弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第176回 良いお年をお迎えください 

多くの方は、28日あるいは25日に仕事納めだったでしょうか。
金融証券関係の方は30日まで仕事だと思います。
また、小売りや飲食店の方は
これから年末年始にかけて忙しいのだと思います。

僕の事務所は、今年は、25日で仕事納めにして
来年4日から業務を開始することにしました。

みなさん、今年はどんな年でしたか。

僕は、長年お付き合いをさせていただき
僕に対しいつも良くしてくれていた依頼者の方が
2人も亡くなられてしまい
その点ではさみしい限りです。

ご冥福をお祈りします。

みなさん、今年もあとわずかです。
健康に留意して
良いお年をお迎えください。

次回は1月1日に更新します。

( 2015/12/29 00:00 ) Category 未分類 | トラックバック(-) | コメント(-)

第175回 市営住宅で猫を多数飼育に立ち退き判決 

大阪市の市営住宅で、住民の男性が
猫を多数飼育しており、
市が近隣に迷惑をかけたことを理由に
契約を解除し、市営住宅からの退去を
求めたケースで
立ち退きを認める判決が出たようです。

市営住宅でも、一般の住宅でも
借りる際の契約書には、
多くは、ペットが禁止されています。
(最近は、ペット可のマンションも増えていますが)

ペットが禁止される理由は
鳴き声、においが他の住民の迷惑にもなりますし、
毛や噛む、爪をとぐなどは
建物に影響も与えることにもなるからです。
また、同じ住宅の住民にはペットを嫌う、
あるいは怖がる方もいますし、
他の住民にとって実際に危険なペットもいる
ということもあります。

過去の裁判例でも、ペット禁止の賃貸物件で
ペットを飼ったことを理由に賃貸借契約の解除が認められ
立ち退きを命じる判決が出されています。

そこで
ペットを飼いたい方は、
ペットの飼育可の物件を探すか
自宅を購入するかするしかないので
ご注意ください。
マンションの場合は、自宅として購入しても
管理組合の規約で、ペット禁止とされている可能性もあるので
注意が必要です。

逆に、貸主の方は
借主がペットを飼っていることがわかった場合は
契約を解除して立ち退いてもらうことが可能なので
そのような請求をすることをお勧めします。
ペットを飼っていることを知っているのに
放置していると認めていたとして
後からだと立ち退きが認められない可能性もあります。
( 2015/12/22 00:00 ) Category 賃貸借 | トラックバック(-) | コメント(-)

第174回 マイナンバー制度は企業にも関係があります 

マイナンバー制度が10月から施行され
来年(2016年1月)から運用が始まります。

マイナンバー制度は個人のプライバシーなどの問題として
取り扱われることが多いですが、
従業員を雇う企業にとっては
従業員のマイナンバーを
従業員の源泉徴収票や給与支払報告書
健康保険の資格取得届などに
記載する必要があるので、
マイナンバー制度の運用が始まることは
企業には無関係の出来事ではありません。

マイナンバーを前記の役所等に提出する書類に記載する義務がある他
その取扱いについても、法律で定められた目的以外に利用してはならない義務や
他に漏れないように保管する義務を負うこととなっています。

したがって、特定個人情報保護委員会がその運用のガイドラインやQ&Aをホームページ上に
アップしているので、それを参考に対応を準備した方がよいと思います。

また、個人だけでなく、企業版マイナンバーと言える法人番号制度も
10月から施行されました。
法人番号も実際の運用開始は来年(2016年1月)から
となります。

税務申告から行政への許認可などは
この法人番号が必要となります。

この法人番号が個人のマイナンバーと異なるのは
法人番号はどの法人にどの番号が付けられているか
ネット上で公表されることとなります。

したがって、法人のマイナンバーについては目的外利用などの
規制はありません。

法人のマイナンバーについては
取引先の管理などがしやすくなると言われています。
多数の企業と取引している企業にとっては
管理が便利になるかもしれません。

弁護士にとって、企業を調べるにあたってメリットがある制度なのかは
今のところはわかりません。
( 2015/12/15 00:00 ) Category 企業法務 | トラックバック(-) | コメント(-)

第173回 公務員の個人責任は問えないか? 

以前、このブログで公務員は個人責任を問われないという
ことを書きました。

第98回 公務員は個人責任を問われない?

これは、公務員が注意義務違反をして損害を与えた場合は
被害者は、国や地方公共団体に賠償請求ができ
国や地方公共団体が、お金がないから支払えないことはないので
公務員個人に賠償請求を認めなくても
被害者保護としては十分だということに基づきます。

しかし、それでは納得できないので
何とか公務員個人に賠償責任を負わせようとしている方がいます。
それは、以前取り上げた最高裁まで公務員の個人責任を問おうとして
認められなかった剣道の部活の最中に熱中症で亡くなったお子さんの
ご両親です。

この両親がどういう方法で公務員個人に賠償責任を取らせようとしているか
について説明をします。

被害者は公務員個人に賠償請求はできません。
これは確定した最高裁判決です。
しかし、公務員が所属する県や市町村と言った自治体は
公務員個人に故意や重大な過失があった場合に
公務員に賠償責任の一部を負担するよう求めることができます。
これを「求償権」と言います。

この両親は、県に対し、
県が負担した賠償額について公務員個人に求償権を行使するよう
請求しました。
ところが、県が公務員個人に対し、求償権を行使しなかったので
両親は、県に賠償請求を行使するよう命じる判決を求めて
訴訟を起こしたのです。

県や市町村と言った地方自治体については、
地方自治体が権利行使をしていないときは
住民が、その権利を行使するよう求めることができます。
それにもかかわらず、地方自治体が権利を行使しなければ
地方自治体に対し権利を行使するよう命じる
判決を裁判所に求めることができます。
これを「住民訴訟」と言います。

この両親は、被害者が直接公務員個人に賠償請求ができないことから
この住民訴訟を起こすことで、
公務員に個人責任を取らせようとしたということなのです。

ただ、公務員への求償権は
単なる過失ではなく、重大な過失が必要なので
法的に認められるかどうかはわかりません。

ちなみに、国家公務員に対しては
住民訴訟のような制度はないので
国が権利行使しないときに、
国民が裁判を起こして国に権利行使するよう求めることはできません。

( 2015/12/08 00:00 ) Category 債権回収(貸金、売掛金、損害賠償) | トラックバック(-) | コメント(-)

第172回 マンションの管理組合理事長が11億円も横領 

地方の方は、自分の家を買うときは
戸建て志向でマンションを購入する人は
あまりいないかもしれませんが、
首都圏ではなかなか戸建てを購入することは難しく
マンションを購入する方が多いと思います。
また、投資用のマンションを購入する方も
多いと思います。

このマンションは、一戸一戸の所有者(「区分所有者」と言います)が
共同して管理する必要があり
法律上区分所有者で作る管理組合が
マンションの修繕などの管理について
決めることとなります。
この管理組合の代表者が理事長ということとなります。

管理組合の理事や理事長は、
管理費の徴収や修繕についての各区分所有者の意見をまとめたりしなければならず
面倒な上に恨まれたりするので
大体、みなさん面倒なので、やりたがりません。

しかし、管理組合は、みなさんの管理費で運営されており、
管理費の管理も理事長を始めとする管理組合の役員が行っています。

戸建てであれば、修繕費にいくらかかったかや
自分の預金がいくら残高があるかを
気にしない人はいないでしょう。

しかし、マンションの管理費となると
年に何十万円も支払っており
大規模修繕が必要な20年や30年が経過すると
何百万から千万という金額になり
全戸合わせると何億円にもなるのに
その管理については
気にしていないことが多く
特定の管理組合の役員や管理会社など
人任せにしている場合が多いのです。

このような状況で多額の現金を預かっていると
他人のお金でもつい手を出してしまう人は
多いものです。

理事長や管理人がマンションの管理費を
横領してしまうケースはよくあり
私も実際、理事長や管理人に対し損害賠償請求訴訟を起こしたことが
数件あります。

この度新潟のリゾートマンションで
理事長が15年にわたって11億円もの管理費を
横領していたことが発覚したそうです。
マンションは、自分が住んでいても管理組合のやっていることに
関心がない人が多いのですから
滅多にいかない投資用のリゾートマンションであれば
なおさら関心がない人が多いでしょう。

その隙をついて15年もの長期にわたって
11億円もの多額の金額が使われてしまったわけです。
マンションは、以前は、転売するものでしたが
今は長期間所有するので
大規模修繕や耐震工事など
何億もかかる工事を行う必要が出てきます。
そのときの原資になるのが
管理費や修繕積立金です。

マンションに住む方は、
管理組合のお金は自分のお金であり
将来の自分の財産であるマンションの維持に
大きな影響がありますので
年に1度くらいは、関心を持って
お金がどうなっているのか
確認してみるのもよいと思います。
( 2015/12/01 00:00 ) Category 不動産 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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