弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第236回 残業代を歩合給から引くのは違法か合法か? 

最近、労働に関する判例と相続に関する判例を多く
取り上げているような気がします。
それだけ、労働と相続に関する事件が増えている
ということかもしれません。

今回は、労働に関する事件について最高裁判決が出されたので
取り上げてみます。

事件は、タクシー会社の話で、
運転手が残業をして歩合給を得た場合には
残業代は、歩合給から支給するというルールになっていました。

これについて運転手側が、残業をしても、歩合給が減ってしまうだけなので
労働基準法で定める残業代の支払いを免れる規定で
公序良俗に違反し無効だと主張し、
残業代の支払いを求める裁判を起こしました。

一審の地方裁判所と二審の高等裁判所は
運転手側の言い分を認めて
タクシー会社の残業代は歩合給から引いて支払う
というルールは無効として
タクシー会社に残業代を支払うよう命じました。

そして、今回の最高裁判決は
「残業代を歩合給から差し引くルールは必ずしも
無効とは言えない」としました。
そうだとすると
タクシー会社に有利な判決とも思えます。
しかし、他方で
「歩合給から残業代を引くことが労働基準法に定める残業代の支払いと
認められるか問題になりうる」とも言っています。

そう考えると、タクシー会社に必ずしも有利とはいえない
可能性があります。

宅配便の会社では、残業代の未払いが数百億円という話です。
このタクシー会社の残業代に関する問題はどう解決されるのでしょうか。

高等裁判所に差し戻されたので
高等裁判所で適法な残業代の支払いがなされたと言えるかについて
判断がなされることになります。




( 2017/03/07 00:00 ) Category 企業法務 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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