弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第308回 生まれる前に親子のDNA鑑定が容易に 

日経新聞の記事によると
妊娠中の女性の胎児の父親が誰かを
妊娠の初期からDNAで鑑定できるサービスがあるそうです。

複数の男性と関係を持って妊娠してしまった女性が
どちらの男性の子供なのかを確認するために利用する
と考えられますが、
逆に、女性が男性から自分の子なのかと疑われたときに
男性との子であることを証明するためにも利用することが
考えられます。

現実には、以下のようなケースがあり
このようなケースの解決に役に立ちそうです。

女性が過去に関係を持った男性に対し、
妊娠したから、中絶費用と慰謝料を請求し
それを支払ってくれないのであれば
子供を産んで認知を請求し、
養育費等を請求すると要求します。

これまで男性は、関係を持った回数の少なさや
女性が他にも関係を持った男性がいると
疑いがあっても
子供が生まれてしまい、
自分の子供だとすると
大きな責任が発生してしまいますから
要求を呑まざるを得ないことになりがちでした。

しかし、妊娠初期でも、DNA鑑定により、
親子関係がはっきりするのであれば
疑いがある場合は
この鑑定を利用して、親子関係を確認してから
結論を出すことが可能となります。

ただし、鑑定を強制することは難しいので
女性が鑑定を拒否した上で
女性を疑い中絶費用や慰謝料を支払わないのであれば
子供を産むと主張された場合には、
鑑定を拒否するくらいだから
嘘だということを前提に
支払わないとするかどうかは
微妙ですね。

でも、妊娠初期に父親かどうか親子の鑑定が容易にできる
ということは、画期的だと思います。
費用は、ちょっと高く、15万円~20万円だそうです。
( 2018/07/31 00:00 ) Category 離婚 | トラックバック(-) | コメント(-)

第307回 てるみくらぶ社長が詐欺で懲役6年の実刑に 

格安旅行会社のてるみくらぶの経営が破たんして
1年以上が経ちましたが、
みなさん、覚えていらっしゃいますか?

旅行会社にチケット代やホテル代を前金で支払っていたのに
会社が経営破たんしてしまい
現地のホテルや航空会社にお金が支払われておらず
顧客がホテルにも泊まれないし、飛行機にも乗れなくなった
というひどい話です。

その社長が詐欺で有罪となったという話を聞けば
みなさんも、それはそうだと納得するとは思います。

しかし、てるみくらぶの社長が詐欺で有罪となったのは
顧客を騙したことではありません。
銀行に対し、嘘の決算書を見せて、融資を受けたということです。
また、役員報酬1000万円を受け取っていたことを破産管財人に
隠していたということで、有罪となっています。

したがって、てるみくらぶの社長は
銀行に嘘の決算書を見せたり、役員報酬を受け取ったことを
隠したりしなければ、
詐欺罪などで刑罰を受けることはなかったということになります。

みなさんは、約束違反があると、騙されたから詐欺だと思うことが
多いでしょうが、
実際は詐欺となるケースは少ないんです。

てるみくらぶの社長が詐欺罪などで有罪とになりましたが
顧客からお金を取ったけれどもホテルや飛行機代を支払わなかったことについては
刑事責任を問われていないということを知っておいていただければと思います。

( 2018/07/24 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第306回 自筆の遺言書がある場合はすぐに検認の申立の義務があります(相続4) 

被相続人の自筆の遺言書があった場合
保管者や発見者は、
被相続人が死亡して相続が発生していると知ったときは、
遅滞なく、遺言書の検認を家庭裁判所に申し立てる必要があります。

遺産は、被相続人の自筆の遺言で
全部自分のものだと喜んではいられないのです。

この検認という手続きは
遺言書の偽造を防ぐために
裁判所が、遺言書の状態や内容を確認して
保存をする手続きということとなります。
遺言書や封筒をコピーして
検認調書という形で書類として残すこととなります。

自筆で作成された遺言書を自筆証書遺言と言いますが、
この自筆証書遺言は、
家庭裁判所の検認を受けないと
被相続人名義の預金を下ろしたり
不動産の名義を変更したりすることが
できません。

検認の際には、被相続人の生まれてから亡くなるまでの
戸籍と被相続人の相続人の戸籍を提出する必要があります。
被相続人の相続人全員が裁判所から呼び出し状を受け取るので
遺産を全部一人で相続することとなったことを
他の相続人に知られることにもなります。

まあ、遺産分割の話をずっとしなければ
他の相続人から遺産はどうするという遺産分割協議の申し入れがあれば
自分一人に遺産を相続させるという遺言があると相手に言わなければならないので
同じかもしれませんが。

自筆証書遺言は検認が必要ですが
公正証書遺言の場合検認は不要です。

公正証書遺言で遺産を全部相続させると書かれてあれば
その遺言書の正本を持って銀行に行けば
預金を全部下ろして自分のものにできますし、
不動産の名義も変更することが可能です。
(戸籍謄本や除籍謄本など必要書類を合わせて
用意することは必要です)

そういう意味では、公正証書遺言は作るのは
面倒だし、費用がかかりますが
被相続人が亡くなってからの手続きは
検認が不要な分公正証書遺言の方が便利です。

自筆証書遺言は、紛失、焼失、破損、汚損等により
無くなってしまうと、効力が無くなってしまうし
全文自筆で、日付が書かれていて、本人の署名捺印があることが
要件ですが、その要件が欠けていても無効になってしまうことから
遺言書を作成するなら
公正証書遺言を作成することをお勧めします。
( 2018/07/17 00:00 ) Category 相続・遺産分割 | トラックバック(-) | コメント(-)

第305回 個人の約半数が投資信託で損失 

日経新聞によると
金融庁が
投資信託を販売する銀行に対し行った調査で
何と、顧客の約半数である46%が損を抱えていることが
わかったそうです。

ここ数年はアベノミクスや世界的株高などで
投資をしている顧客の多くが儲かっていても
おかしくはありません。
そこで、投資をしている人はみんな儲かっているのではないか
と思っていました。

ところが、金融庁の調査によれば
約半数は損をしている。
しかも、その原因は手数料の高さや
短期売買により十分な収益を得られていない
ということにあるようなのです。

僕のコラムを読んでいる人は
投資に詳しい人が多いと思いますので
手数料の違いが投資成績の違いになることは
十分にわかっていると思います。

しかし、銀行の手数料が投資資金の何パーセントなのか
他の商品と比べて、手数料が高いのか安いのか
ということをあまり気にせず投資をしている人が
多いのではないかというのがこの記事を読んだ感想です。

個別行では、平均の運用損益率がマイナスの金融機関もあった
ということです。
これは、その銀行の投資信託を買うと損をしてしまうということになります。

このような記事を読んでしまうと
投資信託を勧められても
買う気はしませんよね。
銀行で、投資信託を勧められた場合は
ご注意ください。


( 2018/07/10 00:00 ) Category 投資 | トラックバック(-) | コメント(-)

第304回 2022年の4月から18歳で成人となります。 

2022年4月1日から18歳で成人となります。
ただし、お酒やギャンブルは
20歳にならないとできません。

では、18歳で成人となると何ができるようになるのでしょうか。
一足先にできるようになった選挙ができるようになります。
それから、結婚ができるようになります。
これまでも18歳で結婚することは可能でしたが
親の同意が必要でした。
これからは18歳になれば親の同意なしに結婚できるようになります。
女性の結婚は16歳から可能でしたが
法改正により親の同意があっても16歳では結婚はできなくなります。

親の同意がなくても、契約を結ぶことができるようになります。
逆に言うと、これまでは騙されても親の同意がない場合
取り消すことが可能でしたが
これからは、18歳以上が結んだ契約は親の同意がなくても有効なので
取り消すことが難しくなります。

これがかなり問題となることが予想されます。

これまでは、20歳になると
酒、たばこ、ギャンブルができるようになる代わりに
契約は取り消せなくなるし、責任は重くなることが
大人(成人)になることだということで
わかりやすかったですが
2022年からは
大人になることは
契約上の責任は重くなるけど
お酒は飲めないし、
たばこもギャンブルもできないということで
何のための成人かよくわからない
ということになります。

しかし、
これまで成人式は、お酒を飲んでお祝いをしてきたけれども
お酒は飲めないし、
18歳の1月に成人式を行うと
大学受験で、それどころではない
ということにもなりそうです。

法律が変わればそれに合わせた
成人式や成人となる意味は
出てくるとは思いますが
昔の成人からすると
何のための成人なのかなと
心配してしまいます。

ちなみに世界的には
18歳で成人だそうです。





( 2018/07/03 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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