弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第5回 離婚して、お金も払ってほしい 

最近、有名芸能人の裁判が話題となっています。
震災の影響か、はたまた景気が悪いせいか、
離婚件数は、最近減っているそうです。
しかし、紛争のケースとしては、
他のトラブルよりも件数は多いようで、
離婚の相談や依頼をよく受けます。

離婚する際に相手に請求できるのは、
大きく分けると次の3つです。
慰謝料と財産分与と養育費です。

まず、慰謝料は、
相手に、浮気した、暴力を振るったなどの
離婚原因がある場合に請求することができます。
慰謝料の額は、離婚原因や婚姻期間などによりますが、
100万円から500万円の間ではないでしょうか。
500万円認められるケースは少なく、
みなさんが期待しているほど
慰謝料はもらえないのが現実です。

次に、財産分与は、
婚姻期間中に夫婦で築いた財産の清算として、
夫婦の財産の合計額の2分の1に相当する額を
請求することができます。
名義が自分の名義でも相手の名義でも関係ありません。
夫名義の財産、妻名義の財産を合計して、
2分の1ずつになるように、分けることとなります。
夫が自営で会社を経営しているような場合、
その株の価値の増加分も
財産分与の対象となる可能性があります。
財産分与は、婚姻期間中に夫婦で築いた財産の清算なので、
基本的に自分に離婚原因があっても、
財産分与を請求することが可能です。
浮気したからと言って、
過去の財産形成に寄与したことは無くならないからです。

最後に、養育費です。
養育費は、未成年の子を引き取った方が
相手方に請求することができます。
この養育費も、離婚原因が自分にあるかどうかは
関係ありません。
妻が浮気をして離婚することになったとしても、
未成年の子を妻が引き取ることになったときは、
妻は夫に離婚後に養育費を請求することができます。
養育費の額は、夫、妻の収入と子供の数、年齢で、
おおよその基準が裁判所で作成されています。
夫が年収1000万円、妻が年収200万円、
子供が高校生で、妻が子供を引き取ったとすると、
養育費は月額12万円くらいです。
夫の収入が少なければ当然養育費の額も少なくなります。
妻の年収が多くなればやはり養育費の額は減ることとなります。

 
( 2012/09/25 00:00 ) Category 離婚 | トラックバック(-) | コメント(-)

第4回 遺産を分けて欲しい-兄弟の一人が遺産を独り占め- 

お父さんやお母さんが亡くなったときに、
兄弟の一人、長男あるいは親御さんと同居していた方が
遺産を独り占めにして他の兄弟には遺産の内容を明らかにしないし、
遺産を渡しもしない、ということは意外とよくあります。

しかし、現在の民法では、
子供は平等の法定相続分がありますから、
同じ子供である兄弟の1人が、
長男であっても、同居をしていたとしても、
遺産を独り占めすることはできません。

そこで、遺産を独り占めしている兄弟が、
こちらの遺産を明らかにして欲しい、
遺産を分けて欲しいという要望に応じなければ、
遺産分割調停を申し立てることとなります。
その調停手続の中で、
相手に遺産の内容を明らかにせよと求めることもできますし、
調停手続の中で遺産をどう分けるかという
話し合いをすることもできます。

しかし、調停は、基本的に話し合いの手続なので、
相手が遺産の内容を明らかにしない、
あるいは、遺産を分けることに応じないという場合もあります。

そういうケースでは、まず、
遺産分割の対象である遺産がわからなければ
遺産を分けることもできませんから、
遺産を調査して裁判所にこのような遺産があると
示す必要があります。
相手が明らかにしない以上、
遺産分割を請求する側で調査し、証明しなければなりません。

遺産の調査の仕方は、遺産によって違います。
遺産の調査の仕方は、また後程お話しすることとします。

遺産がわかっているけれども、
調停で分け方について話し合いが付かない場合もあります。
そのような場合は、
調停を不成立にして(「不調」と言います)、
遺産分割の審判を手続に移行します。
審判手続は、一般の裁判と同じで、
当事者間で話し合いが付かなくても、
遺産の分け方について、
裁判所がどの財産を誰が取得するのかを決めてくれる手続です。




( 2012/09/18 00:00 ) Category 相続・遺産分割 | トラックバック(-) | コメント(-)

第3回 貸した店舗を明け渡して欲しい―家賃の滞納の場合― 

自分のビルやマンションを、
事務所や店舗、住居として貸している方は多いと思います。
ビルやマンションを賃料を取って貸す契約を
「賃貸借契約」と言います。
借主は家賃を払わなければ
賃貸借契約を解除して追い出されてしまうことから、
家賃を払うのが普通です。

しかし、今の世の中、
会社や店舗の経営がうまく行かなくなることは多いですし、
給料をもらっていても会社がつぶれたり、
逆に借主がリストラされてしまったりと、
借主が家賃を滞納してしまうケースは増えています。

そういう場合、家賃を払わないのであれば契約を解除すると言って、
任意に出て行ってもらうのが一番いいです。
しかし、家賃を滞納している借主は、
来月には何とか払うからなどといって、
なかなか出て行かない場合もあります。

そのときには、まず賃貸借契約を解除する必要があります。
家賃滞納を理由に、
賃貸借契約を解除するときに気を付けなければならないのは、
裁判所は基本的に3か月分の滞納がないと
解除を有効として認めてくれないということです。

通常の賃貸借契約には
1回でも怠ったときは解除できると書かれています。
しかし、裁判所は、
3か月分の滞納したときに
貸主と借主の信頼関係が破壊されたとして、
賃貸借契約の解除を認めています。
1か月遅れただけとか2か月遅れただけでは、
賃貸借契約を解除は認められないのです。
それだけ賃借人が法律上保護されているということです。  

( 2012/09/11 00:00 ) Category 賃貸借 | トラックバック(-) | コメント(-)

第2回 お金を返して欲しい―返還期限を決めずに貸してしまった― 

お金を貸したけれども、返してもらえないということは
よくあることです。
では、どうやって返してもらいますか。

まず、相手に請求しましょう。

でも、その前に、相手にお金を貸すときに、
いつお金を返してもらうか約束しましたか?
お金を貸すときに、いつ返してもらうのか、
つまり、返済期限を約束しないでお金を貸してしまうことは
結構多いです。

では、お金の返済期限を定めないでお金を貸したときは
お金を返してもらえないのでしょうか。
もちろん、そのような不合理な結論にはなりません。
お金を貸した以上は、
返済期限を約束しないでお金を貸しても
返してもらうことができます。
その場合は、どうするかというと
一定の期間を定めて返せという請求をすればよいこととなります。
その一定の期間をどう定めればよいかというと、
一般的には、借金の額が大きく借主の持っている資産が少なければ
1ヶ月から2か月以内に返せというように請求すればよく、
借金の額が少なく、借主の資産が多い場合には
1週間から10日以内に返せと請求すればよいとされています。

だから、お金を貸すときに
いつお金を返してもらえるのか決めて貸さなくても、
お金を返してもらうことはできるのです。

でも、お金を貸すときには、
いつ返すのか決めずに貸してしまうと、
ずるずると返さないということにもなりかねませんから、
返済期限をきちんと決めて貸す方が良いでしょう。
 
( 2012/09/04 00:00 ) Category 債権回収(貸金、売掛金、損害賠償) | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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