弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第282回 仮想通貨580億円が流出 

昨年は相場が急上昇して高額所得者を出したと思えば
今年になって相場が急落している仮想通貨。

芸能人を使用したCMで知名度を上げていた
仮想通貨取引業者であるコインチェックが
サーバー攻撃に遭い
580億円もの仮想通貨を流出させてしまったという
事件が起きました。

これについて、コインチェックは、顧客に対し、全額補償することにしたようです。

補償しなければ、
顧客はサイバー攻撃に遭ったときには損をすることになると考え、
今後コインチェックと新たな取引しないでしょうし、
今、他の通貨で取引している顧客も、
同様にコインチェックは危ない会社と考え
他の業者に移してしまう可能性があります。

また、今回の事件の原因は、
ネットにつないで管理していたことと、
秘密鍵を複数に分割した上で
分離して管理していなかったことなどが原因とされていますので
補償しないと言ったとしても
顧客から損害賠償請求をされ、
その損害賠償請求は裁判で認められる可能性があります。

これらの理由から、コインチェックは顧客への全額補償を認めたと思います。

しかし、これで一件落着ではありません。
この場合でも会社が580億円の損害を被ったことには変わりがありません。
コインチェックの資産や収益がどれくらいかわかりませんが
この580億円の損失で経営が傾いてしまえば、
全額補償をすると言ったところで
民事再生や破産などの倒産をすることとなり
全額は支払えません。

そうなれば、顧客は損を被ることとなります。
仮想通貨の取引を行う人は
相場の上げ下げによる損のリスクもありますが
サイバー攻撃による仮想通貨取引業者の安全性のリスクも見極めて
取引を行う必要があるようです。





( 2018/01/30 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第281回 女性用シェアハウスの運営会社が賃料支払停止 

報道によりますと
首都圏で女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営する不動産会社が、
物件所有者への賃料の支払いを停止したためにトラブルになっている
そうです。

物件所有者は、アパートローンを借りて
物件を購入して、
不動産会社に貸して賃料収入を得る
サブリースの形を取っていたと思われます。

サブリース契約は、不動産会社が物件所有者から借り上げて
エンドユーザーに転貸する形式の賃貸借契約です。

賃料は個別に貸すよりも低額になりますが
不動産会社が一括して借りてくれるので
空き部屋が出ても賃料が保証されるというメリットがあります。

しかし、不動産業者がサブリース契約で賃料を減額しないと約束していても
法律上、空室率が高く経済変動で賃料が減額していったような場合には、
賃料の減額が可能です。
また、不動産業者がいくら約束しても、その不動産業者が破産などで倒産してしまえば
約束は無になってしまいます。

したがって、サブリースだから安心というわけではありません。
サブリースでも、自分で賃貸物件の経営をするのと同じように
その物件の入居率やその地域の賃貸物件の動向などを検討したうえで
賃貸物件を購入したり、建てたりする必要があります。
( 2018/01/23 00:00 ) Category 不動産 | トラックバック(-) | コメント(-)

第280回 前払いには気を付けて 

成人の日という日本全国で
新成人のお祝いをするという
おめでたい日に
大きな事件が起きてしまいましたね。

みなさん、テレビなどの報道でご存じのとおり
着物のレンタル・販売業者である
その名も「はれのひ」が
前金で代金を受け取っていながら
成人の日当日に
閉店してしまい、顧客である新成人は
着物を着ることができませんでした。
その被害者の数は
数百人にも及ぶらしいです。

昨年も同じような被害が起きました。
旅行代理店の「てるみくらぶ」が
旅行代金を受け取っていながら
倒産し、
顧客は代金を支払っているにもかかわらず
旅行に行けなくなってしまいました。

みなさんは、前払いしてくださいと言われたら
素直に前払いをしてしまう方が多いでしょうが
代金を前払いする場合は、
「はれのひ」や「てるみくらぶ」だけではありません。
常に、代金を支払ってもサービスが受けられなくなるリスクがあります。

だから、銀行は、お金を貸すときに、必ず審査をして
担保を取ったり、保証人を付けたりして支払いを確保してから
お金を貸すのです。

少額の場合は、担保を取ったり、保証人を立てたり
というのは面倒ですし、
お店の方もそんな顧客とは取引してくれないでしょう。

そこで、このような被害に遭わないためには
・なるべく前払いをしない
・前払いをするとしても前払いを代金の一部にする
・前払いをしても、つぶれなさそうなその業界の大手を選ぶ
くらいしかありませんが
前払いをしない以外はこのような被害を避ける方法はありません。

前払いをするときは、
相手の業者がサービスを受ける日まで
つぶれなさそうかどうか
現金を持って逃げる可能性はないか
気にした方がよいと思います。

( 2018/01/16 00:00 ) Category 債権回収(貸金、売掛金、損害賠償) | トラックバック(-) | コメント(-)

第279回 日航が偽メールで詐欺被害 

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

さて、昨年末に、あまり騒がれませんでしたが
大きな詐欺事件が発覚しました。
その内容は、
日本航空が偽メールによって、
何と3億8400万円もの詐欺被害に遭った
というものです。

最近は、請求書をメールで送ることも多くなり
それに従って振り込むことも多いと思います。

日本航空が騙されたのは
取引先の担当者を装ったメールで
請求書が送られてきたという方法です。

メールアドレスや銀行口座名義は
どうだったのでしょうか。
その辺は報道されていないので
わかりませんが
メールの差出人がメールアドレスでなく
氏名等で表示されていると
メールアドレスが違っているかどうかは確認をしないと思います。
また、氏名等で表示されない場合でも
知っている相手の名前が入っていると
似たようなアドレスの場合あまり疑わないのが普通だと思います。

銀行口座もいつも支払っている相手名義となっていたのかもしれません。

メールでは、比較的なりすましはしやすいですが
取引相手になりすますのは
取引相手の会社名や担当者名を知った上で
同じような名義の銀行口座を持たないと
なりすますことはできません。

そこで、
日本航空の担当者も
まさかなりすましの偽メールだとは疑わなかったのでしょう。

しかし、実際に3億8400万円もの詐欺事件は起きてしまいました。

メールで請求書をもらっている場合
相手のアドレスや振込口座をよくよく確認する必要がありそうです。
( 2018/01/09 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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