弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第143回 ファウルボール事故は観客の自己責任か 

プロ野球の観戦中に観戦者がファウルボールに当たり失明した女性が
球団などに損害賠償請求を求めた訴訟で、
約4200万円の賠償責任が認められました。

この判決については
観客の安全を考えると観客席の前に高い
ネットを張るしかなく、野球の臨場感が薄れるなどという
批判がなされています。

確かに、せっかく野球場まで来て野球を見ているのに
ネット越しにしか選手やプレーを見られないのでは
野球場まで来て観戦する意味はないかもしれません。
とすれば、
ネットを取り外し、観客は野球場でプレーしているときは
プレーに注視していなければ
ケガをしても自己責任とした方がよいかもしれません。

しかし、それをするためには、
観客に対し、野球を知らない人、反射神経が衰えている高齢者
2時間以上の野球を集中して見られない年齢の子供などは
ネット裏あるいは外野でしか観戦させない措置が必要だと思います。
野球の打球の速さや当たった場合の痛さなどがわからない人にとっては
場内アナウンスで危険だと言われても、
自分がどの程度危険なのか理解はできないものです。

でも、今のプロ野球は、野球を知っている野球を本当に好きな人だけに
観戦者を限定しているわけでなく、観客増員のため、
むしろ家族連れや女性などが積極的に
観戦に訪れるよう働きかけをしていると思います。

観客動員を増やし、野球に詳しくない人も含めて野球観戦に来てもらい
ファウルボールに当たっても自己責任とするのであれば
自己責任を取る前提として
観戦前に野球の打球の速さや危険性について、
教える機会を設けた上で観戦してもらう
ということが必要だと思います。

でも、そこまでしないと野球を見られないというと
面倒なので野球を知らない人は足が遠のくということになってしまうかもしれません。

その辺を球場や球団がどう考えるかということになります。
( 2015/04/21 00:00 ) Category 債権回収(貸金、売掛金、損害賠償) | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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