経営が傾いてしまえば、
全額補償をすると言ったところで
民事再生や破産などの倒産をすることとなり
全額は支払えません。

そうなれば、顧客は損を被ることとなります。
仮想通貨の取引を行う人は
相場の上げ下げによる損のリスクもありますが
サイバー攻撃による仮想通貨取引業者の安全性のリスクも見極めて
取引を行う必要があるようです。





( 2018/01/30 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第279回 日航が偽メールで詐欺被害 

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

さて、昨年末に、あまり騒がれませんでしたが
大きな詐欺事件が発覚しました。
その内容は、
日本航空が偽メールによって、
何と3億8400万円もの詐欺被害に遭った
というものです。

最近は、請求書をメールで送ることも多くなり
それに従って振り込むことも多いと思います。

日本航空が騙されたのは
取引先の担当者を装ったメールで
請求書が送られてきたという方法です。

メールアドレスや銀行口座名義は
どうだったのでしょうか。
その辺は報道されていないので
わかりませんが
メールの差出人がメールアドレスでなく
氏名等で表示されていると
メールアドレスが違っているかどうかは確認をしないと思います。
また、氏名等で表示されない場合でも
知っている相手の名前が入っていると
似たようなアドレスの場合あまり疑わないのが普通だと思います。

銀行口座もいつも支払っている相手名義となっていたのかもしれません。

メールでは、比較的なりすましはしやすいですが
取引相手になりすますのは
取引相手の会社名や担当者名を知った上で
同じような名義の銀行口座を持たないと
なりすますことはできません。

そこで、
日本航空の担当者も
まさかなりすましの偽メールだとは疑わなかったのでしょう。

しかし、実際に3億8400万円もの詐欺事件は起きてしまいました。

メールで請求書をもらっている場合
相手のアドレスや振込口座をよくよく確認する必要がありそうです。
( 2018/01/09 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第271回 裁判官のアパート経営は不許可 

報道によりますと、
夫婦で賃貸アパートを新築して
賃料収入を得ようとした裁判官が
兼業許可を申請したところ
不許可にされたようです。

裁判官は公務員ですから
事業を行うには
兼業をすることについて
国の許可が必要となります。

今回のケースは
1億3000万円を銀行から借り入れて
アパートを新築して
自分で所有する土地にアパートを新築し
全室を不動産業者に貸し付けて年間賃料1100万円を得て
年間500万円の収入を得る計画だったそうです。

借入金額と収入金額が多かったため
「最も公正かつ廉潔であることが認められる裁判官には
認められない」ということが理由だそうです。

裁判官は、私的な紛争を公正に裁くことが求められるので
利益を目的とする事業を営むことは
許されないとの判断のようです。

なかなか難しいのは、今回の土地にはもともと
親の自宅兼アパートがあったということなので
それを建て替えようとしたようです。
相続案件では、裁判官も許可を受けているらしいので
親が同様の規模のアパートを残して
亡くなった場合は
許された可能性があるということです。

親が残したものなら仕方がないけれども
自分で建て替えるのは許されない
というのはなかなか厳しいですね。

( 2017/11/07 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第237回  詐欺メールにご用心 

みなさんは、
「利用料金が滞納となっているのでお支払いください。
お支払いがないときは、法的措置を取らせていただきます。」
などという心当たりがないけど
もしかしてどこかのサイトにアクセスしたときのものかとちょっと不安になるような
メールを受け取ったことはないでしょうか?

このようなメールはほとんどが詐欺です。

詐欺であることの根拠は
まず、宛名がないことです。
料金が未納で、相手に支払いをさせようとしているのに
詐欺メールにはその相手(みなさん)の名前が記載されていません。
それは、相手(みなさん)の名前がわからないからにほかなりません。

次に、差出人の連絡先として電話番号が書かれているのに
差出人の会社名、住所、担当者の氏名が書かれていません。
これも、自分たちに連絡をもらおうとしているのに
自分たちの名前も住所も担当者名も書かれていないということは
通常ありえません。

そして、内容をよく見ると
その利用料金は、いつ、どのようなサービスについて
発生したのかも明確に記載されていません。

さらに、法的措置を取るという重大な知らせなのに
郵便ではなく、
メールで送ってきています。
このようなこともあまりありません。

差出人が大会社かその関連会社のような名称がついている場合もありますが
大会社は、メールでそのような連絡はしませんし
宛名はきちんと書いてくるはずです。
大会社ほど支店や営業所が多いはずですから
営業所等の住所を記載しますし
従業員も多いので担当者の氏名を書いてきます。

したがって、上記の要件を満たしている
メールによる督促は
詐欺メールということになります。
無視をしておいたらよいと思います。

どうしても不安な方は弁護士に相談されたらよいと思います。










( 2017/03/14 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第216回 将棋で、プロ棋士がスマホで不正? 

将棋界で、最高峰のタイトル「竜王戦」の直前で
挑戦者であった三浦九段が出場停止処分となり
挑戦者が変更されるという異例の事態が生じました。

その理由は、将棋連盟は明確にはしていませんが
三浦九段がスマホに搭載した将棋ソフトを利用して
対局をした不正が疑われていたということです。

事実関係がネットや報道でいろいろ言われていますが
誰がどこから聞いた話なのかわかりませんので
僕には、不正があったのかなかったのかについて
判断することはできません。

今回、このコラムで取り上げることにしたのは
将棋連盟がビッグタイトルの挑戦も含めて出場停止処分という
重い処分をしたにもかかわらず、
その理由を明らかにしていないことは問題だと思ったためです。

通常、処分をするには、
処分をするためのルールがあって、
ルールに違反したという事実があって、
その違反が処分に見合うということが
必要とされています。

将棋連盟は公益社団法人なので
棋士の任意の団体なのだから
その処分は団体の好きにしてよい
ということにはならないと思います。

ところが、最初に説明したとおり
将棋連盟は
ホームページ上、出場停止処分にしたことだけを
掲載したのみで、その理由を明らかにしていません。
新聞報道からは、
記者会見では、三浦九段について
スマホを使用した不正について調査していた中で
三浦九段がそのような疑いをかけられたままでは対局することはできない
から休場すると言ったけれども、
休場届が出ないことから
出場停止処分をしたと発表したようです。

この発表を文字通りに解釈すれば
休場すると言っておいて
休場届を出さないから
出場停止処分としたということになります。
しかし、休場すると言っていても
休場届を出さないということは
普通は休場する意思はないということであり
休場届を出さないからと言って出場停止処分にできる
ということにはなりません。

将棋連盟は
スマホの使用による不正を認定したから
出場停止処分にしたということなのかもしれません。

しかし、スマホの使用による不正を認定したのであれば
12月までの出場停止処分は軽すぎるような気がします。

不正をしたと疑われるようなことをしたから
処分したということであれば、
あくまでも疑いなので
それを処分する根拠が必要だと思います。
将棋連盟のルールで疑われる行為をしてはならない
ということが定められていれば
このような処分は可能だとは思いますが
そのような報道はなされていません。

三浦九段は、弁護士に相談すると言っていたそうですが
弁護士であれば、将棋連盟に処分の根拠となる
ルールと事実認定を明らかにするよう求めることが
考えられます。

ただし、三浦九段が不正をしていた場合
将棋連盟は、
理由をうやむやにして
処分も短期間で済まし、
復帰の道も与える
という温情的な処分をした
とも考えられます。

これに対し、三浦九段は、
潔白を証明するために将棋連盟と闘うのか
それとも
世間は三浦九段を黒と思っているけれども
このあいまいな処分を受け入れ
将棋連盟と折り合っていくのか
どちらになるのか注目ですね。

ちなみに、僕は将棋が好きで
このようなことが起きてしまったことは、将棋ファンとして大変残念に思っています。
これはコンピューターソフトが棋士と同等又は強いことが判明してから
何年も経過しているのにのに、不正防止のためのルールをすぐに作らなかった
連盟の責任は大きいと思っています。
(もちろん不正があった場合に不正をした人が悪くないという意味ではありません。
このような不正騒動が起きるということが将棋界にマイナスとなるということについての
責任です)



( 2016/10/18 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第213回 私立小学校の先生は中学受験の進学指導をする義務があるか? 

私立の小学校で、
系列の中学校に進学できない生徒に対し
小学校の先生は、
特定(系列)の中学校については
合格の可能性が少ないので
他の中学を受けるよう進学指導する
義務があるかどうか
争われた事件について
判決が出されたようです。

事案の概要は
系列の中学、高校、大学がある私立の小学校の
生徒が系列の中学に
内部選考単願受験で進学を希望したところ
不合格となりました。
その後、一般入試で系列の中学を再度受験したけれども
不合格となりました。
生徒の両親は、
この一般入試で、系列の中学を受験する際に
合格は難しいので他校を受験した方がよいと
指導する義務があったにもかかわらず
指導しなかったことから他の中学を受験する機会が
失われたとして学校に対し損害賠償請求をしたものです。

裁判所は、中学までは義務教育なので
進路指導するという特別な合意がない限り
中学への進学指導についての義務はないと
判断し、
生徒の損害賠償請求を認めませんでした。
その他に、
実際上、成績が芳しくないことは両親に伝えていて
最も有利な単願受験で不合格となった際にも
他の中学校の予定も含めた受験スケジュールを渡したことから
系列の中学に合格することは難しいと説明していたと思われるとも
認定されています。

僕は、高校まで公立なので私立の学校の事情はよくわかりませんし
義務教育での中学進学について小学校の先生が義務を負うのかどうかは
難しい問題だとは思います。

ただ、最も有利な単願受験で受からなければ
一般入試で合格するのは難しいというのは
一般的に知られていることなのではないでしょうか。

私立の学校に通わせているご両親であれば
そのことは学校の先生から説明を受けなくても
わかっているような気もしますので
なかなかこの請求の立て方が無理だったような気がします。
弁護士としてはどうしてこのような請求の立て方で
裁判を起こしたのかは気になりますね。

ちょっと変わった事件だったので、
みなさんに紹介してみました。




( 2016/09/27 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第212回 ワンセグテレビは、受信料を支払う義務があるか? 

先日、携帯電話等で見られるワンセグテレビについて
NHKの受信料を支払う義務があるかどうかが
争われた事件で
判決が出されました。

その結果は、支払う義務がないというものです。

受信料の支払義務を定めているのは
放送法という法律で、
受信設備を設置したものは受信契約を
しなければならないと定められています。

そこで、裁判では
携帯電話のワンセグテレビが
受信設備の設置に当たるのかどうか
が争われました。

設置の意味を受信設備により
NHKの放送を受信できる状態にすること
という意味であれば
携帯電話のワンセグテレビを持っていることは
設置に当たることとなります。

しかし、判決は、
放送法は、別な条文で設置と携帯については区別をしていることから
受信設備の設置には、携帯電話の所有は含まれないと
判断し、携帯電話でワンセグテレビを見られる場合は
受信設備の設置には当たらないとして
受信契約の締結義務を否定し、受信料の支払義務はないとしました。

なかなか微妙な問題ですが、
同じ法律の中で、設置の意味を携帯と区別して使用しているのであれば
設置に携帯も含まれると考えるのは無理があり、
ワンセグテレビに受信料を支払わせたいのであれば
法律を変える必要があるように思えます。

ただし、今回の判決は1審で、
NHKは、高裁、最高裁と争うつもりのようなので
今後この解釈が維持されるかどうかは
わかりません。

今後の裁判の行方に注目です。



( 2016/09/20 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第209回 賃貸収入7000万円の消防士が兼業禁止で処分 

新聞報道によると
消防士が年間7000万円の賃貸収入を
得ていることが
公務員の兼業禁止に違反しているとして
改善命令が出され、
それに従わなかったことで
さらに処分をされるということのようです。

改善命令の内容は
賃貸物件を5棟10室、駐車場台数10台未満
賃貸収入500万円以下に減らすようにする
と言うもののようです。

公務員が兼業を禁止されているのは
職務の専念義務
公務員としての守秘義務
公務員の職務の中立性と公正の確保
等からだと言われています。

職務の専念義務というのは、
他の職業をすることにより、疲れたりして本来の公務員としての職務に支障が出てしまうことを
兼業を禁止することにより防ぐというものです。

守秘義務は、公務で知った秘密を他の職業で使用することを兼業を禁止することにより防ぐという
ものです。

最後の職務の中立性と公正性の確保については
公務員が兼職していると、その業界に有利に公務を行うのではないかと中立性を疑われるし
世間から公務員がそんな職業についてと思われることにより公務員の仕事が疑われてしまう
こともあることから、兼職を禁止することにより防ぐというものです。

今回の消防士については、
公務で知った秘密を不動産の賃貸で利用するという可能性はないですし
消防士が賃貸収入を得ていたとしても消防士としての信頼や公正性を損なうことはありません。
賃貸収入と物件が多いと、
全部自分で管理をしているのであれば
公務員としての職務に支障が出るほど管理が大変となる可能性はありますが
全部管理会社に任せているのであれば、休日に、趣味でスポーツをやるよりも
負担が軽い可能性があります。
したがって、一概に物件の数や収入が多いからと言って
公務員の職務専念義務には違反しないと思います。
そこで、この消防士さんには
なかなか難しいでしょうが勤務先である自治体と
その処分については取り消されるべきであると争って欲しいですね。




( 2016/08/30 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第207回 相撲部屋を承継するには対価が必要か 

みなさん、相撲はご存知だと思います。
相撲は、公益財団法人日本相撲協会が運営しています。

力士は、日本相撲協会に所属して給料をもらっている
いわば、日本相撲協会の従業員ということになります。

しかし、力士は、各親方の運営する部屋に所属し
その部屋の親方になるには、年寄名跡を取得しなければなりません。

この年寄名跡について、この度判決が出されたようです。
このケースは春日山親方が、元親方の岩永氏に対し
年寄名跡証書の引渡しを求める裁判を起こしたところ
元親方の岩永氏が証書は部屋を承継する代金の担保として預かっていると
反論しました。
要するに、部屋の承継する代金を支払わなければ
年寄名跡の証書は渡せないと反論したのです。

裁判所は、この岩永氏の反論を認め
部屋の価値を約1億8000万円と認定し
1億8000万円を支払うのと引き換えに証書を引き渡すよう
判決で命じました。

この年寄名跡は、公益財団法人の役職とも考えられることから
日本相撲協会自体は売買の対象とはならないとしています。
しかし、力士や親方の間では、慣習上売買がなされ
これまでも、売買の合意があったか
贈与の合意があったかが裁判で争われてきました。

裁判所は、
日本相撲協会の
年寄名跡は売買の対象とはならない
という原則を否定し、
売買や贈与の対象となると判断してきました。

今回の判決もこれまでの判決を踏襲したものと
思われます。

プロ野球やJリーグは
各チームをそれぞれの株式会社が運営しており
その株はもちろん売買の対象となっています。
相撲の場合も各部屋を株式会社などにして
明確に売買ができるようにするか
日本相撲協会の役職として全く売買できないようにするか
すればよいと思うのですが
全く売買をできないようにしたいけれども
これまで売買されてきたことを考えると
代金を支払って買い取った親方は売却できず
回収ができなくなってしまうということで
なかなか改革ができないということなのだと思います。

ただ、このままだと裁判所は過去の慣習から売買を認めてしまうので
相撲協会の思いとは反対の結論となってしまいます。
部屋の価値は1億8000万円もすることを考えると
なかなか廃止するのは難しいのかもしれません。






( 2016/08/09 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第204回 忘れられる権利はあるか? 

インターネットがみなさんの生活になくてはならないものとなってきたためか
このコラムでインターネット関連の法律問題について
書くことが多くなってきました。

この前は「成りすまされない権利」を取り上げましたが、
今回は、「忘れられる権利」です。

この忘れられる権利というのは
もう過去の過ちなのに、インターネット上はいつまでも掲載されていると
その過ちについて、永久に周囲から指摘を受け続けながら生活していくこととなってしまって
過ちを犯した人の負担が重すぎるので
一定期間が経過したら、その情報を消して欲しいという権利のことです。

さいたま地方裁判所の仮処分についての裁判所の判断では
忘れられる権利が認められ、
検索エンジンを運営するグーグルに対し、
検索結果を削除するよう決定が出されました。

しかし、この度、東京高裁では、
5年経過したとしても
まだ、その過ちについては一般市民が関心を持っているところなので
検索結果を削除することは、国民の知る権利を侵害するとして
忘れられる権利を認めませんでした。

この判決で争われた過ちとは、児童買春の罪で
殺人罪などとは異なり、罰金刑という犯罪の中では比較的軽い罪なので
過去の過ちについては反省し更生しようとしているのに
ネットの検索結果が出てしまうと
犯罪者扱いされてしまい更正の妨げとなるということで
忘れられる権利ということが主張されているようです。

犯した罪は一生背負って生きていくとは
言いますが、
どの程度まで負ったらよいのか
なかなか難しい問題だとは思います。
もちろん、罪を犯さないことが一番ですが
人間誰しも過ちは多かれ少なかれ犯しますからね。
( 2016/07/19 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第203回 銀行が破たん企業から賠償請求された 

報道によりますと、
三菱東京UFJ銀行が
破たん企業から損害賠償請求訴訟を起こされた
ということです。

その内容は、
東京三菱UFJ銀行が船会社に対し
四百数十億円も融資していたところ
船会社が融資の際に提出した賃料収入などに虚偽があったことを理由に
会社更生手続の申立をしたことが違法だとして
損害賠償請求を求めるということのようです。
船会社の言い分としては
賃料収入などが事実と異なるのは
銀行側の担当者から言われたものなので
それを理由に会社更生の申立をするのは
違法だということのようです。

賃料収入などを偽って融資を受けることは
契約違反で、ときには詐欺になる行為ですが
銀行の担当者が知っていたのであれば
銀行が知っていたということになりますから
契約違反とはならないし、詐欺にもなりません。

船会社の主張が事実だとすれば
銀行の担当者と船会社が通謀して
銀行の融資の決裁をする経営者等を
騙したということになります。

この場合は、
銀行側が自分のところの従業員がしたこととして
銀行が責任を負うのか
銀行側は船会社と従業員が通謀して、銀行を騙したのだから
銀行は被害者となるのか
なかなか判断は難しいところだと思います。
今後訴訟がどうなるか興味深いところです。
和解せずに判決となって、裁判所の判断が見てみたいところです。

ただ、会社更生手続は
破産手続開始の原因となる事実が生ずるおそれがあれば
債権者が申し立てることができるとされていますので
約束通りに、船会社が三菱東京UFJ銀行に返済していたとしても
全体から見て、破産の原因があれば申し立てが可能となっています。
したがって、船会社が債務超過である場合、
会社更生手続開始の申立をしたこと自体が違法であるということは
かなり難しいかもしれません。
( 2016/07/12 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第199回 成り済まされない権利 

ネット上では、成り済ましが多く行われているようです。
成り済ましとは、他人に成り済まして、その他人がネット上で第三者を誹謗中傷しているような
発言をするということのようです。

例えば、AがBさんに成り済まして、Cさんの悪口をネット上で言って
CさんはBさんが自分の悪口を言っていると思ってしまうというケースです。

東京新聞などによると
インターネットの会員制交流サイト(SNS)で自分に成り済ました人物を特定するため、
中部地方の四十代男性がプロバイダーに情報開示を求めた訴訟の判決で、
大阪地裁が、他人に成り済まされない権利を「アイデンティティー権」として認めたそうです。

自分に成り済まされて
自分がしていないことを自分がしているように思わされたら、
自分の周囲に対する信頼は無くなってしまいますから、
そのようなことを守る権利は認められて当然だと思います。

ネットで他人に成り済まして発言することが簡単にできるようになると
こんな問題も出てくるんですね。

ただ、報道によると
成り済まされない権利があるとしても、権利侵害の期間が短いので
損害賠償請求が認められないとして、
プロバイダーに対する情報開示は認めなかったようです。

成り済ましてどのような発言を行ったのか具体的な事情が分かりませんが、
短期間なら他人に成り済まして他人が信頼を失うような発言をしてもよいことにはならないと思うので
成り済まされない権利を認めるのであれば
プロバイダーに対する情報開示請求を認めてもよかったのではないかと思います。

( 2016/06/14 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第197回 LINEアイテムは、プリペイドカードと同じ 

みなさん、
スマホなどのゲームのアイテムを購入し、
ゲームの中でいざとなったら使用する方も
多いかもしれません。

そのアイテムはゲームによって
宝石だったり剣だったりするようですが
これらが、プリペイドカードと同じなのか
どうかが国とLINEとの間で問題となっていました。

たかがゲームのアイテムのことなのに、
なぜ、問題となるかというと
プリペイドカードは
消費者がお金を払ってカードを発行してもらい
そのカードは現金と同じように使えます。
しかし、カードの発行会社が倒産し
無くなってしまうと、
使えなくなってしまいますから
消費者は損をしてしまいます。

悪徳会社は、プリペイドカードを大量に発行し
お金を集めて、そのお金を持って逃げてしまい
会社を倒産させてしまうということが
考えられます。

そこで、資金決済法は
プリペイドカードの発行会社に対しては
発行したカードの未使用残高の半額を供託する義務を
定めています。

そこで、このゲーム上のアイテムがプリペイドカードと同じだ
と判断されると
アイテムの販売額で未使用分の半額について
LINEは、供託しなければならず、
報道によれば供託額が100億円を超えるようなので
アイテムがプリペイドカードと同じと判断されるかどうかは
大問題なわけです。

ゲーム上のアイテムも、消費者がお金を前払いして購入していて
そのアイテムそのものが商品やサービスではなく
ゲームの中で商品やサービスの提供を受けるためのものであることは
プリペイドカードとあまり変わりがありません。

そこで、国は、この度LINEのゲーム上のアイテムを
プリペイドカードと同じ
前払式支払手段だと判断しました。

そこで、LINEは100億円以上の供託をしなければならない
ということになります。
銀行と保全契約を結べば直接100億円以上の供託をしなくても済むのですが
銀行と保全契約を結ぶということは
同等の金額を銀行に預金等の形で預ける必要があります。
いずれにせよ、100億円以上の金額を運用や経費に回さずに
銀行等に預けておく必要が出てきます。

LINEだけでなく、スマホのゲーム会社は
ゲーム上で支払手段として利用できるアイテムを
販売しているでしょうから、
同様に供託等を求められることとなり
儲かっている会社ほど多額の供託を求められることとなります。

アイテムの購入代金を既に使ってしまっている会社にとっては
これを用意するのは大変なことだと思います。







( 2016/05/31 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第186回 暴力団員が大幅に減少 

新聞報道などによると
暴力団員が5万3500人となり
1992年の暴力団対策法施行後
最小になったそうです。

みなさんは、暴力団員が5万3500人もいるのか
と思われるかもしれません。
しかし、僕が「企業のための民暴撃退マニュアル」を
書くために平成8年の暴力団員数を調べたときには
約8万人でしたから
約20年間で3万人も減少したこととなります。

暴力団排除条例や暴力団の犯罪の摘発の強化が
功を奏しているようです。

暴力団の世界も少子高齢化の波は避けられず、
暴力団員の平均年齢は46.9歳と高齢化が進んでいるようです。
少子化の影響も暴力団員減少に影響を与えているようです。

また、警察は組を脱退した元組員の就労支援も強化している
ということです。
組を辞めても食べていけなければ組に戻るということは
十分考えられるので、警察がこの点を支援していることは
重要なことだと思います。

犯罪行為や違法行為を行う暴力団員が減少しているのは
良いことです。

ただ、暴力や脅迫など相手に害を加えることを背景に
お金を取ろうとする民事介入暴力を行うのは
暴力団員に限りませんし、
暴力団員も減少したとはいえ
まだまだ5万人はいるのですから、
暴力団対策や民事介入暴力対策はまだまだ必要だとは思います。
みなさんも、民事介入暴力に巻き込まれたら
すぐに弁護士に相談してください。





( 2016/03/08 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第185回 クロレラ側が逆転勝訴と報じられましたが・・・ 

日経新聞によると
健康食品の「クロレラ」に医薬品のような効果があるとする広告が
景品表示法に違反するとして消費者団体が広告差止を求めた
訴訟の控訴審判決で、
大阪高裁は
広告差止を認めた京都地裁の判決を取り消し
差し止め請求を棄却しました。

健康食品は医薬品ではないので
効能効果をうたうことは
基本的にできません。
いわゆる特保(特定保健用食品)として
厚生労働省に認められた商品だけが
一定の健康に対する用途を示して
販売することができます。

クロレラについては、
一審では、「医薬品との誤認を引き起こすおそれがあり
広告として許される誇張の限度を大きく超えた」と認定されました。

では、控訴審では、クロレラの広告が医薬品との誤認を引き起こす恐れがない
として勝訴したのかと言うとそうではないようです。
大阪高裁は、
一審判決後にチラシの配布を止めていることから
差止の必要性はないと判断して
広告の差し止めを認める判決を取り消したのです。

逆転勝訴というと
クロレラの広告に違法性が無かったと認められたのかと
思ってしまいがちですが
広告はもうしていないのだから
差止は認められないというだけの話だったわけです。

確かに、消費者団体の請求が一審で認められたのに
控訴審では否定された結果を見れば逆転勝訴です。

しかし、広告が止められているのであれば
消費者団体の広告を止めさせるという目的は
達成されたわけです。
そうなると、実質的には、消費者団体が勝訴したと思えます。

けれども、新聞の見出しは「逆転勝訴」となっていたので
これは本当に「逆転勝訴」なのか?と思い
ブログで取り上げてみました。

みなさんは、どう思いますか?
( 2016/03/01 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第184回 裁判所はメールで連絡をしたりしません 

最高裁の書記官を名乗る人物から
不特定の方に
裁判所へ出頭するよう求めるメールが送られているそうです。
そのメールには添付ファイルが付いていて
その添付ファイルを読むことを促すようなことが
書かれています。
しかし、その添付ファイルには
ウイルスが仕組まれているので
添付ファイルを開いてしまうと
ウイルスに感染してしまうということです。

裁判所からの通知は、
特別送達という特別な書留郵便で来るのが普通で
裁判所からいきなりメールが送られてくることは
ありません。

このニュースを見て、
最高裁判所のホームページを見てみると
裁判所を名乗るメールや
電話は結構あるようです。

その内容は、裁判費用や賠償金などを払えとか
詐欺の被害金が戻ってくるのでその手続にかかる費用を払え
というもので、その全てがお金をだまし取ろうとする詐欺です。

今回は、ウイルスに感染させようとしている点が
これまでの裁判所になりすましたメールとは
違っています。

しかし、詐欺メールにせよ、ウイルス感染メールにせよ
裁判所からメールで連絡が来ることはありませんので
裁判所を名乗るメールは、怪しいメールですので
開かずに削除してください。

( 2016/02/23 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第181回 予想通りか、反してか、土屋アンナが劇作家に勝訴 

第50回 舞台中止の責任はで話題にした
女優の土屋アンナさんが
主役を務める舞台の稽古に出席しないことから
舞台を中止せざるを得なかったとして
中止によって発生した損害賠償請求を求められていた
裁判について、
判決が出ました。

内容は、舞台の主催者である劇作家の請求を棄却する
判決で、土屋さんの全面的勝訴判決となりました。

劇作家側の請求が認められなかった理由は、
報道によれば、
舞台の準備が間に合っていなかったので
損害が出たとしても、それは土屋さんのせいではなく
主催者側の準備不足だということでした。

裁判の当事者ではないので
裁判の詳細はわからず、
報道から、裁判の争点は、土屋さんが稽古を休んだことについて
正当な理由があるのかないのかだと思っていました。
報道では、原作者や原作者の代理人弁護士は
舞台にすることに積極的で、
特に異議を述べていなかったということだったので
裁判では土屋さん側が不利なのかと思っていました。

しかし、判決は、その点について判断せずに
舞台の準備が整っていなかったから
舞台の中止は、土屋さんの責任ではないという
本来の争点ではないところで
結論が出されたようです。

世間では、劇作家のヒールぶりから
土屋さんが勝って当然だという意見が多いようですが
裁判としてはなかなか難しかったのではないかと思います。
原告側の弁護士がメインの争点で勝てそうだと思い、
舞台の準備ができていたということについての主張立証をおろそかにしていたのか?
もともと準備不足で舞台ができそうになかった点を突いた被告側の弁護士の作戦が
うまく行ったのか?
劇作家が裁判官の心証を害したために本来の争点ではないところで負かされたのか?
部外者の僕にはわかりませんが、
劇作家は控訴するらしいので、
控訴審ではどうなるのか楽しみですね。

実際の裁判では、
請求する原告側は、全ての争点に対し、主張立証しなければなりませんが
請求される被告側は争点の1つでも崩せば相手の請求を退けることができるので
複雑な訴訟では、原告側の方が気を遣うこととなります。





( 2016/02/02 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第180回 アイドルの交際禁止契約は「行き過ぎ」 

以前
第163回 アイドルの交際禁止契約は有効?
で、
アイドルに交際禁止義務を課す契約が有効だと判断し
契約に違反して異性と交際したアイドルに
損害賠償義務を認めた判決を取り上げました。

しかし、今回反対の結論を出した判決が出されました。
その判決では、
「アイドルのファンはアイドルに清廉性を求めるため
交際禁止はマネジメントの側の立場では一定の合理性がある」
と判断しています。

しかし、異性との交際は、憲法で保障された幸福追求権の1つだから
アイドルの特殊性を考慮しても
交際禁止は行き過ぎで、
損害賠償請求が認められるのは、
故意にアイドルが異性との交際を公表したような場合に
限定されるとし、
裁判になったケースはそのような事情がないという理由で
マネジメント会社の請求を認めませんでした。

前回のブログで、
僕は、アイドルに交際禁止を求めること自体は
合理性があるので
アイドル側は、争うなら、そこだけでなく
合理性があったとしても
交際を禁止することが法的に許されるか
その範囲を限定するなどを検討する必要が
あるのではないか
と言いました。

今回の判決は、
合理性があっても、
無制限に損害賠償請求によって
強制できないと判断したもので
前回の僕の考え方と似ています。

ただし、交際禁止条項の限定の仕方が
故意に交際を公表したような場合にのみ有効
としています。
この点がこれでよいのかということが
裁判で争われていくでしょうし
アイドルのマネジメント会社は
この判決を受けて、
契約内容等を変更していく必要があると思います。

前回も言いましたが
マネジメント会社にもアイドルにも最高裁まで
争って、この問題について法律上決着をつけてほしいですね。
( 2016/01/26 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第178回 夫婦同姓制度は合憲 

昨年末に、夫婦を巡っての最高裁判決が2つ出されました。
1つは、離婚後一定期間結婚できないとする待婚期間が合憲かというもの
もう1つは、夫婦は同姓を名乗ることが義務付けられていることから
どちらか一方は姓の変更を強制されるという夫婦同姓制度が合憲か
というものでした。

今回は、夫婦同姓制度の方を取り上げます。

最高裁は、夫婦同姓制度は、
姓を変える方は、姓が個人を表す呼称の一部であることから
その変更は個人のアイデンティティーの喪失をもたらしたり
それまで築いてきた信用を失わせたりするので不利益があることを認めました。
しかし、
姓が、同じ家族・親子を構成することを示す機能があること、
また、当事者が協議した上で決めることとなっていること、
通称の利用が広がっていることなどから
夫婦同姓制度には合理的な理由があり
合憲としました。

この同姓制度を違憲としてしまうと、
今の同じ戸籍内の家族は同じ姓を名乗るという戸籍制度を
全面的に変えなければならなくなるので
なかなか違憲判断は難しいと思っていました。
戸籍制度どう変えるかは
裁判所の仕事ではなく
国会の仕事ですから。

また、夫婦を別姓とした場合
子供の姓をどうするかでまた問題が発生します。
夫の姓か、妻の姓か、
1番目の子供と2番目の子供で
姓は変えてよいかどうか
などです。
夫婦平等になるよう、両方の姓を子供のうちは名乗るように
するとしたら、
夫の姓を先にするか
妻の姓を先にするか
という問題がまた起きてしまいます。

いっそのこと、
夫婦は別姓にして
子供には第三の姓を付けることとすれば
問題は解決すると思いますが
一般的には
姓は、自分の先祖や家族を表すものと
認識されていて
だからこそ、姓に自分のアイデンティティーを
感じているということもあるので
そこがなかなか難しい所かもしれません。

ただ、離婚が増えていて、
両親が離婚後別の姓という子供も増えてきているので
そのうち、家族でも姓が異なることに違和感を感じなくなる人が
多くなるかもしれません。

以前のように、妻が専業主婦ではなく
夫婦共に仕事をするケースが多くなってきているので
いくら通称が許されているからと言っても
会社の役員登記や不動産取引で提出する印鑑証明書も
通称ではできませんから
結婚で姓を変更するとなると
夫でも妻でも不便であることは間違いないです。

だから、違憲とまで言えるかどうかは難しいですが
国会は、この点について法律で解決する必要があると思います。




( 2016/01/12 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第169回 鳥貴族、鳥二郎の訴訟その後 

今年の2月に
同じ焼き鳥店で、
店名の鳥がニワトリをイメージする図柄にして
看板の配色が赤と黄色で、
木材を多用した内装、
従業員の服装は黒いTシャツにバンダナ
全品均一の価格表示
同じビルに入居するなどして
著名な表示と類似する表示を使用して
営業権を侵害したなどとして
鳥貴族が鳥二郎に対し、
ロゴマークなどの使用禁止と
損害賠償請求約6000万円を求め訴訟を提起しました。

報道を見る限り
かなり似ている営業形態だったので
判決がどうなるかと興味を持っていましたが
結果は和解で終了したようです。

しかも、和解で守秘義務が定められたためか
和解内容は公表されていません。

和解内容が公表されていないので
鳥二郎が損害賠償を支払ったのか
支払っていないのか
支払ったとしていくらなのか
今後同じ営業を続けていくのか
等はわかりません。

裁判で争って、判決が出れば
どちらが勝ったかが明確になります。
しかし、
和解の場合、守秘条項を付けることによって
どちらが勝ったか世間にはわからないようにする
ことが可能となります。

もちろん裁判で内容的に優位に進めている方にも、
和解で解決すれば控訴されずに済み
早期に勝訴と同様の内容を確定的に得ることができる
というメリットがあります。

このように、
和解は当事者の思うところを
柔軟に反映させて
解決することができます。
ただし、和解は、判決と違って
当事者が合意しないと成立しないので
そこがなかなか難しいところですね。

それにしても
この訴訟の和解内容は
どんな内容となったのでしょうか。
気になりますね。
今後鳥二郎が今後営業を同じ看板等で
行うかどうかでその点についてだけは
どう和解で決めたかがわかりますけどね。









( 2015/11/10 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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