弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第6回 司法試験にバイパス? 

各新聞で、司法試験に近道があるということが
取り上げられていました。
それは、「司法試験予備試験」のことです。

現在、司法試験を受験するには、
法科大学院に入学し卒業する必要があります。
法科大学院に入学し卒業するには、学費も必要ですし、
2年から3年という時間も必要となります。
しかし、この予備試験に合格すれば、
法科大学院の費用も時間も不要となります。
そこで、マスコミは、
司法試験のバイパス(近道)なのでは、と取り上げたのです。

この予備試験がなぜ設けられたかと言えば、
お金がなくて法科大学院に行けない人でも
司法試験の受験機会を与えようという趣旨からです。

しかし、予備試験は、誰でも受験することが可能です。
両親や自分の所得要件は課されていませんから、
お金持ちでも予備試験を受けることが可能なのです。
とすれば、お金がなくて法科大学院に行けない人ではなくて、
お金があっても、
法科大学院に行くお金と時間がもったいないと考える
頭の良い人のための試験が予備試験ということになりそうです。

予備試験の合格者の司法試験合格率が高いことから、
全ての人にとってバイパスになるかのような報道もありますが、
頭の良い人限定です。
なぜかというと、予備試験の合格者数は、
受験者6477人に対して116人と合格者数が少ない上に、
合格率は1.8%と司法試験よりも合格が難しいからです。
だから、普通の頭の良さの人にとっては
バイパスにはなりようがないのです。
ただ、頭の良い人は、
時間も費用もかかる法科大学院に行かないで済むバイパスの
メリットを享受できることになります。
今回でも、予備試験の合格者は
現役の大学生が半分だということです。

今後、頭の良い人は、
予備試験を受験して司法試験に合格しようとするでしょうから、
予備試験の合格者は、お金のない人ではなく、
頭の良い現役大学生が多くなり、
頭の良い人のバイパスになってしまうでしょう。
 

( 2012/10/02 00:00 ) Category 司法試験 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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