弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

今週はゴールデンウイークなのでお休みさせていただきます。 

また来週からよろしくお願いします。
( 2019/04/30 00:00 ) Category 未分類 | トラックバック(-) | コメント(-)

第343回 システム開発失敗で127億円の損害賠償請求 

日経コンピュータの記事によると
食品卸最大手の三菱食品は
システム開発大手TISインテックグループのインテックに対し
委託した管理システムが完成しなかったことを理由として
何と127億円の損害賠償請求を求めて
訴訟を起こしたそうです。

システムは、三菱食品とその取引先3000社の
ビジネスルールの管理を目的とするものでした。

数が多いので、1年かけて3000社のルールを管理していく
予定だったようですが、
遅れて、当初の予定には到底間に合わないということで
契約を解除して、127億円の損害賠償請求をすることにしたようです。
その損害の内訳は
委託先のインテックに支払った委託料約30億5000万円
インテック以外の企業への支払い分約26億円
旧システム維持に必要な利用料約70億円
だそうです。

三菱食品からすれば、新システムができなかったのだから
新システム開発のために支払った費用は全部無駄になったということはわかります。

しかし、委託先のインテック以外に、
システム開発に必要な費用を26億円も支払っていた
ということです。
これが役に立たなくなったとして損害となるのかどうかは微妙ですね。

新システムが開発できていれば払う必要がなくなったはずの
旧システム維持に必要な利用料70億円も
認められる可能性もあるし
認められないかもしれないというものです。

これに対し、インテック側は、
開発したものは品質を確保していた、
システム資産が肥大化して管理できないため
取引先を移行するための調査が難航したことが
原因で、失敗の原因が三菱食品にある
と主張しています。

システム開発については
注文主の発注の仕方が明確であったか
途中での変更があったかなど注文主の原因が問題となることが
多いですが、
今回の受託者であるインテックの
システム資産が肥大化して取引先を移行するための調査が難航した
というのは、
注文主に原因があったと言えるのかこれだけの主張ではよくわかりません。
システム開発の専門業者である受託者側で最初からそれくらい
わかるのではないかという気もします。

仮に、受託者に過失があったとしても
損害が全部認められるのかという点も問題となります。

大手同士の巨額の損害賠償請求訴訟ですが
さて、結果はどうなるでしょうか。









( 2019/04/23 00:00 ) Category 企業法務 | トラックバック(-) | コメント(-)

第342回 先祖代々のお墓をどうするか? 

日経新聞によると
墓石解体業がビジネスになっているそうです。

墓石の解体は、
今までの古くなった墓石を新しいものに変えるケースもありますが
現在は、そのようなケースよりも
「子供にお墓を引き継げないので墓じまいをしたい」
というケースが増えているようです。

子供から見れば、自分の両親が入っているお墓1つだけであれば
面倒も見るでしょうが、
両親が、先祖から受け継いだ墓も、しかも、そのお墓は遠方にあるなどとなると
子供たちがお墓を見るのは大変になります。

実際、僕もお墓を継ぎたくないという相談を受けたり、
お墓をどのように処分するかが問題となる相続事件を受任したりしました。

このような事情から、墓石解体業ビジネスが
流行っているということのようです。

ただし、墓石の処分を請け負った業者が
不法投棄をするケースもあるようです。

墓じまいの契約をする場合には
契約相手が
実際にどのように処分をするのか確認してから
契約を結ぶ必要があると思います。
( 2019/04/16 00:00 ) Category 相続・遺産分割 | トラックバック(-) | コメント(-)

第341回 土地のマイナス入札 

このコラムでも何回か書きましたが
以前、不動産は持っていれば必ず価値があるプラスの財産と
考えられていました。
しかし、今では、「負動産」などと呼ばれ
持っているとマイナスでしかなく
放棄したい、手放したいと言われるものもあります。

今回は、それが数字で表れたというお話です。
みなさんは、「マイナス入札」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
入札というのは、買受人を一定の期限を定めて募集し、一番高い値段を付けた人に売却するという
売却方法です。
「マイナス入札」というのは、購入希望代金がマイナスでも売却するという
入札です。

例えば、土地の上に老朽化した建物が建っている場合、
建物の解体費用が土地の価格を上回るような場合
土地は欲しいけど、建物を解体する費用を自分で出さないといけないならば
購入してもマイナスになってしまうので、誰も買わないということになります。
具体的には、土地が1000万円であるのに対し、
その土地上の鉄筋コンクリートの建物を解体するのに
2000万円かかるという場合、
土地を1000万円で買うとすると、あとで解体費用2000万円を払う必要があるので
1000万円の土地を3000万円出して買うのと同じこととなります。
土地建物を無料でもらっても、あとで2000万円を支払う必要があるので
マイナス1000万円となってしまいます。

そこで、入札する際に、マイナス1000万円、即ち、売った者が買った者に1000万円を支払うことで
土地を引き取ってもらうのがマイナス入札です。
土地建物の所有者は、解体費用2000万円を全額支払わずに済むし、今後建物の保守管理の費用もかからなくて
済むようになります。
特に、市町村が所有者であった場合、民間人が購入すれば、固定資産税が入ってくることとなります。

このように、お金を払っても、買い取ってもらえばメリットがある場合には
マイナス入札が行われることになります。

不動産は必ずプラスの財産となると思われていたことから
考えると、時代は変わったということになるのかもしれません。
( 2019/04/09 00:00 ) Category 不動産 | トラックバック(-) | コメント(-)

第340回 弁護士が弁護士に懲戒請求したことを理由に懲戒された 

弁護士会に、特定の弁護士について
罰を与えることを求めることが
懲戒請求となります。

通常は、依頼者や相手方が弁護士に対し
懲戒請求を行うことが多いのですが
最近は、
以前テレビで弁護士の懲戒請求が取り上げられたことから
懲戒請求制度が一般の方に知られるところとなり
全く関係のない一般の方が弁護士を懲戒請求をすることも
あります。

今回は、弁護士が弁護士に対し懲戒請求したところ
その懲戒請求を理由に懲戒請求を受け、
懲戒となってしまったというお話です。

ある弁護士Aが相手方弁護士Bの調停時の発言を巡り
懲戒の請求をしました。
その内容は「Aが妻を一方的に攻撃した」などとする内容だったそうです。

B弁護士は、これに対し、「Aが妻を一方的に攻撃した」などとする内容は
事実で、Bに対する懲戒の請求は不当だから
Aを懲戒すべきとAについて逆に懲戒請求をしたのです。

最終的に、弁護士会は、Bの発言を事実と認め、
それにもかかわらず、
Bに懲戒請求をしたAを懲戒処分としました。

弁護士は、通常、依頼者の意向に沿って主張をするものなので
自分に不都合な発言を弁護士がしたからと言って
それは弁護士の職務上の行為なので
いちいち弁護士の責任を問わないのが
普通です。
しかも、本件においては、自分に不都合な発言は事実であって
相手方のB弁護士の主張は正しかったということなので
なおさらです。

A弁護士も弁護士なので、B弁護士の主張は仕事上依頼者のためになされたもの
でわかっていたはずです。
また、B弁護士も弁護士なので、それなりの根拠を持って主張している可能性もあるし
逆に懲戒請求してくることも考えられます。

A弁護士は、自分が離婚調停の当事者だったからか
これらのことがわからなくなってしまったのでしょうか。
B弁護士に懲戒請求をして、逆に自分が懲戒される羽目になってしまいました。









( 2019/04/02 00:00 ) Category 弁護士 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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