弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第205回 サントリーとアサヒのノンアルコールビール訴訟は和解で解決 

新聞報道などによると
ノンアルコールビールに関する特許を侵害されたとして
サントリーがアサヒに対し、「ドライゼロ」の製造販売の差し止めを
求めた裁判は、和解で解決したようです。

一審では、差し止めを求めて裁判を起こしたサントリーが
敗訴しました。
サントリーの主張する特許が無効だから
アサヒは、サントリーの主張する技術をを使っても
問題はないというのがその理由でした。

控訴審で和解した内容は守秘義務が課され
どういう内容で和解されたかは非公開になっているようで
第三者である僕には内容はわかりません。

一審で敗訴したサントリーは、
通常であれば控訴審でも
サントリーの特許が無効とされ、
製造販売の差し止めは認められない可能性が
あるので、
アサヒがドライゼロの製造販売をすることを認めるのは
やむを得ないところです。
他方、
アサヒとしては、このまま裁判で争って
サントリーの特許が無効という判決をもらったとしても
これまでの状況とあまり変わりはないということになります。

そこで、両者和解して終わらせるという判断になったのだと思います。

大手企業が大手企業を訴えるという
なかなか珍しい裁判でしたが
推測通りであれば、
実質的には、
喧嘩を売ったサントリーの負けということになったと思われます。


( 2016/07/26 00:00 ) Category 知的財産(特許、商標、著作権) | トラックバック(-) | コメント(-)

第204回 忘れられる権利はあるか? 

インターネットがみなさんの生活になくてはならないものとなってきたためか
このコラムでインターネット関連の法律問題について
書くことが多くなってきました。

この前は「成りすまされない権利」を取り上げましたが、
今回は、「忘れられる権利」です。

この忘れられる権利というのは
もう過去の過ちなのに、インターネット上はいつまでも掲載されていると
その過ちについて、永久に周囲から指摘を受け続けながら生活していくこととなってしまって
過ちを犯した人の負担が重すぎるので
一定期間が経過したら、その情報を消して欲しいという権利のことです。

さいたま地方裁判所の仮処分についての裁判所の判断では
忘れられる権利が認められ、
検索エンジンを運営するグーグルに対し、
検索結果を削除するよう決定が出されました。

しかし、この度、東京高裁では、
5年経過したとしても
まだ、その過ちについては一般市民が関心を持っているところなので
検索結果を削除することは、国民の知る権利を侵害するとして
忘れられる権利を認めませんでした。

この判決で争われた過ちとは、児童買春の罪で
殺人罪などとは異なり、罰金刑という犯罪の中では比較的軽い罪なので
過去の過ちについては反省し更生しようとしているのに
ネットの検索結果が出てしまうと
犯罪者扱いされてしまい更正の妨げとなるということで
忘れられる権利ということが主張されているようです。

犯した罪は一生背負って生きていくとは
言いますが、
どの程度まで負ったらよいのか
なかなか難しい問題だとは思います。
もちろん、罪を犯さないことが一番ですが
人間誰しも過ちは多かれ少なかれ犯しますからね。
( 2016/07/19 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第203回 銀行が破たん企業から賠償請求された 

報道によりますと、
三菱東京UFJ銀行が
破たん企業から損害賠償請求訴訟を起こされた
ということです。

その内容は、
東京三菱UFJ銀行が船会社に対し
四百数十億円も融資していたところ
船会社が融資の際に提出した賃料収入などに虚偽があったことを理由に
会社更生手続の申立をしたことが違法だとして
損害賠償請求を求めるということのようです。
船会社の言い分としては
賃料収入などが事実と異なるのは
銀行側の担当者から言われたものなので
それを理由に会社更生の申立をするのは
違法だということのようです。

賃料収入などを偽って融資を受けることは
契約違反で、ときには詐欺になる行為ですが
銀行の担当者が知っていたのであれば
銀行が知っていたということになりますから
契約違反とはならないし、詐欺にもなりません。

船会社の主張が事実だとすれば
銀行の担当者と船会社が通謀して
銀行の融資の決裁をする経営者等を
騙したということになります。

この場合は、
銀行側が自分のところの従業員がしたこととして
銀行が責任を負うのか
銀行側は船会社と従業員が通謀して、銀行を騙したのだから
銀行は被害者となるのか
なかなか判断は難しいところだと思います。
今後訴訟がどうなるか興味深いところです。
和解せずに判決となって、裁判所の判断が見てみたいところです。

ただ、会社更生手続は
破産手続開始の原因となる事実が生ずるおそれがあれば
債権者が申し立てることができるとされていますので
約束通りに、船会社が三菱東京UFJ銀行に返済していたとしても
全体から見て、破産の原因があれば申し立てが可能となっています。
したがって、船会社が債務超過である場合、
会社更生手続開始の申立をしたこと自体が違法であるということは
かなり難しいかもしれません。
( 2016/07/12 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第202回 不動産のおとり広告がネットで横行 

みなさん、不動産のおとり広告というのは
どういうものかわかりますか?

不動産のおとり広告というのは
実際はもうないお得な物件の広告を
そのまま削除せずに広告をしておくことなのです。

みなさん、賃貸でも売買でも
不動産取引をしようとするときには
インターネットで
条件の良い物件を検索して
その広告を掲載している不動産業者に
問い合わせをするというのが
普通だと思います。

そこで、不動産業者がみなさんからの問い合わせを
増やすためには、
条件の良いお得な物件の広告を掲載することが
一番よいということになります。

しかし、常にお得な物件の仲介の依頼を受けているかと言うと
そんなことは不可能です。
そこで、過去に仲介の依頼を受けたお得な物件の広告を
削除せずに、そのまま掲載しておくという方法がとられている
というのです。

顧客からその物件について問い合わせがあっても
それはもう終わってしまっているから他の物件はどうですかと
知らん顔して他の物件の取引につなげてしまえばよい
というわけです。

おとり広告を出している業者の方が不誠実な悪い業者であるのに
問い合わせが増え、取引が増えてしまい
真面目な業者ほど問い合わせが来ないということになってしまいます。

この問題は、以前から、テレビなどで取り上げられていましたが
役所もやっと問題があると気づき、対策を取るようにしたようです。

みなさんも、不動産のおとり広告は気を付けてください。

( 2016/07/05 00:00 ) Category 不動産 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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