弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第319回 偽弁護士ドラマSUITS 

刑事事件以外の弁護士のドラマが
最近多くなってきました。
そのせいか、今回は、普通の弁護士ではなく
弁護士資格を持たないけれども
類い稀なる記憶力を生かして弁護士になりすました
いわば偽弁護士が主人公のドラマが登場しました。

そのドラマは「SUITS」。

第3回までを見た限り、
類い稀なる記憶力を武器に
事件を鮮やかに解決するわけでもなく、
弁護士資格を持つけれどもあくどいボスに対し、
弁護士資格を持たないけれども正義感を持って事件に挑む
主人公というわけでもなかったように思えました。
なぜ普通の新人弁護士でなく
偽弁護士を主人公にしたのか
僕には、今のところ、よくわかりません。
「なりすまし」というところが
新しい切り口なのかもしれませんが。

アメリカでヒットしたドラマが原作だそうです。

興味のある方は、ご覧になられてはいかがでしょうか。


( 2018/10/30 00:00 ) Category 話題の裁判・事件 | トラックバック(-) | コメント(-)

第318回 相続分の無償譲渡は生前贈与とする最高裁判決が出されました 

相続分の無償譲渡と言われてピンと来る方は
なかなかいないかもしれません。

相続をすると、各相続人は法定相続分が決まっており
それに従って相続財産(遺産)を取得することができます。

この相続財産を取得できる割合を相続分といいますが
この相続分は、共同相続人にも
相続人でない第三者にも譲渡することが可能なのです。

相続人でない第三者は、相続分の譲渡を受けると
相続人ではありませんが遺産分割協議に参加することとなります。

今回の裁判は
父親の相続の際に、母親が持っている相続分を
子供の1人に譲渡されたケースで、
その後、母親が亡くなって、母親の相続で、
父親の相続のときに母親の持っている相続分の無償譲渡を受けたことは
特別受益だから遺留分の対象となるとして
起こされたものです。

この場合、
もともと子供は相続人ですから
相続財産を取得する権利はあるのであって、
遺産のうち、どの遺産を誰が取得するかは
遺産分割協議で決まることになります。
そこで、相続分の無償譲渡を受けた子供は
相続分を無償で譲り受けても、生前贈与に当たらず
特別受益には当たらないと主張しました。

しかし、最高裁は、
確かに、相続分の譲渡は具体的な財産ではないけれども
相続分の譲渡を受ければ、
それに従って相続財産から受け取れる財産が増えるのだから
経済的利益が移転したことになり
生前贈与にあたると判断しました。

遺産分割協議で相続分の無償譲渡が利用されることは少ないと思いますが
相続分の無償譲渡がなされた場合は
次の相続で、特別受益の主張が可能ですので
覚えておいても損はない判決だと思います。

( 2018/10/23 00:00 ) Category 相続・遺産分割 | トラックバック(-) | コメント(-)

第317回 マリオカート訴訟は任天堂が勝訴 

大分前になりますが、
スーパーマリオなどの衣装を貸し出し、
一般道を走るカートを外国人観光客等に貸し出している
会社の行為を任天堂が差し止めを請求し
損害賠償を請求する訴訟が起こされました。

この度判決が出され
任天堂が勝訴しました。
判決文が公開されていないので
どういう点が争点で
それについて、裁判所がどう判断したかは
わかりません。

任天堂の著名な商品、あるいはサービスに類似していることから
不正競争防止法に違反すると判断されたようです。

マリオカートという名称(商標権)の侵害や
著作権の侵害は認められなかったようです。

マリオ等任天堂のキャラクターの衣装を貸し出すことを
禁止されたようですが、
キャラクターの衣装の貸し出しは
任天堂の著作権を侵害するということで
差し止めが認められたのか
任天堂のサービスとして誤解を与えるということで
差し止めが認められたのか
よくわからなくて残念です。
報道では、著作権侵害は認められなかったとされているので
キャラクターの衣装の貸し出しの差し止めは、
著作権侵害を理由とするものではなかった
と思われます。

そうだとすると、逆にキャラクターの衣装(いわゆるコスプレ)のレンタル自体は
合法なのかという疑問も湧いてきますが
これらの点については
残念ながら報道では書かれていません。

判決文が判例集などで公開されたときには
また取り上げたいと思います。
まだ、第一審なので
控訴される可能性もあります。
控訴審判決が出たりすれば、また取り上げたいと思います。



( 2018/10/16 00:00 ) Category 企業法務 | トラックバック(-) | コメント(-)

第316回 貴ノ岩が元日馬富士に2400万円の損害賠償請求 

昨年、話題になった横綱日馬富士の暴行事件による横綱引退。
もうみなさんは、忘れかけていたのではないでしょうか。
元横綱日馬富士に対しては、刑事事件では、罰金刑が確定しています。

その後、貴ノ岩が元日馬富士に対し損害賠償請求をし、
調停を行っていたようです。
調停というのは、裁判所を間に挟んでの話し合いです。
したがって、裁判と違って、裁判所が判決を出してはくれないことから
当事者間で合意できなければ解決しません。

この話し合いでは合意ができず、
今回、貴ノ岩が元日馬富士に対し
損害賠償請求訴訟を起こしたということです。

その額、約2400万円。

刑事事件では、全治12日間のケガという診断書に基づいて
罰金刑が科されたようです。
これに対し、貴ノ岩は全治1カ月かかったということに基づき
損害賠償請求をしています。
治療期間が12日か30日かの差がありますが
それにしても通常の傷害事件の損害賠償請求としては
かなり高い印象を受けます。

傷害を理由に損害賠償請求をする際には
治療費、治療期間中の慰謝料、治療期間中に働けなかったことによる損害(逸失利益)、
後遺症がある場合は後遺症の損害と後遺症慰謝料を請求するのが一般的です。

報道によれば、治療費430万円、慰謝料500万円、治療期間中に受け取れなかった懸賞金900万円
を損害として主張しているようです。
懸賞金は、どういう計算根拠かわかりませんが、
治療期間が30日であっても、慰謝料と治療費としてその額は認められないのではないかと思われます。

貴ノ岩の起こした訴訟は、一説によると貴乃花親方の意向だと言われています。
相撲協会のあり方について、意見の違いから
貴乃花は相撲協会を退職したようです。

今回の訴訟上の請求が通る見込みが高いということであれば
訴訟を起こした意味があるでしょうが、
あまり通らずに、単に金額を吹っ掛けただけと思われてしまっては
訴訟を起こした意味はなく、かえって貴乃花や貴ノ岩の評価を下げるマイナスになるのではないでしょうか。

それでも、弁護士が就いて訴訟を起こしたのですから、それだけの損害を被ったことを証明できる
秘策があるということなのでしょうか。

単に吹っ掛けただけと言われないような結果が出ることを祈っています。






( 2018/10/09 00:00 ) Category 損害賠償請求 | トラックバック(-) | コメント(-)

第315回 平尾昌晃の著作権収入約60億円を巡る遺産相続争い 

作曲家平尾昌晃さんの
今後50年間で約60億円という著作権収入を巡って
争いが起きているようです。

通常、遺産相続争いと言えば、
どの遺産を誰がどれくらい相続するのか、
あるいは、
遺言が書かれているけれども有効なのか無効なのか
有効だとすれば他の相続人には遺留分が認めれるか
ということが争われます。

ところが、本件では、
会社の代表者の選任方法などが争われているようです。
なぜかと言えば、
平尾さんの著作権を管理し、著作権収入を得ているのは
平尾昌晃音楽事務所という会社であって、
その平尾昌晃音楽事務所の過半数の株を持っているのも
別な会社だからです。

これら2社の株を誰がどれくらい持っているのか
誰が代表取締役をやるかで、
著作権料収入をどうするのかが決まってくることとなります。

そこで、平尾昌晃さんの二男の方は
平尾さんの後妻さんが代表取締役に選任されているのは
適正な手続きに基づいていないので無効だという主張をしているようです。

平尾さんは作曲家ですが
一般の方でも、アパートやマンション、貸しビルなどを
会社所有にしている方も多いです。
その場合、会社の株を過半数押さえて
その会社の代表取締役になれた相続人が一番得をすることになります。

その場合は、遺産争いなのだけれども
会社を巡る争いという形を取ることとなります。

( 2018/10/02 00:00 ) Category 相続・遺産分割 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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