弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第264回 積水ハウスが55億円をだまし取られた 

ハウスメーカー大手積水ハウスが
土地取引で55億円もだまし取られたことが
報道されました。

報道によると
品川区の土地を63億円で購入し
代金を支払ったところ
受け取った所有権移転登記に必要な書類の
一部が偽造されたものだった
ということのようです。

所有者だとして、面談し契約を締結した相手は
所有者本人ではなかったそうです。

要するに、ドラマか映画にあるような
詐欺に、積水ハウスのような大手企業が
引っかかってしまったということです。
しかも、その額63億円。
一部に預かり金があったため
損害額は55億円だったようです。
55億円でもすごい額ですね。

弁護士は職業上、土地の売買などの代理人となることは
多いです。
債務整理や遺産分割など、
どちらかと言えば
売却する側の方が多いです。
売却する側の代理人でも
土地の登記書類を渡してしまって
代金が振り込まれない
ということが怖いですから
55億円の取引でなくても
かなり緊張はします。
ただ、売却する方は
代金の入金前に書類を渡すことをしない点に
注意すればよいので
買う方に比べれば少し楽になります。

不動産の買う方の代理人となると
物件に欠陥があるかもしれませんし
優先する登記などが売買の直前に設定されてしまう可能性もあります。
また、今回の事件のように登記に必要な書類を
受け取ったものの偽造書類の可能性もあります。

不動産の売買は買う方の方が何倍も難しいこととなります。

騙す方は故意でやっていますから
発覚したときには逃げているし
お金はどこか追及されないところに隠してしまうでしょうから
法律上取り戻す権利があっても
実際に取り戻すことは難しいです。

したがって、不動産の売買には
十分気を付けた方がよいと思います。

( 2017/09/26 00:00 ) Category 刑事事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第263回 人の本当の姿はわからない 

みなさんは、連休中に
あの「はげー」の叫び声で有名となった
女性議員がテレビのインタビューに答えているのを
見ましたでしょうか。

テレビのインタビューに答えている姿からは
とても自分の秘書をはげと罵倒し、
暴行を加えていた女性とは思えなかった方も
多いのではないでしょうか。

しかし、世間に公表された録音があるので、
自分の秘書を「はげ」と罵倒し
暴行を加えていたのは事実なのです。

裁判では、当事者が言っていることの
どちらが正しいかを
判断するために
証人尋問を行います。

裁判所で、
いかにも怪しそうで嘘をついています
というように見える人は
あまりいません。
みなさん、普通に自分の体験したことを
そのまま話しているように見えます。
みなさん、女性議員がインタビューに答えているような
感じなのです。

裁判でも当時の録音が残っている場合には
それを証拠として提出すれば
相手が嘘を言っていることは証明することが可能です。

しかし、録音が一部の場合は
残りの部分については、
そんなことはないと否定することは普通です。

女性議員も
罵倒し、暴言を吐いたのは
録音されたとき1回くらいと答えていました。

しかし、事実かどうかわかりませんが
女性議員の秘書はこの秘書だけでなく
これまで多数の秘書が辞めているという報道もありました。
そうだとすれば、
前の秘書にも同様なことは
言っていると推測されます。
残念ながらテレビのインタビューでは
そこは突っ込んで質問はしてくれませんでした。

裁判の証人尋問では
そういう点を突っ込んで聞いて
相手から相手の不利な証言を
引き出すようにします。

離婚しかり、契約のトラブルしかり
1対1の話し合いで
誰が何をどう話したのかは
本当に後から証明することは
大変です。

話し合いの状況を証明するには
録音が一番ですし、
大切なことは
書面化して、双方で署名捺印をすることが
重要です。

メールのやり取りは
十分証拠として有効ですから
裁判対策ではメールでやり取りをする
というのも1つの方法です。




( 2017/09/19 00:00 ) Category 訴訟・裁判 | トラックバック(-) | コメント(-)

第262回  負動産2 

朝日新聞で、取り上げていた「負動産」の中に、
分譲マンションの話がありました。

分譲マンションを取り壊して
土地を売りたいけれども
1人が反対しているので
取り壊しができないというものでした。

建て替えについては
5分の4の多数決で
決議できますが
取り壊して売却するということだと
全員の承諾を得なければなりません。

そこで、売ろうと思っても
なかなか売れないということになります。

マンションなどは建物も古くなれば
そこに住んでいる方も高齢者となります。
そうなると
建て替えはお金がかかるし、
自分はそれほど長く住むわけでもないのに
いまさらお金を出したり労力をかけてまで建て替えをしたくない
と考えるのが普通です。

しかし、建物が老朽化すると大規模修繕も
必要になります。
そのお金も出せない場合、
どうしたらよいかわからないということになります。

ただ、このケースでは
1軒だけが反対しているということで
他で5分の4を占めるのであれば
建て替え決議をして
建て替えを前提に購入してくれる業者を探して
売却することが考えられます。

本来は、築40年等老朽化して
修繕もままならないような建物は
建て替えができないときは
売却して、代金を分けて清算をすることができる
という法律があればよいのですが
今の法律は、建て替えを5分の4の多数決でできる
としか定めていません。

そこで、老朽化したマンションは
まさしく「負動産」として残っていく
ということになります。

( 2017/09/12 00:00 ) Category 不動産 | トラックバック(-) | コメント(-)

第261回 5年超勤務で有期雇用社員が正社員になる 

契約社員など雇用期間が定められている従業員を
有期雇用社員と言います。
この有期雇用社員も、
契約の更新を重ねて、5年を超えて勤務した場合は
無期雇用、即ち正社員となるという法律ができ、施行されたのが
2013年4月です。

となると、来年(2018年)4月で、5年を超えて働き続けてきた
有期雇用社員は、
正社員となることができるということになります。

しかし、労働者の団体である連合がアンケート調査を行ったところ
有期労働者の84%が内容を知らなかったということです。

有期雇用労働者が無期雇用労働者になるためには
労働者から会社に対し申し込みをする必要がありますから
労働者が知らないということは
労働者が無期雇用社員になるための申し込みをするはずもないですから
無期雇用社員にはなれないということになります。

有期雇用社員と無期雇用社員の
一番の違いと言えば、
もちろん、1年などの契約期間があるかないか
ということになります。
この契約期間満了で、
解雇(雇い止め)ができるかどうかは
雇う側にとっては大きな違いとなります。

そこで、会社によっては
5年を超えては契約を更新しないことにするなどの対応を
取っているようです。






( 2017/09/04 00:00 ) Category 企業法務 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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