弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第257回 訴訟は長期化している? 

訴訟が時間がかかるというみなさんの批判を受けて
訴訟の迅速化を図るために
最高裁が2年に1度、
訴訟で紛争が解決するために
どれくらい時間がかかっているかを報告しています。

これによると、
貸金業者に対する払い過ぎた利息の返還を求める
過払金返還請求訴訟を除いた事件で見ると
平均で8.8回、訴訟は1か月に1度ですから
8カ月から9カ月で解決するということになります。

実際に裁判をしている弁護士の感覚でも
簡単な事件は半年以内、
通常の事件で10か月から1年くらいで
判決か和解かで一定の結論が出るという感じなので
裁判所の報告とほぼ合っていると思います。

今回の報告では、
裁判が長期化する難事件の割合が増えていて
比較的簡単に解決する貸金等の事件が減少している
ということでした。

貸金等の事件が減少しているのは
貸金業者が貸金業法改正による総量規制で
年収の3分の1までしかお金を貸さないことにしたことが
大きいのではないかと思っています。
また、貸金について、判決を取ってもなかなか回収が
難しいということがその原因かもしれません。

逆に、裁判が長期化する難事件が増えているということについては
難事件の中に労働事件が含まれており、
この労働事件が増えていることが原因なのではないかと
思っています。

労働事件は、過労死や名ばかり店長などマスコミで話題になることも多く
以前と比べると、相談件数も、裁判の依頼を受ける
ということも増えています。

裁判で解決するのが10か月と聞くと
長い時間がかかるなと思われるかもしれません。
しかし、実際に裁判をしてみると
昔の資料を探して事実関係を整理したり
証拠として提出したり、
相手の主張に反論を考えたり、
その証拠を見つけたりして
証人尋問の準備をして、尋問をするなどしていると
結構10か月はあっという間に過ぎてしまいます。

また、トラブルが発生しても
ずるずると伸びて、弁護士に依頼するまでに1年以上経過している
ということも多いです。

それらを考えると
トラブルが起きたらすぐに訴訟にすると
10か月以内には解決するとすれば
意外に早い解決という気がします。

もちろん、訴訟前の交渉や
訴訟になってからの和解等で解決すれば
もっと短い期間で解決します。



( 2017/08/01 00:00 ) Category 訴訟・裁判 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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