弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第62回 ドラマ「リーガルハイ」 

ドラマ「半沢直樹」の主人公である
半沢直樹役の堺雅人さんが弁護士役を務める
ドラマ「リーガルハイ2」が始まりました。

ドラマ「半沢直樹」のようなシリアスな物語を期待した方には
「リーガルハイ」は、極端なコメディーであることから、
がっかりされた方も多いかもしれません。

特に、「リーガルハイ2」の第1話は、
堺雅人さんが務める裁判に負けたことがない古美門弁護士が
依頼者に裏切られ敗訴しただけで終わってしまい
その理由も明らかにされなかったため
あまり面白くなかったのではないかと思います。

「リーガルハイ1」を面白いと思って見ていた僕も、
「リーガルハイ2」は、「リーガルハイ1」とは
作風を変えてしまったのかと思いました。

その後、2話3話と見てみましたが、
2話からは、「リーガルハイ1」と同様に1話完結で、
途中は裁判が勝つか負けるかという感じで物語が進んで行き、
最後に事件の裏が明かされたり、
事件の落ちがあったりで面白かったと思います。

裁判を題材にしたドラマとしては
刑事事件でなく主に民事事件を取り扱っており、
話もうまくできていて面白いと思いますので
興味のある方は「半沢直樹」とは全く別なドラマとして
見ていただければと思います。

ただ、実際の裁判では、
「忍び」を使って相手を陥れたり
調査したりすることはありません。

また、現実の裁判では
過去の判例や既存の法律の議論を無視した主張をしても
受け入れられる可能性は極めて低いです。

離婚の慰謝料で
800万円も認められることはまずありません。
奥さんの整形を理由に離婚が認められるかも微妙です。

そこは、現実の裁判とは異なるコメディーとして
楽しんでいただければと思います。

くれぐれも
古美門弁護士のような裁判をして欲しいという
依頼をされないようお願いします。
( 2013/10/29 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第61回 遺産分割はいつまでに? 

通常の法的手続は
いつまでにしなければならないというものが多いです。
特に、一定期間の間に権利行使をしないと
消滅してしまう時効という制度もあります。

遺産分割について言えば、
法律上はいつまでに
遺産分割しなければならないという期限はありません。

したがって、いつまでも
遺産分割しなくてもよいということにはなります。
親の代で遺産分割がされておらず
土地の名義が祖父母のまま今度は親が亡くなったという
相続も結構あります。

この点、被相続人が亡くなってから
10か月以内に遺産分割をしなければならない
と思っている方も多いようです。

しかし、この10か月以内というのは
相続税の申告期間なので
どうしても
その期間内に遺産分割協議を成立させないといけない
というわけではありません。

相続税の申告期限は10か月以内ですが
それまでに遺産分割が成立していないときは
相続人が法定相続分に従って相続したという前提で
相続税の申告をして
後で遺産分割協議が成立したときに
修正申告をすればよいこととなります。

ただ、相続税の優遇を受ける特例などは
一定の期間内に遺産分割しないと受けられない場合もあるので
その点は税理士に確認する必要があります。

ちなみに、
遺産分割でなく、相続放棄、
あるいは限定承認をする場合は
相続発生を知ったときから3か月以内なので
気を付けてください。

また、遺言書や生前贈与があって
遺留分減殺請求をする場合は
遺言書や生前贈与を知ってから1年以内なので
注意が必要です。
( 2013/10/22 00:00 ) Category 相続・遺産分割 | トラックバック(-) | コメント(-)

第60回 反町・松嶋菜々子夫妻飼い犬訴訟で賠償額増額 

以前、
反町隆史・松嶋菜々子夫妻の飼い犬が
同じマンションの入居者に咬みついてしまい、
被害者とは示談したものの
被害者が現場を通る度気分が悪くなるとして
そのマンションを退去してしまい、
不動産管理会社から
退去後の賃料を損害賠償請求された
裁判について取り上げました。
(第39回 反町・松嶋菜々子夫妻の飼い犬が原因で退去。賠償責任は?)

第一審の判決の理由は
報道からは詳しくわかりませんでしたが
おそらく、
不動産管理会社が犬に咬まれた直接の被害者でなく
不動産管理会社の損害は間接損害だったことから
被害者の解約違約金350万円だけ、
直接損害と同視できるとして賠償責任を認めたようでした。

これについて僕は、
飼い犬の管理責任は
管理会社との賃貸借契約上の直接の義務違反とも考えられるし、
同じマンションの入居者が
飼い犬に咬まれて退去してしまえば
一定期間空室であることは予想できる損害であることから
不動産管理会社には争ってもらいたいと
当時このブログに書きました。

不動産管理会社は控訴したようです。
そして、今回の高裁判決の内容は
報道では、詳しくわからないのですが、
マンションで小動物のみを飼うことを認めていたことに
違反していることを指摘し、
賃料の7か月分を損害として認めこの分を上乗せしたようです。

報道では、反町・松嶋夫妻は、
許諾を得て大型犬を飼っていたとされたいたので
今回の判決の報道との関係はわかりませんが、
おそらく高裁判決は
僕が前回のブログで指摘したように
賃貸借契約の直接の義務違反を認定し
空いたことにより入って来なくなった賃料を
直接の損害と認定したのだと思います。

他の賃借人に迷惑をかけて
部屋が空いてしまうというケースが増えていますから
今回の判決は
マンションなどを賃貸している大家さんにとっては
朗報ですね。

反町・松嶋夫婦は最高裁まで争うのでしょうか。
直接損害か間接損害かは法的紛争でもありますから
認められるかどうかは別として
最高裁で争ってもおかしくはないですね。
( 2013/10/15 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第59回 解約予告期間を設ける 

店舗や事務所を貸していると、
借主が出て行ってしまった後に
次の借主がなかなか決まらないということがあると思います。

そうなると、
次の借主が決まるまで
賃料を受け取れなくなってしまうことから
貸主としては、損となってしまいます。

そういうことへの対策が
解約予告期間の規定となります。

具体的に言えば、
「賃貸借契約を契約期間中に解約する場合には
〇か月前に予告しなければならない。
即時に解約する場合は
〇か月分の賃料を支払わなければならない。」
という規定を賃貸借契約に入れることです。

この解約予告期間の規定を設けることにより
解約予告期間中に、賃料を受け取りながら
次の借主を探すことが可能となります。

住宅では、通常1か月前が多く、
店舗や事務所では、
3か月から6か月が多いと思います。

この予告期間は長ければ長いほど
貸主に有利になりますが、
あまり長いと
裁判で無効とされる可能性があります。
( 2013/10/08 00:00 ) Category 賃貸借 | トラックバック(-) | コメント(-)

第58回 みずほ銀行が反社会的勢力に融資 

みずほ銀行が
暴力団員等の反社会的勢力に融資していたことを知ってからも
2年も放置していたことを理由に
金融庁から改善命令を受けました。

報道では、
信販会社を通じた融資とか提携ローンと書かれているので、
暴力団員等にお金を貸したのは
みずほ銀行なのか、
グループ会社であるオリエントコーポレーションなどの
信販会社なのか、
わかりにくくなっています。

どうやら、みずほ銀行が契約当事者となって
暴力団員に対し融資しているようです。

そうだとしたら、
信販会社がみずほ銀行に代わって審査しただけなので
信販会社が審査したから、
わからなかったなどということは全く通じないわけです。

しかも、みずほ銀行の持っている資料では
相手が反社会的勢力だということがわかるにもかかわらず、
みずほ銀行の代わりに審査する信販会社には
銀行が持っている資料を
利用させていなかったということですから、
信販会社を通じて
反社会的意勢力に融資してもかまわないと思っていたと
取られても仕方がないでしょう。

みずほ銀行の前身の一つである第一勧業銀行は
バブル崩壊後の金融不祥事の際に
反社会的勢力に巨額の融資をしていることが発覚し
逮捕者が出て、
反社会的勢力との決別を誓ったはずでした。

それなのに、信販会社に審査を任せた融資は
自分が契約当事者なのに
反社会的勢力かどうかのチェックをする仕組みを
構築していなかったということは
あの誓いは何だったのかということにもなります。

今回発覚した融資がいつ行われたもので
契約書に暴力団排除条項があったのかなかったのか、
報道ではわかりません。

暴力団排除条項があるにもかかわらず
契約を打ち切らなかった
あるいは、
暴力団排除条項が話題になってからの
融資であるにもかかわらず
契約書に暴力団排除条項が入っていなかったということであれば
問題ではありますが、
報道にはそのようなことがなかったので
融資自体は暴力団排除条項が問題となる前の
古い融資だったのかもしれません。

企業の経営者のみなさんも
契約してから相手が反社会的勢力だとわかったときに
契約を打ち切れるように
契約書には暴力団排除条項を入れることをお勧めします。
( 2013/10/01 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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