弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第152回 ビリギャル映画の原作に類似の本? 

「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話」
という本をみなさんはご存知でしょうか。
本は、かなり新聞でも宣伝されており、映画にもなりましたので
ご存知の方も多いかもしれません。

実は、類似の本がこの本よりも先に
出版されており
その著者は
著作権侵害による訴訟も視野に入れている
ということです。
その本の名前は
「学年ビリから東大・医学部・早慶に合格する方法」
だそうです。
著者が問題としているのは
学年ビリという言葉を用いて
名門大学合格をうたったタイトル、
表紙の構図、
そして、本の中で紹介されている勉強法
が類似しているということのようです。

しかし、著作権は
アイデアを保護する権利ではなく
表現方法を保護する権利です。

したがって、
同じ勉強のできない学年ビリが名門大学に
合格する話であっても
その表現方法が異なる場合は
著作権侵害とはならないのです。

両方の本を読んでいないので
申し訳ないのですが
「ビリギャル」の本は
実話を元にした小説で
「合格法」の本は
勉強方法を書いたもののようです。
となると
なかなかアイデアは同じところがあるかもしれませんが
著作権侵害と裁判所に認めてもらうのは
難しいのではないかと思います。

ちなみに、勉強方法も著作権では
保護されていないので
勉強方法は真似をしても著作権侵害とはなりません。
( 2015/06/30 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第151回 暴力団の上納金に税金がかかる? 

暴力団員に税金の支払義務がある
と思っている方は少ないと思います。

しかし、この度、暴力団のトップが
所得について申告をしていないという所得税法違反の疑いで
逮捕されました。

暴力団のやっていることは
違法な行為が多く、
その収入は違法行為から生まれた収入であることが多いことから
違法な収入について税金を取れるのか、
税金を取るということは違法な行為を認めることにならないか
という理論上の問題があります。

しかし、過去の判例では、
法律上違法かどうかとは無関係で
経済的に利得を得ていれば
課税される収入となると判断されています。

したがって、暴力団員であって、
不法な収入であっても
確定申告をして税金を納める義務があるということになるのです。

暴力団に税金の支払義務を認める上でもう1つ問題となるのは
暴力団員の収入は、なかなか見つけにくく証明するのが
難しいということです。

今回のケースでは、警察の捜査により、収入の流れが
証明できて、暴力団のトップの所得が認定できたそうです。
上納金は定期的に納められ、通帳に入金されていたからかもしれません。

今回の摘発は、これまでなかったことで画期的なもので
他の暴力団にも打撃を与えることになるかもしれません。

しかし、暴力団も今回のケースを教訓にして
今後は足がつかないように、通帳を使用せず、
現金でのやり取りしかしないことになるかもしれません。
警察や税務当局の一層の努力を期待したいと思います。





( 2015/06/23 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第150回 どうなる串カツ屋の立ち退き 

大阪の有名な串カツ屋が立ち退きを巡って
大阪市と揉めているようです。

大阪市の言い分は、道路の占用許可期限が切れたので
明け渡して欲しいということです。
串カツ屋の言い分は、市が立ち退きを要求するのであれば
代替地を用意して欲しいということのようです。

事案はちょっと複雑で、
戦後の大阪市の土地で商売を始めた人たちについて
落ち着いたときに大阪市が出て行けと言うと
その人たちの生活が成り立たなくなってしまうので
使用許可ということで
そのまま使わせることにしたわけです。
使用料は、年間15万円余りと
大阪の一等地の相場としては
破格に安い値段で貸していたようです。

今回のケースは、道路の占用許可という
行政法上の問題で
民法上の契約とは異なるのですが
民法上の契約に例えて言えば
賃料の安さから
賃貸借ではなく
無償で使用することを認める
使用貸借に近いと考えられます。

賃貸借は相当な対価を払っていることから法律上強力に保護されており
契約違反がない場合にはなかなか終了さえるのは難しいです。
使用貸借は支払っている対価が無償であることから
期間が満了したり、目的が終了すれば
契約は終了することとなっています。

そうだとすれば
相当長期間にわたり
近隣相場からすれば無償に近い賃料で
使用できたということを考えると
立ち退きを求められても仕方がないのではないか
と思います。

( 2015/06/16 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第149回 引越社の従業員が顧客女優の部屋写真を流出 

フライデーによると
アリさんマークでお馴染みの引越社の従業員が
顧客であって女優の引越中の部屋の写真を撮影し
他人に送っていたということです。

一般人でもそうですが
自分がどこに住んでいるか
どのような部屋に住んで
どのような家具などの持ち物を持っているかなど
他人には知られたくないものです。
特に女優であれば
世間に対するイメージもあり
なおさら、自分の情報は出したくないことだと思います。

以前も
飲食店の店員やホテルの従業員が
有名人が来たということを
ツイッターでつぶやき他人に漏らした
ということが問題となりましたが、
全くそのようなことは
引越社では教訓として生かされていなかったようです。

最近は、個人情報や企業秘密については
従業員と秘密保持契約を結んだり
誓約書等を出させたりしているところが多いです。

引越は、家の中のものというプライバシーの塊を
引越会社に委託するもので
引越会社への信頼がなければ成り立たない
仕事です。

当然、従業員に顧客の秘密を洩らさないよう
誓約書を出させたりしていると思うのですが
どうだったのでしょうか。

もちろん、会社は従業員の使用者として
法的な責任を負いますが、
それ以上に、今回の引越社は
会社としての信用を失ってしまったと思います。
( 2015/06/09 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第148回 枕営業は、結婚生活の平和を害さない? 

昨年4月に、
クラブのママが顧客を確保するために
顧客と性交渉をした場合に
(いわゆる「枕営業」をした場合)
顧客の妻に対して不法行為が成立し
賠償責任を負うのかが争われた裁判が
ありました。

みなさんは、結論がどうなったと思いますか?
普通の方は
妻が勝ち、クラブのママは妻に賠償責任を負うと考えたのではないでしょうか。

ところが、この裁判では、
クラブのママは顧客確保のために営業活動として
性交渉をしたに過ぎないので
妻が不快に感じても
結婚生活の平和を害するものではなく
賠償責任はないという判決が出されました。
この裁判官は
同様に夫が対価を支払い性交渉をする
売春の場合も、妻に対し
賠償責任はないと考えているようです。

要するに、対価を受けて性交渉する場合は
顧客の求めに応じて仕事として性交渉をするだけなので
妻に対し賠償責任を負わない
というのがこの裁判官の考え方のようです。

この考え方からすると、
夫がお金を払って性交渉をする場合は
家庭の平和を害さないのですから
夫は、お金を払って性交渉を自由にすることが
できるとも考えられます。

しかし、
一般的に、相手が妻のいる既婚者であると
知って性交渉を持てば
妻に対し、夫と共同で賠償責任を負うというのが
判例の考え方なので、
この判例があるからと言って
お金を払って女性と性交渉をすると
痛い目にあう可能性があります。

ただし、最高裁まで争い
最高裁の裁判官もこの考え方を採用してくれれば
夫がお金を払って女性と性交渉を自由にできることとなります。

誰か勇気のある方は
ちょっと試して
最高裁まで裁判をしてみてください。

( 2015/06/02 00:00 ) Category 離婚 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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