弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第258回 業務上横領罪で逆転無罪 

経理業務の委託を受けていたコンサルタント会社が
依頼者である企業から現金を着服したとして
業務上横領罪で、起訴されていました。

一審は有罪。
しかし、控訴審では、無罪となりました。

具体的には、以下のようなケースだったようです。
広告会社がコンサルタント会社に経理業務を委託していました。
コンサルタント会社は、コンサルタント会社の社長が経営している
別会社に依頼者である広告会社から3億8000万円を送金しました。
この送金が、広告会社に無断でなされたのか
承諾があったのかが争われました。
承諾があれば、もちろん、横領にはなりませんし
無断でやったのであれば、横領になるということになります。

一審は、過去のメールからは承諾がなかったと判断しましたが
二審である高裁は、過去のメールから、承諾があったと認定しました。

報道では、この3億8000万円が何のお金で
コンサルタント会社社長が経営する別会社が
どういう理由で受け取る権利があったのかなど
詳しい事情がわかりません。

ただ、承諾がなかったとされれば
業務上横領罪で有罪な上に、3億8000万円を返還しなければならないところを
承諾があったとされたので
無罪である上に、おそらく3億8000万円の返還は不要とされるのではないかと思います。

今回刑事事件であるにも関わらず
このコラムで取り上げたのは
お金を任せている場合は
横領される危険があるので
注意する必要があることを
みなさんに伝えたかったからです。

また、承諾があったことを証明できるかどうかで
刑事責任や民事責任を負うか負わないか
全く逆の結論になることがあるということも
みなさんに知っておいてほしかったからです。

他人にお金を任せる場合、
他人からお金を任される場合は
お互いこのようなトラブルに巻き込まれないよう注意が必要となります。
( 2017/08/08 00:00 ) Category 企業法務 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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