弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

今週はお休みをいただきます。 

今週は夏休みをいただいています。
また来週からよろしくお願いします。
( 2018/08/28 00:00 ) Category 未分類 | トラックバック(-) | コメント(-)

第311回 難しい老朽化マンションの建替問題 

東京都が老朽化マンションの建替えを促すために
不動産会社が老朽化マンションを買い取れば
他の場所に建てるマンションの容積率を上乗せする
という制度を創設するそうです。

老朽化したマンションの建替え問題は
そのマンションがある地域の土地の有効活用や
安全性、防災という問題とも絡んで
解決しなければならない
社会問題の1つです。

今回の東京都の政策は
建替える不動産業者にあめを与えて
マンションの建替えを促進しようとするものです。

しかし、これだけではなかなか建て替えは進まないと思います。
そもそも、不動産業者は老朽化マンションの建替えについては
あめなどをもらわなくても
建替えをしたいのです。

建替えのできない主な理由は、
建て替えに必要なマンション所有者の5分の4の賛成を取れないからなのです。
なぜ、マンション所有者は建て替えに消極的なのかと言えば
マンション所有者もマンションと共に高齢化しており
自分の人生があとわずかなのに
そのために、多額のお金を出して建替えたりしたくないということです。
建替えのためのマンションを不動産業者が買い取る方法もありますが
そうなると、マンション所有者は住み慣れた街から引っ越しをしなければならなくなります。
高齢者の方ほど、これまで住んでいた知り合いや友人がいて、
自分が慣れている街に住みたいと思うものです。

マンション所有者の高齢化により
建替える資金の問題と住環境の問題とが
マンションの建替えを阻んでいるのです。

今回の老朽化マンションを買い取った場合は、
他の場所に建てるマンションの容積率の上乗せが可能となる制度は
建替える資金を不動産会社が負担するという意味では
マンションの建替えを促進することとなるかもしれません。
しかし、高齢化したマンションの所有者は、
マンションを売却してしまえばそれまでの居住環境を変えることになってしまうことから
なかなかマンションの売却には賛成しないと思います。

これについては、
例えば、マンションの建替えのためにマンションを売却した所有者には、
入居が難しいとされている老人ホームや介護施設に入居できる権利が得られるとすれば
高齢化したマンション所有者が不動産業者に老朽化したマンションを建替えのために
売却しようという積極的な動機になると思いますが
いかがでしょうか。




( 2018/08/21 00:00 ) Category 不動産 | トラックバック(-) | コメント(-)

第310回 改正相続法が成立 

民法が取引に関する債権法が改正されたのに続き
相続法も改正されました。

この改正相続法、公布の日(平成30年7月13日)から
1年以内に施行されることになっていますから
来年の今ごろには施行されていることになります。
配偶者の居住権や自筆証書遺言の公証役場の保管などは
公布の日から2年以内となっていることから、
これらは来年には施行されないと思います。

改正相続法が施行されてから亡くなった相続に
新しい相続法が適用されることになります。

改正相続法で、変わった主な点は、
以下のとおりです。

1 配偶者の居住権の保護
2 配偶者への贈与等の持ち戻し免除の推定
3 遺産の仮払制度
4 遺産分割前に遺産を処分した場合の遺産の範囲
5 自筆証書遺言の方式の緩和
6 遺言執行者の権限の明確化
7 自筆証書遺言の公証役場での保管
8 遺留分の金銭による請求
9 遺言による相続の登記
10 相続人以外の者の貢献についての金銭請求

上記の10個が法務省のホームページに掲載されている
主な改正点となります。

一つ一つについては
また詳しく説明していきたいと思います。
( 2018/08/14 00:00 ) Category 相続・遺産分割 | トラックバック(-) | コメント(-)

第309回 ポーラHDの株を巡る相続の訴訟は、印紙代だけで1.7億円 

週刊ダイヤモンドなどの記事によると
化粧品大手のポーラ・オルビスホールディングスの株を巡って
相続に関する訴訟が起こされたようです。

訴訟の内容は、
現社長が保有するポーラHDの株(約4191万株)が
亡くなった現社長の叔父さんの遺産であること、
したがって、叔父さんの配偶者である妻が法定相続分に従い4分の3相続したこと
の確認を求めるというものです。

週刊ダイヤモンドの記事によれば、
過去に、叔父さんの遺産486億円を巡って
叔父さんの奥さんと現社長らは、約100件もの訴訟を争った結果
和解したそうです。
しかし、叔父さんが所有していたグループ会社の株の譲渡契約書を
現社長がねつ造したという内部告発があって、
叔父さんの奥さんは、グループ会社の株式の譲渡契約が無効であるから、
ポーラHDの株は叔父さんのものであって、
当然叔父さんの奥さんが相続している
という訴訟を起こしたということです。

現社長側は、一度和解していることから、
訴訟では争えないという主張をしているようです。

一度和解してしまうと、
後で訴訟で争えなくなるのが原則です。

しかし、奥さんからすれば、
本件の株式については現社長の株式譲渡契約書のねつ造により
遺産であることがわからなかったこと、
元々の遺産が486億円であるのに対し、今回問題となっている株式は
1615億円と元々の遺産額の何倍もの問題であることからすれば
和解の対象とはなっていないということだと思います。

遺産だとわからなかった原因が相手の契約書の偽造にあるということであれば
奧さんの方の主張も十分通る見込みはあると思います。

裁判所がどう判断するか注目ですね。

元々の遺産が486億円で、それを巡って
100件も訴訟が起こされたのもすごいですが
1件でその3倍以上もの金額である1615億円もの遺産を巡っての訴訟は
486億円がちっぽけに思えるくらいすごいですね。

裁判所に納める印紙代だけでも
1億7000万円だそうです。

ちょっと、僕はそこまで大きな訴訟はやったことがありません。
弁護士費用はいくらくらいなのでしょうね。




( 2018/08/07 00:00 ) Category 相続・遺産分割 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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