弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第76回 いくら契約でしばっても相手にお金がないと 

弁護士は、よく契約書のチェックの依頼を受けます。
契約書に不利な条項がないか、
将来問題がある規定がないか、
その契約に必要な条項は入っているか、
などを契約書を締結する前に
検討するわけです。

しかし、
契約書で定めたとしても
あまり効果がない場合があります。
それは、相手にお金がない場合です。

例えば、初めての取引先と契約を交わす場合、
「相手が納期に商品を納入するのが遅れたら
違約金として、商品代金の2割を支払う」
という条項を入れたとしましょう。

相手がまともな業者であれば
納期が遅れたら、商品代金の2割支払わなければなりませんから
通常は納期に遅れないよう努力するでしょう。

しかし、相手が仕事がなくて困っていて
納期に納入できるかどうかわからないけれども
有利な条件を提示して
仕事が取れたら儲けものと考えて
そのような条件を提示して来る場合もあります。

このようなケースでは
商品の納入が納期に遅れたら、
契約書に基づき
商品代金の2割を違約金として
請求はできます。

しかし、
相手が倒産してしまう
あるいは、
いつ倒産してもおかしくない状況の場合
裁判をしても
相手からお金が取れない可能性は大きいです。

そうすると
商品は納期に納入されず
みなさんの顧客からの信用は失われ、
相手から違約金も取れない、
という踏んだり蹴ったりという
目に合うこととなります。

契約書で、相手をしばっている、
あるいは契約書で有利になっているからと
安心することはできません。

契約を結ぶにあたっては
まず、相手がきちんと商品を納入する力があるか
引いてはお金を支払う力はあるかを
確認することが必要となります。


( 2014/01/28 00:00 ) Category 企業法務 | トラックバック(-) | コメント(-)

第75回 消費者団体訴訟制度って何? 

投資詐欺などの消費者被害は後を絶ちません。
しかし、消費者は事業者に比べると
知識も、訴訟費用もありませんから
訴訟を起こさずに、
泣き寝入りしてしまうケースも多いです。

そこで、
消費者個人が裁判を起こす代わりに
消費者団体が消費者を代表して訴訟を起こしてくれ
契約条項の差し止めなどが請求できることとなっています。

これを「消費者団体訴訟制度」と言います。

この消費者団体訴訟制度は
これまで、違法な契約条項を無効として
差し止めを求める裁判のみが認められてきました。

今回これを契約に基づく代金返還請求まで
できるようにする法改正が行われました。

これにより、
商品説明に嘘があったり
商品に欠陥があったりした場合に
企業が消費者に対し代金の返還義務があることを
確認する裁判を
消費者団体が消費者を
代表して行うことができるようになりました。

そして、
実際に被害を被った被害者は
消費者団体が裁判に勝った場合に
後からその消費者団体に裁判を任せる手続をすることによって
簡単に自分の請求が認めてもらえる
こととなったのです。

これまでは、消費者は勝つか負けるかわからない裁判に
自分で弁護士費用を出して
企業と戦ってみなければなりませんでしたが、
この消費者団体訴訟制度により
消費者は消費者団体の裁判の結果を見て
勝ったら勝ち馬に乗ることができるようになったのです。

ただし、
この制度は、支払った代金を返還請求するなどの場合に
限定されていて、
その商品を購入したことにより発生した
健康被害の損害や
慰謝料などの損害賠償請求については
適用がありません。

代金以上の損害賠償請求をするには
これまでのように自分で裁判を起こす必要があります。

しかし、この消費者団体訴訟制度は、
企業にとっては
代金の返還だけでも、
一つ裁判に負けると
全消費者に対し代金を返還しなければならなくなる
可能性があり、
なかなか厳しいことになりそうです。

消費者相手にビジネスを行っている企業は
これに対する準備をしておくことが必要だと思います。
( 2014/01/21 00:00 ) Category 企業法務 | トラックバック(-) | コメント(-)

第74回 慰謝料弁護士 

年が明けて、テレビでは
新しいドラマが始まりました。

慰謝料弁護士という弁護士のドラマが
始まったようなので
見てみました。

慰謝料弁護士というタイトルからして
相手に慰謝料を請求するか
相手から慰謝料を請求される事件が
想定されます。

最近は、先日ご紹介したリーガルハイのように
みなさんに縁遠い刑事事件でなく
みなさんに関係があるかもしれない民事事件を
扱う弁護士ドラマが増えてきたようです。

弁護士としては、
弁護士はみなさんから
縁遠いと思われがちですから、
ドラマを通じて
困ったときには弁護士に依頼して解決する
ということがみなさんに定着するといいかな
と思っています。

さて、肝心のドラマですが
浮気をして浮気相手と結婚することを考えて
妻に離婚を切り出す夫に対し
主人公の弁護士が妻の代理人として
慰謝料を請求するという話でした。

残念ながら、
深夜の時間帯のドラマなためか、
ストーリーも、出ている俳優も
今一つという感じでした。

ドラマの中で、
妻が夫に請求する離婚の慰謝料が
500万円でしたが、
夫が浮気をしたことを理由に、
離婚と慰謝料を求める場合、
裁判で認められる慰謝料は300万円くらいで、
500万円はなかなか認められない額です。

ただ、ドラマのケースでは
浮気をした夫が離婚したいので
妻としては
500万円を払わないのであれば
離婚しないと断ることもできるので
交渉次第では
夫が妻にお金を払ってまで
今の交際相手と結婚したい場合は
そのような金額になる場合や
それ以上の金額になる場合もあります。

ドラマの中では、
結婚生活中にできた預金や家などの
財産分与の話が出ませんでした。

実際の離婚事件では
財産分与は重要で、
夫が出版社に掲載漫画の差し止めを
要求できるような大手の広告代理店勤務で、
月の生活費が4万円であれば
8年間に、預金は貯まっていると思われますから
その2分の1を請求する方が
慰謝料よりも
多いことが考えられました。

興味がある方は
ご覧いただければと思います。

お詫び
 僕がTBSでネットバンキング詐欺についてコメントする
という番組の開始時間を午後6時15分と言いましたが
実際は午後6時45分でした。
 6時15分からニュースを見られた方がいらしたら
大変申し訳ありませんでした。
 実際は、6時45分からの「最凶詐欺の手口ワースト10」
という番組でした。
 しかも、ネットバンキング詐欺は、ワースト1で
僕のコメントは午後8時50分くらいに放映されたので
高島弁護士がテレビでコメントをすると
嘘をついたと思われた方も多かったと思います。
 製作会社の方に時間だけ聞いたのがよくありませんでした。
これからは、番組名まで確認して告知するようにします。
 楽しみにしてくれていた方大変申し訳ありませんでした。
 

( 2014/01/14 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第73回 ネットバンキング詐欺のメールが弁護士のところにも 

みなさん、昨日から仕事始めだったと思います。

ネットバンキング詐欺については、
昨年11月までで、
1125件、被害総額11億8400万円と
報道されました。

被害が確認された2011年から
たった2年で
約4倍に膨らんでいます。

それだけネットバンキングを利用する人も多くなり、
詐欺も巧妙になってきたということでしょう。

ネットバンキング詐欺は
一般的には、
メールを送りつけ
偽の銀行のサイトにアクセスさせ
そこで、IDやパスワードを入力させて
IDやパスワードを盗み、
それらを利用して
被害者の預金口座から
預金を盗ってしまうというものです。

その他に、被害者のパソコンをウイルスに感染させ
IDやパスワードを盗むという手口などがあります。

なぜ仕事始めの話の後にいきなりネットバンキングの話を
したかと言いますと、
仕事始めでメールを見たら、
今年の1月5日に、僕のところにも
銀行を名乗った偽メールが届いていたからです。
偽メールは次のようなものでした。

「こんにちは!
最近、利用者の個人情報が一部のネットショップサーバーに
不正取得され、利用者の個人情報漏洩事件が起こりました。
お客様のアカウントの安全性を保つために、
「三菱東京UFJ銀行システム」がアップグレードされましたが、
お客様はアカウントが凍結されないように直ちにご登録のうえご確認ください。
以下のページより登録を続けてください。
URL ・・・・・」
(リンクを貼るとみなさん間違ってクリックしてしまうと思い、
リンクのURLは書きませんでした。)
というものです。

差出人は、三菱東京UFJ銀行となっており、
メールアドレス及びメールに貼ってあるリンクのURLを見てみると
mufgという三菱東京UFJ銀行の略称の文字が入っています。

しかし、本物の三菱東京UFJ銀行のサイトのURLは
www.bk.mufg.jpで始まるのですが、
偽物は、この文字が途中に入っています。

銀行という名前に惑わされて
ぼんやりしていると
リンクをクリックして
本物そっくりのサイトにアクセスして
IDやパスワードを入れてしまいそうです。

多くの銀行がそうであるように
三菱東京UFJ銀行でも、
電子メールで
IDやパスワードの入力を求めることはありませんので
絶対に、リンクを開いたり、
ましてやIDやパスワード入力したりしないように
ご注意ください。

IDやパスワードを取られてしまうと
預金口座にあるお金をすべて
盗られてしまうことになります。

一瞬の不注意で、大きな損害を
受けることになるのです。

前にも告知しましたが
1月8日午後6時15分から
TBSで
「ネットバンキング詐欺」について
コメントする予定です。
興味のある方はご覧ください。

このタイミングで
僕宛てにネットバンキング詐欺メールを
送ってくるなんて、
犯人は、僕のファンなのでしょうか(笑)












( 2014/01/07 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第72回 あけましておめでとうございます 

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

邱永漢さんの運営していた
ハイハイQさんにコラムを連載していたときから
1月1日には、年始のご挨拶ということで
コラムを更新することとしていましたので
このブログも、1月1日に更新して
みなさんに、年始のご挨拶をすることにしています。

さて、昨日、昨年に取材を受けたことを
列挙してみましたが、
実は、昨年末に、TV局から取材を受けて、
まだ放映になっていないものがあります。

それは
「ネットバンキング詐欺」です。
1月8日午後6時15分から
TBSで放映される予定です。

よかったら、ご覧になってください。

それから、今年は、
僕のこのブログの他に
ネット上で連載を持つことになるかもしれません。

正式に決まりましたら、
またご報告します。

今年も、
みなさんの役に立ちそうな情報を提供していきたいと思いますので
よろしくお願いします。




( 2014/01/01 00:00 ) Category 未分類 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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