弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第222回 レオパレスがオーナーから集団訴訟を受けた理由 

ネットのニュースなどによると
レオパレスが賃貸している建物のオーナーから
集団訴訟を起こされたようです。

何があったのかと思い
そのニュースを読むと
以下のようなことらしいです。

レオパレスは、建物のオーナーから
建物を借りて、さらに賃貸をする
サブリースをしています。

その際に、レオパレスは、家具・家電付きで
賃貸しています。
家具・家電はレオパレスが購入し
オーナーからレンタル料を受け取っています。

このレンタル料は、家具家電のメンテナンスと
家具家電買い替えに充てられるはずのお金なのに
家具家電が買い替えられていないということで
オーナーが、契約違反を理由としてレンタル料の返還を求めて
今回の集団訴訟に至ったということです。

レオパレスとオーナーの契約書の内容がわかりませんが
本来は、オーナーがレオパレスに建物を貸しているのであって
家具家電を付けて賃借人に貸すかどうかは
レオパレスの自由なのであって
レオパレスが家具や家電を付けたからと言って
オーナーがその費用を払う必要はないと思うのです。
オーナーがレオパレスからレンタルして(借りて)
どうするかと言えば、貸主であるレオパレスに
再度貸すということになり、
それをレオパレスが賃借人に貸す
ということとなります。

オーナーはレオパレスに貸すときに
レンタル料(賃料)を取らないとおかしいこととなります。
この辺はどうなっているのか
オーナーはどう思っているのか
オーナー側の弁護士はどうしているのか
興味があります。

今後訴訟について報道されたら取り上げたいと思います。
( 2016/11/29 00:00 ) Category 不動産 | トラックバック(-) | コメント(-)

第221回 契約書を作るか、契約書に何を書くかは自由です 

顧問契約を結んでいただいている顧問先から
契約書を見て欲しいと言われることが
多いです。
そのための顧問契約なので
当然のことではあります。

そこで、誤解が多いのは、
契約書には定めなければならない事項が決まっていて
しかも、その内容も決まっているとみなさんが思っていることです。

しかし、契約書で一定の事項を定めなければならないと
法律で決まっているのは、
不動産業者が仲介に入る不動産の契約などで、
ほとんどの契約は、契約書を作成しなくても有効で、
実際に、見積書と請求書を出すのみで、
契約書を作らずに済ませていることが多いと思います。

契約書を作成しないからと言って
契約がないかと言えばそれも違います。
見積書と請求書を出すのみの取引も
物をいくらで売るという約束が
口頭でなされていることから
口頭の契約があるということになります。
逆に言えば口頭の契約があるから
取引相手は商品を納入して
商品を購入した方が代金を支払うわけです。

トラブルが生じなければ口頭でもよいのですが
トラブルが生じた場合
口頭の契約では
後で、どういう点についてどういう約束をしたか
証明もできません。
相手からそんな約束はしていないと言われてしまえば
終わりになってしまいます。

そこで、契約書には、トラブルになりそうなこと
あるいは、万が一トラブルになったら困ること
について、予め書いておくということになります。

契約の内容についても、
法律上こう定めなさいと決められている場合は少なく、
だから、契約内容をいつも同じにする必要もありません。
契約当事者で力の強い方が有利な内容にすることが
できます。

したがって、弁護士に契約書を見てもらうときは
契約当事者のどちらの方が力が上かということを説明して、
自分たちにとって
不利な点はないか
あるいは
この点について自分たちが有利にすることはできないか
という聞き方をして契約書を見てもらうとよいと思います。

( 2016/11/22 00:00 ) Category 企業法務 | トラックバック(-) | コメント(-)

第220回 システム開発のトラブルで賠償額7億9000万円 

日経コンピュータによると
上場企業の間で、システム開発をめぐって
お互いに何億円もの損害賠償請求をし合うという
事件があり、
判決が下ったようです。

そもそもは
上場企業であるSRAホールディングスの子会社である
SRAがシステム開発を注文した
やはり上場企業であるハピネットに対し
業務委託料の未払いを理由として
約4億2000万円もの損害賠償請求訴訟を起こしました。

これに対し、訴えられたハピネットは
委託料の未払いは、SRAが期限までに納品しなかったことに
あるとして、逆に、既払いの代金返還などを含めて
約11億5000万円の訴訟を起こしました。

判決は、
SRAが請求していた未払いの委託料のうち、約2200万円を認めました。
しかし、逆にSRAに対し委託料の返還等の損害賠償として、7億9000万円を支払うことも
命じたのです。

システム開発会社であるSRAとしては、
未払いの委託料を払ってもらうつもりが、
逆に約7億7000万円ものマイナスになってしまったわけです。

システム開発のトラブルは、
その原因が発注者側なのか
開発会社側なのか
わからないことも多く
専門的知識のある開発会社の方が有利である傾向にあります。

しかし、今回の裁判では、
開発会社の全面敗訴に近いと思うので
システムができあがっていない
あるいは
当初予定したものと異なることが
明らかだったのかもしれません。

開発会社から訴訟を起こしておいて
逆に7億9000万円もの賠償請求が認められてしまっては
何をやっているのかわからない結果となってしまいました。
訴訟を起こすときの見通しはどうだったのか
と弁護士としては思ってしまいます。

( 2016/11/15 00:00 ) Category 企業法務 | トラックバック(-) | コメント(-)

第219回 定年後の再雇用 賃下げOK 

第201回 再雇用の賃金引き下げは違法
お話した通り、
定年退職後に再就職する際の給料(賃金)は
同じ仕事をするのであれば
同額なのか、
引き下げてもよいのか
ということが裁判で争われています。

一審判決は、
定年後の再雇用の際に従業員が同じ仕事をするのであれば
給料の引き下げは違法だと判断しました。

これに対しては、
日本の会社のほとんどの給与体系が
仕事の内容で額が決まるのではなく
年齢等によって給料を高くしており
退職時の給料は
やっている仕事に比べて額が高い可能性があるので
この判決は企業にとって厳しいと
書きました。

この控訴審判決が出たので
取り上げたいと思います。
控訴審の結論は、
再雇用者の賃金引き下げは
社会的に容認されていることから
合理性があり、
賃金の引き下げを合法としました。

今の日本の企業の給与体系が
仕事の難易度や量に基づいて決められているのであれば
仕事が同じであれば給料も同じでよいと思いますが
仕事の難易度や量に基づいて決まっていない現実からすると
再雇用の際に給料の引き下げを認めても
良いとは思います。

労働者側は、上告するようなので
最高裁で結論が出されます。
最高裁はどちらの結論を取るでしょうか。
企業にとっては影響が大きいと思います。
最高裁判決が出たら
また取り上げることにします。



( 2016/11/08 00:00 ) Category 企業法務 | トラックバック(-) | コメント(-)

第218回 フランチャイズの競業禁止義務を守らなくてよいケース 

第81回 フランチャイズ契約で気を付けること
でもお話ししましたが、
フランチャイズ契約を結んだ場合
本部との関係がうまく行っていた場合は良いですが
うまく行かなくなって、契約解消となった場合には
競業禁止義務が定められているので
同じ営業を自分でできないことになってしまうことに
注意が必要です。

この競業禁止義務について
裁判所が例外的に守らなくてもよい
と判断した判決がありましたので
ご紹介します。

判決は、
フランチャイズ契約において
競業禁止義務は
フランチャイズ本部の持つ
顧客や商圏、営業秘密を守るため、
認められているものであると言っています。
ところが
判例のケースでは
本部が「Yシステム」という本部のノウハウについて
具体的な内容や有用性が全く主張立証されておらず
競業禁止義務により保護するノウハウが
含まれているとは認められないと判断されてしまったようです。

フランチャイズにおいて揉めるケースは
本部がきちんとした営業ノウハウがないケースも多いです。

そういうケースでもフランチャイズ契約には
競業禁止義務が定められています。
今回の判決は、そのようないい加減な本部が競業禁止義務を
定めていても、加盟店は守らなくてもよい場合があると判断したもので
フランチャイズ契約の紛争解決に役に立つと思います。



( 2016/11/01 00:00 ) Category 企業法務 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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