弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第255回 年俸1700万円には残業代は含まれていない 

以前、年収1700万円の医師の年俸に残業代は含まれている?
で取り上げた医師の1700万円の年俸に残業代が含まれているかについて
最高裁判決が出されました。

結果は予想通り、含まれていないというものでした。
最高裁は、法廷で弁論を開くときは
原審の結論を変えるときなので
弁論を開いた時点で
原審の結論がひっくり返されることは
わかってしまうんですね。

しかし、1700万円もの高額な年俸をもらっていること
残業代も夜9時以降のものは出ていたので
今回問題となっていたのは
夜9時までの限定された残業代だったことという
雇用主である病院に有利な事情はあったんですけれどもね。

これらの事情があるからこそ
一審、二審は、
医師の仕事は時間に応じた賃金に当てはまらない
時間外手当は年俸に含まれていた
としたんですが。。

最高裁は、厳しかったですね。
高年俸の人でも
世間を騒がせている過労死・過労自殺はあってはならない
と考えたのかもしれませんし
従来の年俸制においては、残業代何時間分が含まれているか
明確にしなければならないという原則を厳格に守った
ということかもしれません。

連合が年収が1075万円以上の労働者については
残業代の規定が適用がないとする
いわゆる「残業代ゼロ法案」「ホワイトカラーエグゼンプション」
に条件付きで賛成をするというニュースが流れていましたが
その法案が通れば
1700万円の人には
残業代は支払わなくてもよいということになるかもしれません。
ただし、対象の職種に医師が含まれてはいなさそうなので
高年俸の医師にも残業代は支払う必要がありそうです。

経営者のみなさんは
年俸制を取るときには
契約書に残業何時間分を含むと
必ず書く必要がありますので
注意してください。



( 2017/07/18 00:00 ) Category 企業法務 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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