弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第197回 LINEアイテムは、プリペイドカードと同じ 

みなさん、
スマホなどのゲームのアイテムを購入し、
ゲームの中でいざとなったら使用する方も
多いかもしれません。

そのアイテムはゲームによって
宝石だったり剣だったりするようですが
これらが、プリペイドカードと同じなのか
どうかが国とLINEとの間で問題となっていました。

たかがゲームのアイテムのことなのに、
なぜ、問題となるかというと
プリペイドカードは
消費者がお金を払ってカードを発行してもらい
そのカードは現金と同じように使えます。
しかし、カードの発行会社が倒産し
無くなってしまうと、
使えなくなってしまいますから
消費者は損をしてしまいます。

悪徳会社は、プリペイドカードを大量に発行し
お金を集めて、そのお金を持って逃げてしまい
会社を倒産させてしまうということが
考えられます。

そこで、資金決済法は
プリペイドカードの発行会社に対しては
発行したカードの未使用残高の半額を供託する義務を
定めています。

そこで、このゲーム上のアイテムがプリペイドカードと同じだ
と判断されると
アイテムの販売額で未使用分の半額について
LINEは、供託しなければならず、
報道によれば供託額が100億円を超えるようなので
アイテムがプリペイドカードと同じと判断されるかどうかは
大問題なわけです。

ゲーム上のアイテムも、消費者がお金を前払いして購入していて
そのアイテムそのものが商品やサービスではなく
ゲームの中で商品やサービスの提供を受けるためのものであることは
プリペイドカードとあまり変わりがありません。

そこで、国は、この度LINEのゲーム上のアイテムを
プリペイドカードと同じ
前払式支払手段だと判断しました。

そこで、LINEは100億円以上の供託をしなければならない
ということになります。
銀行と保全契約を結べば直接100億円以上の供託をしなくても済むのですが
銀行と保全契約を結ぶということは
同等の金額を銀行に預金等の形で預ける必要があります。
いずれにせよ、100億円以上の金額を運用や経費に回さずに
銀行等に預けておく必要が出てきます。

LINEだけでなく、スマホのゲーム会社は
ゲーム上で支払手段として利用できるアイテムを
販売しているでしょうから、
同様に供託等を求められることとなり
儲かっている会社ほど多額の供託を求められることとなります。

アイテムの購入代金を既に使ってしまっている会社にとっては
これを用意するのは大変なことだと思います。







( 2016/05/31 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第196回 ファウルボール事故控訴審判決 

プロ野球の観戦中にファウルボールに当たり失明した女性が
球団などに損害賠償請求を求めた訴訟で、
第一審判決では約4200万円の賠償責任が認められました。
これについては
第143回 ファウルボール事故は観客の自己責任か
で取り上げました。
その控訴審判決が出ました。

控訴審判決では、
球場については安全性に欠けることはないので
賠償義務はないとしました。
これに対し、球団に対しては
被害者が球団がファン拡大のために招待した小学生の保護者だったことから
危険性の低い席に誘導することもできたとして
安全配慮義務違反を認めて
賠償義務を認めました。
ただ、打球の行方について
被害者の女性が見ていなかったことについて
過失を認め、賠償額は一審の4190万円から
3350万円に減額されました。

前回、
球場のファウルボール事故については
安全性を完全にすると、
球場中にネットが張り巡らせられて臨場感が無くなってしまうという意見がある一方で
球団は野球を知らない子供や女性にまで広げるのであれば
その対策をしないといけないだろうと言いました。

くしくも、この控訴審判決は
僕が書いた意見に沿った内容となっています。

野球の臨場感を味わってもらうことを考えるのも
球団経営では重要なことですが
野球の危険性を知らない子供や女性にまで
球場に足を運んでもらおうとするのであれば
安全対策も必要となります。

野球関係者の方は、
その点のバランスをどうとるか考えて
野球の魅力を広く伝えていって欲しいですね。









( 2016/05/24 00:00 ) Category 債権回収(貸金、売掛金、損害賠償) | トラックバック(-) | コメント(-)

第195回 話題の格安事故物件 

千葉の豪邸が756万円で公売で売りに出されて
話題となっています。
この756万円は相場の4分の1だそうです。

どうしてこの物件が相場の4分の1かと言えば
理由があります。
それは売りに出された家で過去に殺人事件が起きた
ことです。

家やマンションで、殺人や焼死などの事故死が起きたり
自殺がされたりした場合は、
通常の人であれば、知っていれば住みたくないと思うことから
当然、買う人や借りる人は少なくなり
値段も下げざるを得ないということとなります。

過去の判例上も、この通常の人は買ったり借りたりする気にならない事実を
心理的瑕疵として、
買うことを希望する人や借りることを希望する人に対し
売主や不動産業者は説明しなければならないとされています。

ただし、この心理的瑕疵は永遠に続くかと言うと
判例上は、そうではなく
事故や事件がどれくらい話題になったか、
その後も話題として消えない地域性があるかなどにより異なりますが
事故などが起きてから2年くらいとされており
事故などが起きてから新たに住んで生活した人がいれば
その時点で消えるだろうと言われています。

過去の判例の解釈のみでなかなか明確な基準が定められていないので
その点で、取引が委縮しているということはあります。
国土交通省は、公表する事実とその説明義務を負う期間について
明確な基準を作成して公表した方がよいかもしれません。
( 2016/05/17 00:00 ) Category 不動産 | トラックバック(-) | コメント(-)

第194回  ドラマ「グッドパートナー」 

弁護士のドラマが始まりました。
今回のクールでは
「99.9」という刑事弁護のドラマと
「グッドパートナー」という民事の弁護士のドラマです。

いつも言っているとおり
刑事弁護は、みなさんの生活には
あまりかかわりがないので
取り上げません。

今回始まった「グッドパートナー」という
ドラマは、竹野内豊さんと松雪泰子さんが
主人公の弁護士で、
同じ事務所のパートナー弁護士で
元夫婦という設定となっています。

パートナー弁護士とは
法律事務所の経営者である弁護士を指します。
これに対し、雇われている弁護士は
勤務弁護士とかアソシエイト弁護士と呼ばれます。
独立していないという意味で
居候弁護士、略して「いそ弁」などとも呼ばれます。

通常、民事の弁護士ドラマですと
みなさんの興味を引く
離婚や事故や遺産相続などが多く
また、個人が大会社を相手にして損害賠償請求をする
というものが多いと思います。

しかし、今回のこのドラマは
会社が依頼者であるいわゆる「企業法務」を取り扱っています。

これまで3回放送がありましたが
著作権侵害、解雇、暴力団との契約解消と
実際にありそうな話でした。

特に、第2話の解雇の話は
通常は、従業員側が会社から不当な解雇をされて
従業員が会社と闘うという話になると思いますが
不良従業員を解雇した会社を守るという話になっていました。

現実の社会でも、普通の会社では
解雇する場合は、解雇される従業員に問題があるケースが
多いです。
しかし、ドラマにあったように
従業員は労働法で守られていますから
なかなか会社が思うようには
従業員を解雇することはできません。

そこで、不良従業員を解雇するには
ドラマと違って地道な日々の会社の努力が必要となります。

ドラマとしては、刑事弁護や離婚などを扱っている方が
みなさんにはわかりやすいかもしれませんが
企業法務の弁護士を取り扱ったドラマとして
見てみるというのもよいかもしれません。

グッドパートナーとは、
ドラマでは、主人公2人が法律事務所での
良きパートナーであり、
人生の良きパートナーという意味のようで、
企業法務を担当する法律事務所や弁護士が
顧客である依頼者や顧問先のグッド―パートナー
という意味ではないようです。

僕は、依頼者や顧問先に「グッドパートナー」だと
思われる弁護士になりたいですね。


( 2016/05/10 00:00 ) Category 企業法務 | トラックバック(-) | コメント(-)

今週はゴールデンウイークでお休みです 

みなさん、良いゴールデンウイークを
お過ごしください。
( 2016/05/03 00:00 ) Category 未分類 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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