弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第299回 破産前の財産隠しは犯罪です。 

破産する際に、
債権者に全て財産を渡してしまうのは惜しいし、
破産後はしばらく収入が無くなってしまうだろうから
少しでも財産を手元に残しておきたい
と思うのは、仕方のないことだと思います。

しかし、それをしたら、破産法違反として
刑事罰を受けることとなります。

また、破産の目的は、破産手続後は
借金などの債務を返さなくてよいという
免責決定を得ることにありますが
免責もでなくなってしまいます。

報道によると、
家電通販サイトの運営会社社長が
破産法違反の罪で懲役3年の実刑判決を
受けました。
理由は、破産手続開始前に
1億1000万円を引き出して隠したうえに
破産管財人に自分の預金口座から引き出した
1890万円について知人に返済したと
嘘の説明をしたということです。

破産をすると、
これまで築いた財産を失うことにはなります。
しかし、借金や支払いもしなくてよいこととなります。
財産を隠したい気持ちはわかりますが
それは、刑罰を受けたり、免責が受けられなくなったり
と自分のためにもなりません。
破産する方は、くれぐれも注意してください。


( 2018/05/29 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第298回 会社設立費用中5万円は裁判官、検察官の天下り費用? 

みなさんの中には
会社を設立したことがある人は
どれだけいるでしょうか。

株式会社を設立するのにどれだけお金がかかると思いますか?
株式会社を設立する際に必要なお金は
1円と答えられた方もいるかもしれません。

しかし、それは株式会社の資本金が1円というだけで
それだけでは株式会社を設立することはできません。
株式会社を設立するには、
設立登記をする必要があります。
それにかかる費用が15万円。
その他に、定款という株式会社のルールを
公証人に認証をしてもらう必要があります。
その費用が5万円。

したがって、会社設立には
20万円はかかることとなります。

日経新聞の記事を見たところ
この定款認証費用を削減するために
公証人の認証制度を廃止しようとした
議論があったそうです。

しかし、法務省が
公証人の認証制度が廃止されれば
暴力団等の反社会的勢力が隠れる法人が
増えかねないと反発して
認証制度は廃止されなかったようです。

公証人の定款認証がなぜ必要なのか
説明できる人はあまりいないと思います。
今後定款認証の際に
実質的支配者が反社会的勢力でないことを申告させるようにする
らしいですが、
これまでは、そのような制度はなかったので、
認証制度を廃止させないために
この申告を設けたのではないかと勘ぐってしまうくらいです。
そもそも、そのような申告制度を設けたとしても
名義貸しなどにより潜脱は簡単になされてしまいそうだからです。

本気で、反社会的勢力が株式会社を持てないようにするのであれば
反社会的勢力は、株式を持てないようにし、取締役にもなれないと
法律で定めて、
その取締役を警察がするという方法しかないと思います。

定款認証で、チェックするというのは
あまり意味がないことで、
その手続に5万円も費用を取るのは
無駄だと思います。
僕が言ったところでどうにもなりませんが。。



( 2018/05/22 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第297回 ビットコインを始めとする仮想通貨の相続問題 

昨年は、ビットコインを始めとする仮想通貨の中には
購入した金額よりも20倍になるものも現れ、
億の利益が発生した方もいるようです。
億の利益が発生した方は
「億り人」などと呼ばれていたようです。

仮想通貨は、法律上の位置づけが
曖昧ではありますが
譲渡した利益には課税されますし
相続税も課せられることから
財産として取り扱われることになります。

そこで、
ビットコインを始めとする仮想通貨も
相続の対象となります。

しかし、ここで問題なのは、
仮想通貨は、公開鍵と秘密鍵で
取引をして、秘密鍵を持っている人が所有者となる仕組みに
なっているようです。
そして、この秘密鍵は、暗証番号のようなものなのですが
通常は、スマホ等で使用しているアプリの中で管理されており
暗証番号のように持ち主が1回1回入力することはありません。

スマホ上でアプリを使用することによって
秘密鍵の認証を行っています。

ここで、仮想通貨の使用者が亡くなってしまった場合
相続人は、スマホのパスワードを知らなければ
スマホを起動できません。
そうなると、当然スマホ内にある仮想通貨のアプリも
使用できませんから
秘密鍵の認証を行うことができません。

そうなると、せっかく仮想通貨により
一財産を築いていたにもかかわらず
相続人がその仮想通貨を使用できないということに
なってしまう可能性があるのです。

使えないだけならまだしも
国税庁は、仮想通貨について
相続人がパスワード(秘密鍵)がわからない場合でも
相続税を課すと言っています。

どういうことかというと
相続人は秘密鍵がわからないから使えないにもかかわらず
相続税は課されるということです。

仮想通貨の相続のことを考えると
秘密鍵かスマホのパスワードを
相続人になるかもしれない人に
教えておく必要があるかもしれません。

しかし、仮想通貨の秘密鍵を教えてしまうと
その相続人になるかもしれない方に仮想通貨を処分されてしまう可能性もあります。
スマホのパスワードを教えてしまえば
中を見られてしまい、パスワードをかけている意味も無くなってしまいます。

死ぬ間際に教えようと思っても
事故等で亡くなってしまう場合は
伝える暇はないですからね。

仮想通貨で、一財産を持っている人は
相続について対策をしておいた方がよいと思います。
以上のことから、仮想通貨の相続はなかなか難しい問題があります。

( 2018/05/15 00:00 ) Category 相続・遺産分割 | トラックバック(-) | コメント(-)

第296回 相続放棄は3カ月以内に(相続3) 

ゴールデンウイーク中は、
面白い事件や判決がなかったことから
今回も相続のお話しです。

前回準確定申告の話をしてしまいましたが、
その前に、相続放棄をする場合は
相続を知ってから3カ月以内に
相続放棄をしなければなりません。

相続放棄というと
世間一般では
遺産分割協議書で遺産を取得しないと合意する場合も
相続放棄と言われています。

しかし、正式な相続放棄は
家庭裁判所に相続放棄の申述書という書面を提出して
する必要があります。

この相続放棄をした場合は
被相続人の借金などの負債を相続しなくて済みます。
逆に、相続放棄をしてしまうと、被相続人の財産は一切相続できなくなります。

相続放棄は最初から相続人にならなかったとする制度で
プラスの財産のみを相続し
マイナスの負債を相続しないという
都合のよいことはできませんので
その点は誤解のないようにしていただけたらよいと思います。

相続放棄をする場合、相続放棄の前後で、
被相続人の財産を処分してしまうと
相続放棄ができなくなってしまったり
相続放棄が無効となってしまったりしてしまいますので
注意が必要です。

また、被相続人と離れて暮らしていた場合
被相続人にどんな財産があって
どんな負債があるのか
3カ月ではわからない場合もあります。

その場合は、相続を知ってから3カ月がたたないうちに
家庭裁判所に申立をして、相続放棄をする期間を伸ばしてもらうことができます。
これは、「熟慮期間の伸長」と呼ばれています。


( 2018/05/08 00:00 ) Category 相続・遺産分割 | トラックバック(-) | コメント(-)

第295回 確定申告をしていた人が亡くなったら準確定申告(相続2) 

以前、人が亡くなったら、死亡届を出すというお話をしました。

今回は、準確定申告の話をします。
人が亡くなったら、相続税の申告の心配をする方は
多いと思います。

しかし、その前に、準確定申告という亡くなった方の所得税の申告を
する必要があります。
期限は亡くなったことを知ってから4カ月以内となります。

準確定申告をしなければならない人は
亡くなった方(被相続人)が生前に確定申告をしていた場合の相続人となります。
確定申告をしている人は、
自営業の方、アパートやマンションを賃貸している方、複数から所得を得ている方、
年収が2000万円を超えている方などです。

亡くなった方が税理士に依頼していた場合は
生前に依頼していた税理士に依頼するのが
事情をわかってもらえているので、
一番よいと思います。

亡くなった方が税理士に依頼せず
自分で申告していた場合は
通帳や請求書から収入を把握して
領収書やカードの明細から経費を割り出して
申告しなければならないので
結構、4カ月以内に申告するのは大変です。
本人が亡くなって、悲しんでいる暇はない
かもしれません。

どのような収入や支出があったかは、前年度の確定申告書等も
参考にするのがよいかもしれません。
過去の確定申告書やそれに関する資料は
亡くなった方の遺産を把握する上でも役に立ちます。
パソコンの中に、これらの情報が入っているかもしれませんので
チェックが必要となります。





( 2018/05/01 00:00 ) Category 相続・遺産分割 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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