弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第135回 示談というのは何のこと? 

みなさん、示談という言葉を聞いたことがあると思います。
これはどういうときに使われると思いますか?

一般の方が使われるときと、
弁護士などの法律家が使うときとで
意味が違うかもしれません。

法律家が示談というときは、
刑事事件の被害者と和解することを言います。

刑事事件の被害者と和解をして
告訴や被害届を取り下げてもらったり
刑事事件の判決を軽くしてもらったりすることを
目的とすることが示談なのです。

法律家は刑事事件とは関係のない交渉は
示談とは言いません。

ところが、弁護士として、一般の方から
相談を受けたり、依頼を受けたりすると、
一般の民事事件でも示談にして欲しいと言われることがあります。

この場合の示談とは、
刑事事件について被害者と和解してほしいという意味ではありません。
訴訟にしないで、交渉で解決してほしいという意味です。

このように、世の中では、示談という言葉について
2通りの意味で、使われているのでご注意ください。


( 2015/02/24 00:00 ) Category 刑事事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第134回 バイナリ-オプション取引に気を付けてください 

半年くらい前の話ですが、国民生活センターが
バイナリ-オプション取引、特に海外事業者との取引に
注意するよう呼びかけました。

バイナリ-オプション取引の仕組みは
何と、一定時期の為替が一定金額より高いか安いかを予測して
当たればお金が支払われ、外れれば支払った金額を失うことから
賭博に近い取引となっています。

その仕組みが賭博に近いと言っても
金融取引なので
金融庁に金融取引業者としての登録を行わない限り
日本では取引できないのですが、
海外事業者が無登録で
ホームページ等を通じて取引を行っており、
しかも、取引を中止して払い戻しを請求しても
それに応じないケースが増えているというのです。

取引中止を求めて返金を要求しても返金に応じないということは
もともと返す気がなく、バイナリ-オプション取引というのは
お金を払わせる口実に過ぎないとも考えられます。

取引相手が海外の事業者である場合
日本の法律が及ぶのか
及んだとして責任追及が可能なのか
などの問題もあることから
海外の事業者との取引をするのであれば
万が一のときはその国の弁護士や警察に依頼しないと
トラブルを解決できないことも十分認識して
その費用や労力も負担する覚悟の上で、
取引をすることが必要だと思います。

普通の人はそのような覚悟はないでしょうから
海外事業者との取引は止めた方が賢明です。

バイナリ-オプション取引について言えば
海外事業者を名乗っているものの
日本人が詐欺目的で海外事業者を名乗っているという
噂もあります。
怪しい取引には手を出さないのが一番です。







( 2015/02/17 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第133回 投資信託販売でみずほ銀行が逆転勝訴 

みずほ銀行が、顧客から、
毎月分配型の投資信託について
分配金に関して運用益からの分配金と元本の一部を取り崩した分配金があるとの
説明を受けず、全部運用益による分配だと思って運用利回りが高いと誤信して
投資信託を買ったけれども、誤信していなければ
投資信託を買わなかったと、説明義務違反を理由に
損害賠償請求を受けていました。

一審は、パンフレットに、分配金は原則として運用益が原資であることが書かれている一方で
取り崩しの可能性については具体的な説明はないとして
銀行が敗訴していました。

ところが、二審の東京高裁は、投資信託について5年以上の経験があり
分配金について誤解していたとは考えにくいとして
説明義務違反はなかったとして、銀行を勝訴させました。

具体的事情は報道からはわかりませんが、
投資経験が5年あっても過去に元本が割れなければ
元本を取り崩して配当に回しているというのはわからないと思います。
裁判所が元本割れリスクという金融商品において一番重要なことを
パンフレットに記載してなくても
説明義務を果たしたことを認めてしまうのでは、
なかなか消費者は保護されないということになってしまうような気がします。
逆に、金融機関にとっては、有利な判決となりました。

説明義務違反かどうかは厳密に言うと事実認定の問題で
最高裁が判断する事項ではありません。
そこで、消費者は、最高裁まで争うかどうかわかりませんが、
第三者としては争って、最高裁に判断して欲しいですね。

( 2015/02/10 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第132回 国がヘリの発注中止で351億円の賠償責任 

新聞報道等によると
国がヘリの発注を止めたことにより
ヘリのメーカーに対し、351億円の賠償責任を負うことを
認める判決が出されたそうです。

交渉段階で、交渉を中止して
正式な発注をしていない
あるいは
正式な契約を交わしていない
場合には、
相手から商品を買い取らなくても責任は発生しないのが原則です。

しかし、交渉が進んで、一方が相手に契約が成立すると期待させ
しかも、他方が契約上の義務を履行するための準備をするのに費用が掛かるような場合には
契約が成立しなかった場合でも、契約が成立すると期待させた当事者は
相手方が支出してしまった費用を賠償するよう請求することができます。
これは、法律用語で「契約締結上の過失」と言います。

本件では、当初国は62機のヘリを発注する予定だったことから
ヘリの調達に必要なライセンス料などの初期費用を62機分に分割して
支払う合意をしたようです。
それにもかかわらず、国は予算の関係上10機しか発注しなかったので
メーカーである富士重工は52機分の初期費用を回収できず
損害を被ったとして、損害賠償請求訴訟を提起したものです。
一審は、初期費用を国が負担する慣習はないとして
富士重工の請求は認められませんでしたが、
高裁は逆に富士重工の請求を認めました。

最高裁ではどうなるかわかりませんが、
この契約締結上の過失に基づく責任は
契約に基づく責任ではないので
なかなか認められません。
だから、準備段階で費用がかかる場合には
もし発注しない場合は、その費用は折半なのか
相手が負担するのか
はたまた自分の負担なのか確認して
相手方が負担する場合には
きちんと合意書を交わすことが大切だと思います。


( 2015/02/03 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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