弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第235回 ネットの書き込み削除要請は弁護士しかできない 

インターネット上で、個人や法人の名誉棄損の書き込みがなされることは
最近のネット社会ではよくあることです。

この削除要請に目を付けてビジネスとしてきたのが
削除要請代行業者です。

この削除要請代行業者をめぐる裁判の判決が
ありました。

事案は、削除要請代行業者が削除要請の依頼を受けて
報酬を得たことについて
削除要請は、紛争の解決行為なので
弁護士しかできないことから
弁護士でない代行業者が報酬を得る契約は無効なので
支払った報酬を返せというものです。

この点、代行業者は、削除要請はサイトのフォームを使って
削除の依頼をしただけなので弁護士しかできない法律事務ではないと
反論しました。

しかし、裁判所は
削除要請自体が依頼者の人格権に基づく削除請求権の行使なので
サイトの運営業者に削除義務を発生させるもので
弁護士しかできない法律事務だと判断しました。

そこで、判決は依頼者が代行業者に対し支払った報酬の返還を認めました。
依頼者は慰謝料の請求もしたようですが
それは認められなかったようです。

ネット上で名誉棄損の書き込みをされることが多く
削除要請に応じないサイトもあって最終的に解決に至らない場合もありますが
資格を持たない業者よりも弁護士の方が信頼ができると思いますし
そもそも業者が行うことは違法です。
ネット上の書き込みの削除要請は弁護士に相談依頼していただきたいと思います。
( 2017/02/28 00:00 ) Category 弁護士 | トラックバック(-) | コメント(-)

第234回 「ほっともっと」店長も名ばかり管理職 

ほっともっとを経営するプレナスに対し
元店長が残業代を請求した訴訟で
静岡地裁で判決が出されました。

プレナス側は、
元店長は、管理監督者に該当するので
残業代を支払う必要がないと主張しました。
労働基準法上、管理監督者、いわゆる管理職には
残業代を支払う必要がないと定められているからです。
多くの企業は、
この規定に基づき管理職には残業代を支払っていないと思います。

しかし、裁判所は、
元店長は、仕事に対する裁量がアルバイトの採用くらいしか権限がないこと
労働時間についても自由裁量がなく、自分で自由に決められたとは認められないこと
年収も320万円と、他の従業員の平均と変わらないことなどを
理由として、管理監督者とは認められないとしました。

以前マクドナルドの店長について同様の判決が出ており
実際、過去の裁判例でも
管理監督者の要件は厳しく
現在、店長や課長や係長であっても
裁判で争われると
管理監督者には当たらないと言われる可能性は
大きいです。

残業等労働者の働き方が社会問題として
注目されている現状で
会社の経営者の方は、
この点は、注意しなければならないところだと思います。


( 2017/02/21 00:00 ) Category 企業法務 | トラックバック(-) | コメント(-)

第233回 相続税対策の養子縁組も有効 

最近、第228回 預金は遺産じゃなかったの?
これまで預金が遺産分割の対象ではなかったけれども
預金を遺産分割の対象とする最高裁判決が出た
というお話をしました。

今回、また相続に関する最高裁判決が出ました。
それは、相続税節税に関するものです。
相続税は、相続人の数により基礎控除というものが認められています。

相続人が子供2人の場合には
3000万円+600万円×2=4200万円が基礎控除となり
遺産が4200万円までは相続税がかかりません。

養子縁組をすると子供が3人になるので
3000万円+600万円×3=4800万円が基礎控除となるので
4800万円までは相続税がかからなくなります。

そこで、養子縁組は節税になるのです。

今回最高裁で争われたのは
この節税目的の養子縁組が有効かというものです。

というのは、養子縁組は真の親子関係を結ぶ意思が必要とされています。
過去、子供が通う学校の学区のために結んだ養子縁組は無効とされています。
そこで、相続税の節税目的の養子縁組は有効かと争われたわけです。
一審は、養子縁組は有効として、
二審である高裁判決は、養子縁組は無効としました。

今回、最高裁判決は
養子縁組が相続税の節税目的だったとしても
真の親子関係を結ぶ意思がなかったとは言えないとして
節税目的の養子縁組を有効としました。

最高裁が認めた節税方法なので
相続税のことを心配している方がいらっしゃったら
養子縁組ということを検討されてみてはいかがでしょうか?
ただ、実際に親子として生活を営んだりする必要がありますので
そのときは、弁護士に相談された方がよいと思います。



( 2017/02/14 00:00 ) Category 相続・遺産分割 | トラックバック(-) | コメント(-)

第232回  TOKYO FM「中西哲生のクロノス」に出演しました 

先週1月30日(月)の午前7時20分から
TOKYO FMの「中西哲生のクロノス」という生放送の番組に
出演しました。
テレビ・雑誌・新聞の取材は何度も受けたことがありますが
ラジオは初めてでした。
しかも生放送も初めてでした。

僕は芸能人ではなく弁護士なので
当然、法律の話をするためです。

話の主題は、「印鑑」です。

最近、銀行などの金融機関が
サインや生体認証、あるいは暗証番号で
取引を行えるようにしているけれども
そもそも、印鑑は何のために押しているのか?
これからの日本は印鑑は無くなってしまうのか?
というような中西さんの質問に僕が答える
というものでした。

みなさんは、印鑑は何のために押していると思いますか?
法律上は、契約書に印鑑を押す必要はないんです。
法律上は、口約束の契約も有効ですから。

でも、裁判になれば契約が有効に成立したということを証明しなければなりません。
口約束では、契約について相手が承諾したことを証明できません。
そこで、契約書を作成するのが普通です。

この契約書に、その人の所有する印鑑が押してあると
印鑑の所有者の意思に基づいて契約書が有効に作成されたと推定される
という効果が法律上認められています。

だから、契約書に印鑑を押すことを求められ、
不動産の売買や賃貸、住宅ローンなど重要な契約書には
その印鑑が自分のものであることの証明書である印鑑証明書を付けることが
求められるんです。

印鑑が今後無くなってしまうかというと
生体認証など本人確認の技術が発達すれば
無くなっていくかもしれないけれども
生体認証情報を国が管理するとプライバシーの問題もあることから
しばらくは無くならないだろうと思います。

これだけではありませんが、
まあこんな感じの話をしました。

みなさんの中に聞いてくれた人はいますかね?




( 2017/02/07 00:00 ) Category メディア | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

QRコード
QR