弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第80回 「隠れ家」演出、食べログ掲載で台無し 

「秘密の隠れ家」を売りにバーを営業しているのに、
「食べログ」に掲載されたことから、
隠れ家としての演出が台無しになったとして、
大阪市の飲食店運営会社が、
サイトを運営する「カカクコム」に情報の削除と
330万円の損害賠償を求める
裁判を起こしたそうです。


さて、この請求は、通るでしょうか。

憲法上、表現の自由が保障されており、
どこに何があり、
それはどういうものかなどを
説明し、発表することは
基本的に表現の自由の範囲内です。

したがって、
この飲食店が
どこにあり、
どういうお店かについて
サイトに掲載することも
表現の自由の範囲内と言えそうです。

では、店の写真などは
どうでしょうか。

個人と異なり
物には人格権は認められないことから、
お店の様子はプライバシーとして
保護されていないと考えられます。

したがって、
店内の様子の写真を公開することも
表現の自由として保護されることになる
と思われます。

顧客には、口コミサイトに
投稿しないことなどが告知されているということです。
しかし、告知だけで合意が成立したかどうかもわかりませんし
投稿した人が契約違反であっても
サイト自体が契約しているわけではないので
サイトの運営会社が削除しなければならない
というわけではありません。
投稿した人を特定することも難しいと思います。


以上のことから、
一般論的には
なかなか飲食店の請求は
難しいと思いますが、
どうなることでしょうか。





 
( 2014/02/25 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第79回 第三者委員会と代理人弁護士の違い 

昨年みずほ銀行が暴力団に融資していた問題で、
弁護士で構成されている第三者委員会が
その原因について調査結果を報告しましたが、
自社の組織として反社会的勢力との取引を遮断する
認識が不十分だったなどという内容で、
銀行側の言い分をそのまま書いたものだ
などと批判されました。

この第三者委員会という名前は、
みなさん最近よく聞くと思います。
これがどういうものかと言うと、
一般的には、企業が不祥事を起こした時に、
その原因を究明し、再発防止策を検討し、
企業の信頼回復を得るために設置される機関です。
委員は事実関係の調査や法的な問題の検討を行うことから、
弁護士が選任されることが多いです。
第三者委員会は、その名前のとおり、
世間や社会からは、中立公正な機関だと思われており、
だからこそ、その調査結果は、信頼されることとなるわけです。

しかし、企業の中には、その第三者委員会の信用を利用して、
企業に都合のよい調査結果を出してもらい、
企業の不祥事をごまかしてしまおうとするものもあります。
この点が代理人弁護士と第三者委員会の弁護士は、
立場が異なります。

代理人弁護士や顧問弁護士は、
あくまでも依頼者である企業の代理人として、
企業の利益を図るという観点から、企業の主張や言い分が
最大限に通るように努力をすることとなります。
したがって、弁護士の主張は、
企業の言い分と一致することとなります。

しかし、第三者委員会の委員である弁護士は、
企業から依頼を受けているけれども、
企業だけでなく、従業員や株主、取引先や被害者など利害関係者全体のために
調査し、結果を公表することとなります。
そこで、調査報告書の内容は、企業にとって、
不利になる場合もあるということです。

企業は、その辺をよく理解して依頼することが必要となります。
しかし、依頼された弁護士の方が第三者委員会の役割を忘れて、
企業側の立場によってしまうということもあるようで、
それはかなり問題があります。

みなさんも、その辺に注目して第三者委員会の調査報告を
見られたらよいと思います。
 

 
 

( 2014/02/18 00:00 ) Category 企業法務 | トラックバック(-) | コメント(-)

第78回 まさかの三菱地所グループ会社が欠陥住宅販売 

報道によると
大手不動産会社である三菱地所の子会社である
三菱地所レジデンスが販売した
高級マンションの引き渡し直前に
空調や水道などの配管を通す穴が
なかったり、位置がずれていたり
鉄筋を貫通していたりという
欠陥が発覚したことから、
三菱地所レジデンスは売買契約を解除し、
顧客への引き渡しを取りやめたようです。

もちろん、
買主にマンションを引き渡さないことは
売買契約違反ですから、
損害賠償責任が発生します。

契約違反のことを
「債務不履行」(さいむふりこう)と
言います。

売買契約が解除された場合
物件の引き渡しを受けられない代わりに
代金の支払いもしなくてよいので
実際上、損害はあまりないかもしれません。

新しいマンションに引っ越すために
古い家を売ってしまって
住むところがないというケースでは
新しいマンションを探して購入し
住むまでの家賃が考えられます。

あとは、住むことができなくなったことへの
慰謝料でしょうか。
ただし、契約違反(債務不履行責任)のケースでは
慰謝料が認められるケースは
そう多くはないです。

マンションを購入して
より高く転売する契約を結んでいたようなケースでは
転売で得られた利益を賠償請求することができますが
新しいマンションを買ったばかりで
転売の契約を結んでいる人は少ないと思います。

そこで、意外と賠償請求できる損害というのは
少ないと思います。

しかし、売買契約では、通常、契約違反(債務不履行)が
あったときには、売買代金の2割を
違約金として支払うという条項があります。

この違約金は、
契約を守らなかった場合のペナルティとして
定められた金額なので
実際に損害があってもなくても
相手に請求することができます。

実際に、損害がないのに、
違約金を請求できることとなった場合は
まるまる利益となるわけです。

違約金には、
実際の損害が違約金の額を上回っても
違約金の額に限定されるタイプと
実際の損害が違約金額を上回る場合には
違約金を超えて損害賠償請求できるタイプとがあります。

契約の定め方によりますが
定型の不動産の売買契約は
売買代金の2割の違約金に限定されるタイプが多いです。

今回、三菱地所レジデンスは
手付金の3倍を返す他に
仮住まいの家賃等が必要な人は
その分も賠償するそうです。

手付金が1割だとすると3倍返しで
売買代金の3割を三菱地所レジデンスが
支払うこととなりますが
手付金1割を返還し、
2割を違約金として支払うことと同じになります。
そうすると、定型の売買契約の通りになります。

しかし、三菱地所レジデンスは
仮住まいの家賃等が必要な人は
その分も賠償するというのですから
定型の売買契約よりも多く賠償することになって
買主に得になっているようです。

実際は、売買契約書の約定を見てみないとわかりませんが
もしも、契約書よりも有利な賠償額となっているとすれば
通常より多く賠償することにより
あそこは、万一何か事故があっても
顧客に損はさせない会社と思わせて
その顧客だけでなく、将来の顧客にも
やはり契約するなら
三菱地所のような大手不動産会社
と思わせる
ブランド戦略だと思います。







( 2014/02/11 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第77回 自転車事故でも4746万円の賠償責任 

自転車の便利さや健康・環境によいことが見直され
自転車通勤されている方も多くなっているようです。

しかし、この自転車は、免許制ではないことから
走る場所やルールについて、
周知徹底されていません。

そこで、自転車事故も増加しており
死亡事故や重大な事故が起きているようです。

先日、自転車での死亡事故に関する
判決が出ました。

内容は、自転車を運転していた加害者は
死亡した遺族に対し4746万円を賠償せよ
というものでした。

みなさん、
たかが自転車と思うでしょうが、
スピードが出て
衝突すれば
死亡事故や重大な障害を与えてしまう可能性が
あります。

そのときに
たとえ
自転車事故であっても、
自動車事故と同様に
賠償責任を負うこととなります。

もちろん、
左側を走っていたのか
前方に注意していたのか
信号は守っていたのか
など自転車を運転する際の
義務に違反していたことが
責任が認められる前提となります。

しかし、
たかが自転車事故だから
賠償責任が軽くなる
ということにはならないので
注意してください。

自転車でも自動車でも
被害を与えてしまえば
賠償額は同じになります。

自転車によく乗って
それなりのスピードで走っている人は
万一に備えて
自転車事故についても
保険に加入した方がいいかもしれません。

「シェアしたくなる法律相談所」というサイトで
コラムを書くこととなりました。
サイトがオープンしたので
興味がある方はご覧ください。

http://lmedia.jp/?s=&submit=%E6%A4%9C%E7%B4%A2

僕は、最近
「20代男性4割『性交渉なし』夜の不満で離婚可能?」
について書いています。

それから
引っ越す際にエアコンの買い取りを
してもらえるかについて
取材を受け、yahooトピックスで取り上げられています。
こちらも興味があったらご覧ください。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140202-00001156-bengocom-life




( 2014/02/04 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

QRコード
QR