弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第290回 小型犬が飛び出して1284万円の賠償責任 

最近は犬をペットとして飼う人が増えていると聞きます。
そんな愛犬家に警鐘を鳴らすような
判決が出たので、取り上げます。

飼い主がミニチュアダックスフントにリードを付けて
散歩していたところ、ダックスフントが急に走り出したため
買主がリードの手を離してしまいました。
ダックスフントはランニング中の男性のところに飛び出し
男性はダックスフントを避けようとして
転び、骨折して右手首が曲がりにくい等の後遺症が
残ってしまいました。

そこで、男性はダックスフントの飼い主に対し
転んでけがをしたことについて治療費や
後遺症による将来の収入の減少分や
慰謝料を請求しました。

判決では、動物は予想できない行動をとり
飼い主は散歩の際はつないでおく義務があるとして
事故は飼い主がリードから手を離したため起きたことから
過失は重いと判断し、
1284万円の賠償責任を認めました。

飼い主は、保険に入っていたようで、
この訴訟では、保険会社も被告となっていたようです。

今回の判決のように、ペットが原因で起きた事故について
たかが犬のやったことだから、買主には責任はない、
では済まされない場合もあります。
むしろペットが原因で起きた事故については
飼い主が全面的に責任を負うというのが
法律の原則です。
犬を飼う方はペットが病気になった場合の医療保険だけでなく
ペットによる賠償責任保険にも加入する必要があると思います。

( 2018/03/27 00:00 ) Category 債権回収(貸金、売掛金、損害賠償) | トラックバック(-) | コメント(-)

第289回 司法取引を日本にも導入 

他人の事件について
捜査協力をすると
自分の罪が軽くなる。

簡単に言うと、
他人が犯罪を犯したことを話すと
自分の罪が軽くなる。
ということです。

この制度を司法取引と言いますが
この司法取引の制度は
アメリカでは認められていますが
これまで、日本では認められてきませんでした。

自分の罪が軽くなるために
うその証言をする可能性もあるので
司法取引によって得られた証言は信用性に問題があるという
考え方が強かったためです。

既に、独占禁止法の分野では
価格カルテルや談合について
価格カルテルや談合を先に申告した企業は
課徴金を減免するという司法取引の制度が導入されています。

これが良い結果を産んでいることからか
経済犯罪の分野と組織犯罪の分野に
司法取引を導入することにしたようです。

組織犯罪に関係している方はあまりいないと思いますが
経済犯罪は、会社を経営しているあるいは会社に勤務している人なら
関係してしまうということもあるかもしれません。

そんな場合には司法取引により罪が軽くなる可能性があるということを
覚えておいてください。
司法取引には弁護人の立会いも必要となります。
その点も覚えておいてください。
( 2018/03/20 00:00 ) Category 刑事事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第288回 飲食店のドタキャンの責任 

飲食店のドタキャンが話題となっています。
その飲食店のドタキャンについて
損害賠償請求(正確には違約金請求)の
裁判があったことが
インターネットの記事に掲載されていましたので
取り上げたいと思います。

予約をした場合は、
飲食物の提供契約が成立しますので
ドタキャンは契約不履行となります。

そこで、店側は予約をしてドタキャンをした
顧客に対し契約違反による損害賠償請求が
考えられます。

今回の裁判では、40人の団体で予約をしたにもかかわらず
何の連絡もなくドタキャンをしたケースのようです。
裁判に相手は欠席したことから
原告の請求はそのまま認められました。
その額13万9200円です。

今回の裁判では、ホームページで
違約金について定めてあり
当日キャンセルは代金の100%を違約金として
いただくとしていました。

この違約金の定めは重要で、
飲食店の場合
予約がキャンセルされても
本当に料理を用意したのか、
料理を用意したとしても
他の客に利用できたのではないか
などと反論されてしまい
代金全額が損害と認められない可能性があります。
違約金を定めていれば
その金額を請求できることとなります。

この違約金はホームページに見やすいところに
記載しておくのがよいのですが
違約金が目立つところにかかれていることが
営業的にマイナスにならないかということは
心配になります。

また、キャンセル料は、
少額なので、
裁判をしたり費用労力をかけて
回収するのは割りに合わないということもあります。

連絡先がメールアドレスや携帯電話の電話番号では
相手の住所はすぐにはわからず
弁護士会の照会等を利用しなければなりません。
そうなると、弁護士費用等もかかってしまいます。

ただ、ホームページに予約後のキャンセルは
キャンセル料がかかるということを
記載しておくなどによって
まともなお客はキャンセルしなくなると思いますので
一定の効果は期待できると思います。
( 2018/03/13 00:00 ) Category 債権回収(貸金、売掛金、損害賠償) | トラックバック(-) | コメント(-)

第287回 民法の債権法に続いて相続法も改正 

個人間の紛争や
個人と会社の紛争、会社間の紛争など
いわゆる民事事件の解決の基本となる
民法の債権法が改正されたのは、
昨年のことです。
施行は、平成32年4月1日です。
(そのときは平成ではなくなっていると思いますが)

ということで、弁護士としては
改正法を勉強しないといけないわけです。
そう思っていたら、
相続法の改正案が国会に提出されたようです。
裁量労働制などの問題があり
今国会で改正法が可決されるかどうかは
わかりませんが、
債権法に続いて
相続法も変わることとなります。

債権法、相続法と言っていますが
どちらも、民法という法律の一部で、
債権法や相続法という名前の法律はありません。

民法の債権に関する分野の法律を
「債権法」と呼んでいて
民法の相続に関する分野の法律を
「相続法」と呼んでいます。

ここで、債権(さいけん)というのは、人や会社に対する請求権のこと
を言います。
裁判のほとんどが、人や会社に対する請求権の問題ですから
ほとんどが債権法の問題となります。
大学に入学してから法律を勉強して34年間。
もちろん、司法試験のために勉強したのも
今の民法で、
仕組みや制度、結論、判例等の考え方は
身に付いています。
それが変わるとなると、
なかなか慣れるまでは大変です。

まだ施行まで、2年あるので勉強すれば何とかなりそうですが
しかし、その施行までの2年間は、
これまでの法律が適用になるところが
曲者です。

この民法改正は
債権法だけでも大変なのに
続いて相続法までも変わるということです。

みなさんのお役に立てるよう
頑張って、改正法を勉強することにしたいと思います。

改正法施行までにお話ししても
実際には適用されないので
改正法が施行されたら
改正法についてお話をしたいと思います。
( 2018/03/06 00:00 ) Category 相続・遺産分割 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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