弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第231回 父親の親権は逆転敗訴 

第190回 夫に親権が認められた
で取り上げましたとおり、
離婚したときには、父親が母親と子供の面接交渉を年100日は確保すると
裁判所に具体的な計画を持って約束したことから
父親に子供の親権が認められるという
珍しい判決が出されました。

しかし、この度高裁判決が出され、
父親は逆転敗訴となってしまいました。

その理由は、前回のブログで僕が書いた通り
年100回の面接交渉は忙しいので
逆に子供にとって負担が重いと疑問とされてしまったようです。
その他にも、
子供にとって今の生育環境を変えるのは
良くないし
子供も母親との生活を希望している
と判断されたようです。

しかし、父親でも親権が取れるという
離婚する際の父親に希望を与える判決が
ひっくり返されてしまったことは
世の離婚をしようとしている父親にとっては
残念な結果となってしまいました。
( 2017/01/31 00:00 ) Category 離婚 | トラックバック(-) | コメント(-)

第230回 弁護士会がAVプロダクションの代理人弁護士を懲戒? 

弁護士は、明らかに不当な事件を受任してはいけません。
弁護士には、弁護士の信用を守るために、そういうルールがあります。

この度、AV(いわゆるアダルトビデオ)への出演契約を結びながら
出演を拒否した女性に対し、AVプロダクションが訴訟を起こしたことについて
代理人をした弁護士に対し、懲戒処分にするかどうか検討するよう
弁護士の元締めである日本弁護士連合会(日弁連と言います)が
代理人を務めた弁護士の所属する弁護士会に求めました。

理由は、プロダクションが女性に対する多額の違約金を請求する
訴訟の代理人となり、AV出演を強制する威圧的効果が
あるからというものです。

弁護士は、最初に書いたとおり、不当な目的の仕事を請け負うことはできません。
しかし、逆に、刑事事件の被告の弁護など、
一般の方からすると、そんな悪い奴の味方をしていいのかと思うようなことを
仕事としてすることは認められています。

したがって、不当か不当でないかは、その境界線は微妙なところです。
明らかな違法行為ならわかりやすいですが
AVプロダクションは、今の日本の法律では違法ではありません。
したがって、出演契約も違法ではないと思うのです。
それにもかかわらず、違約金を求めるプロダクションの代理人を務めただけで
懲戒という弁護士会から罰を受けるということは
なかなか納得できないですね。
(もちろんAVプロダクションのやっていることが正しいとか
違約金が認められるべきと言っているわけではありません)

もともと所属の弁護士会は
懲戒については、提訴自体は問題ではないと判断していて
それが普通の弁護士の感覚だと思います。

日弁連がこのような判断をすると
弁護士としては事件の受任について委縮してしまい
かえって、国民の裁判を受ける権利等が害されたり
弁護士の業務が縮小してしまうような気がします。
( 2017/01/24 00:00 ) Category 弁護士 | トラックバック(-) | コメント(-)

第229回 サッカーのプレー中の事故で損害賠償責任? 

スポーツは元々プレーヤーが
スピードやパワーといった自分の能力を最大限に発揮し
勝ち負けを競うものですから、
危険が伴います。
そこで、プレー中の事故は、
ルールに従ってプレーをしている限り
相手にケガが発生したとしても
プレーヤーは法的な責任を負わないというのが原則です。

ところが、この度東京地方裁判所で
社会人リーグ4部の試合で
選手同士が衝突した件で、
ケガをさせた選手に損害賠償責任を認める判決が
出ました。

判決は、故意に相手の選手を蹴ったことは否定しましたが
退場処分が科されうる行為だったと認定していますので
ルールに従った行為ではなかったと見たようです。

しかし、問題なのは、その試合で審判は、
反則を取らなかったのです。
審判が反則を取らなかった行為について
裁判所がルール違反だと認定したのです。

過去の裁判例には
サッカーの授業で、
生徒が蹴ったボールが他の生徒に当たって
失明をしてしまったケースでも
ルールに従った行為に基づくものなので
責任はないとしたものがあります。

今回のケースは、
ラフプレイであってルールに従った行為ではないと
裁判所が認定したわけですが
この判断が正しいとすれば裁判所がスポーツのプレイ中の事故を
いちいちルールに従った行為かどうか
判断することになってしまいます。

それについてはちょっと疑問に思います。
( 2017/01/17 00:00 ) Category 損害賠償請求 | トラックバック(-) | コメント(-)

第228回 預金は遺産じゃなかったの? 

昨年末に、預金は遺産分割協議の対象となるという
最高裁判決が出されました。

みなさんは、預金も土地や建物と同じように遺産なのだから
遺産分割協議の対象となるのは当たり前ではないかと
思われていると思います。

しかし、これまで最高裁は、預金は金銭債権なので
相続発生と同時に、各相続人が法定相続分に従って相続することとなるから
遺産分割協議は必要ないとしてきたのです。

だから、
これまでは、法律上は、預金については遺産分割協議をしなくても
相続人は、自分の法定相続分を銀行に請求することが
できたのです。
(ただ、銀行は、このような請求には任意に応じないので
法定相続分の預金を請求するときは弁護士に依頼して訴訟をする必要がありました。)

これまでの最高裁判決によると
土地の生前贈与があって、遺産が預金だけしかない場合
土地の生前贈与を特別受益として考慮できないような場合があり
不平等になるということがありました。
例えば、2人の子供XYが相続人で
1人の子供Yには、土地を1億円生前贈与をして
亡くなったときには、預金1億円のみ残していたというケース。
これまでの最高裁判決によれば
預金は相続人XYに2分の1ずつ当然に相続されることになるので
Yは1億円の土地の生前贈与を受けたのに
預金も5000万円相続できることになり
1億5000万円を取得することができ
Xは5000万円のみ取得できるという不平等が起きてしまうのです。

これまで、遺産分割の事件で、このようなケースに当たることは多く
裁判所にそれはおかしいということをさんざん言ってきましたが
最高裁判決は法律と同じなので
考慮されることはありましたが、
なかなか受け入れてもらえませんでした。

今回最高裁判決の結論が変わったことにより
上記のケースでは、
Yは生前贈与で1億円の土地を受け取っているので
預金1億円は全額Xが相続することとなります。

ただ、逆に、遺産分割協議が成立しないと
相続人が自分の相続分だけでも亡くなった方の預金を使いたいと思っても
下ろして使えなくなりましたので、注意が必要です。



( 2017/01/10 09:27 ) Category 相続・遺産分割 | トラックバック(-) | コメント(-)

第227回 あけましておめでとうございます 

あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

新年は1月5日からの業務開始となります。

このブログは、1月10日からの更新となります。

( 2017/01/04 12:43 ) Category 未分類 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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