弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第240回 みかじめ料は、組のトップに賠償義務 

暴力団が、その勢力地域で
飲食店や小売店等に対し
円滑な営業を認める(営業妨害等をしない)対価として
要求するのが「みかじめ料」です。
何かあったら守ってくれる用心棒代という意味も
ある可能性がありますが
契約書があるわけではなく
よくわかりません。
いずれにせよ、払わないと暴力団に嫌がらせをされたりするので
払っているというのが多いと思います。

このみかじめ料について、
画期的な判決が出されました。

みかじめ料は、通常暴力団と揉め事を起こさないために
任意に支払っていることが多いので
恐喝のように無理やり取るわけではなく賠償請求の対象とはならない
可能性もありました。

しかし、裁判所は
支払いを拒否せず支払っていたとしても
拒否すれば危害を加えられるなどが予想され
本来の意思に反した財産処分を強制する行為だと
認定して、
賠償請求の対象となるとしました。
即ち、みかじめ料を取る行為は
任意の行為ではなく、違法行為(不法行為)だと認定したのです。

さらに、裁判所はこのみかじめ料を取る行為は、
直接みかじめ料を取った末端の組織だけでなく
その組の系列のトップの組長にも賠償責任があると認めました。

みかじめ料は組のトップへ上納金として支払われるお金の一部となることから
系列のトップの組長が末端の組織の構成員に
組の威力を利用して資金獲得活動をさせていた
と判断されたのです。

みかじめ料は、飲食店等が任意に支払っているように見えて
暴力団が怖くて支払っているのがほとんどで
暴力団の主たる収益源の1つでもありますから
みかじめ料を受け取っても後で賠償請求されることになれば
暴力団にとってはかなり痛手となると思われます。

ただ、暴力団相手に払ったみかじめ料の
賠償請求をするのは勇気のいることで
そうそうする人がいるとは思いませんが、
理屈上は請求することが認められたという点で
画期的な判決だと思います。



( 2017/04/04 00:00 ) Category 民事介入暴力 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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