弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第289回 司法取引を日本にも導入 

他人の事件について
捜査協力をすると
自分の罪が軽くなる。

簡単に言うと、
他人が犯罪を犯したことを話すと
自分の罪が軽くなる。
ということです。

この制度を司法取引と言いますが
この司法取引の制度は
アメリカでは認められていますが
これまで、日本では認められてきませんでした。

自分の罪が軽くなるために
うその証言をする可能性もあるので
司法取引によって得られた証言は信用性に問題があるという
考え方が強かったためです。

既に、独占禁止法の分野では
価格カルテルや談合について
価格カルテルや談合を先に申告した企業は
課徴金を減免するという司法取引の制度が導入されています。

これが良い結果を産んでいることからか
経済犯罪の分野と組織犯罪の分野に
司法取引を導入することにしたようです。

組織犯罪に関係している方はあまりいないと思いますが
経済犯罪は、会社を経営しているあるいは会社に勤務している人なら
関係してしまうということもあるかもしれません。

そんな場合には司法取引により罪が軽くなる可能性があるということを
覚えておいてください。
司法取引には弁護人の立会いも必要となります。
その点も覚えておいてください。
( 2018/03/20 00:00 ) Category 刑事事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第264回 積水ハウスが55億円をだまし取られた 

ハウスメーカー大手積水ハウスが
土地取引で55億円もだまし取られたことが
報道されました。

報道によると
品川区の土地を63億円で購入し
代金を支払ったところ
受け取った所有権移転登記に必要な書類の
一部が偽造されたものだった
ということのようです。

所有者だとして、面談し契約を締結した相手は
所有者本人ではなかったそうです。

要するに、ドラマか映画にあるような
詐欺に、積水ハウスのような大手企業が
引っかかってしまったということです。
しかも、その額63億円。
一部に預かり金があったため
損害額は55億円だったようです。
55億円でもすごい額ですね。

弁護士は職業上、土地の売買などの代理人となることは
多いです。
債務整理や遺産分割など、
どちらかと言えば
売却する側の方が多いです。
売却する側の代理人でも
土地の登記書類を渡してしまって
代金が振り込まれない
ということが怖いですから
55億円の取引でなくても
かなり緊張はします。
ただ、売却する方は
代金の入金前に書類を渡すことをしない点に
注意すればよいので
買う方に比べれば少し楽になります。

不動産の買う方の代理人となると
物件に欠陥があるかもしれませんし
優先する登記などが売買の直前に設定されてしまう可能性もあります。
また、今回の事件のように登記に必要な書類を
受け取ったものの偽造書類の可能性もあります。

不動産の売買は買う方の方が何倍も難しいこととなります。

騙す方は故意でやっていますから
発覚したときには逃げているし
お金はどこか追及されないところに隠してしまうでしょうから
法律上取り戻す権利があっても
実際に取り戻すことは難しいです。

したがって、不動産の売買には
十分気を付けた方がよいと思います。

( 2017/09/26 00:00 ) Category 刑事事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第135回 示談というのは何のこと? 

みなさん、示談という言葉を聞いたことがあると思います。
これはどういうときに使われると思いますか?

一般の方が使われるときと、
弁護士などの法律家が使うときとで
意味が違うかもしれません。

法律家が示談というときは、
刑事事件の被害者と和解することを言います。

刑事事件の被害者と和解をして
告訴や被害届を取り下げてもらったり
刑事事件の判決を軽くしてもらったりすることを
目的とすることが示談なのです。

法律家は刑事事件とは関係のない交渉は
示談とは言いません。

ところが、弁護士として、一般の方から
相談を受けたり、依頼を受けたりすると、
一般の民事事件でも示談にして欲しいと言われることがあります。

この場合の示談とは、
刑事事件について被害者と和解してほしいという意味ではありません。
訴訟にしないで、交渉で解決してほしいという意味です。

このように、世の中では、示談という言葉について
2通りの意味で、使われているのでご注意ください。


( 2015/02/24 00:00 ) Category 刑事事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第7回 巨人軍監督が刑事告訴 

新聞によると、巨人軍の監督が、
愛人関係にあったとする
女性の証言を掲載した週刊誌の記事について、
女性を、氏名不詳のまま名誉棄損の疑いで刑事告訴しました。
通常であれば、
週刊誌を出版している出版会社に対しても刑事告訴しますが、
出版社に対しては記事の取り消しと謝罪のみを求め、
刑事告訴はしなかったようです。

みなさんは、世の中で犯罪があれば
警察が積極的に動いて、
犯人を検挙するために捜査してくれると
思っている方が多いことでしょう。
確かに、殺人事件や強盗事件など重大な犯罪であれば、
警察は黙っていても動いてくれます。
しかし、被害者等が言わないと
警察に犯罪だとわからないものについては、
被害者が被害届を出したり、
刑事告訴をしたりしないと、
警察は動いてくれません。

名誉棄損や横領、詐欺など、
民事の紛争に絡むものについては、
特に、あまり動いてくれません。
警察にとっては、
民事の紛争解決に警察を利用されることを
防止するためだったり、
民事絡みの事件は殺人や強盗などとは異なり、
犯罪として成り立つのかどうか
警察が判断するのが難しかったりするためです。

これらについて、
犯罪として警察に動いてもらうには、
告訴状を警察に提出する必要があります。
告訴状を提出する際は、
一般に、相手が誰で、
相手のどのような行為が
どの犯罪に該当するのかを明確にして、
その犯罪を証明する証拠を提出する必要があります。
これら、告訴状を作成し、受理してもらうことも、
弁護士が行う仕事となります。
犯人が誰かわからない場合には
巨人軍監督がしたように「氏名不詳」として
刑事告訴をすることも可能ですが、
相手がどこのだれか全くわからないのでは、
警察も捜査しようがないので、
刑事告訴をする意味がないことになってしまいます。
民事絡みの場合は、相手の処罰を求めることが目的なので、
犯人がどこの誰かがわからないということは
あまりないとは思いますが。
 
 


( 2012/10/09 00:00 ) Category 刑事事件 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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