弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第265回 弁護士がAVプロダクションの代理人をしても懲戒はされませんでした 

第230回 弁護士会がAVプロダクションの代理人弁護士を懲戒?
で、以前書いたとおり、
いわゆるAV(アダルトビデオ)出演契約に違反して出演しなかった女性に対し
AVプロダクションの代理人として訴訟を提起した弁護士が
弁護士会から懲戒を受けるかということが問題となっていました。

女性に契約に基づいて違約金を請求することがAV出演を強制する威圧的効果が
あるからというものです。

そのときに、現在の日本の法律では、
AV産業は適法な産業として認められており
AVの出演契約自体も違法とは言えないこと、
弁護士は、犯罪者等社会一般的にどうかと思われる方の
代理人になること自体は、弁護士の職業上認められると思うこと
などから、弁護士会が懲戒することはおかしいのではないか
というようなことを書きました。

弁護士会は、再度懲戒にするかどうか検討されたようですが
訴訟提起時に、女性に弁護士が付いていたから
懲戒しないという結論を取ったようです。

女性には既に弁護士が付いていたから
訴訟を起こしても、
自分の弁護士にアドバイスを求めることにより
AV出演を強制されることにはならなかった
ということのようです。

しかし、通常は、予め弁護士に相談して契約に違反する
という人は少ないのであって
女性に弁護士が付いていなかったら
その弁護士は懲戒されていたというのは
ちょっと、おかしいと思います。
仮に弁護士が付いていなかったとしても
弁護士に相談をすることにより、アドバイスを得られることは同じですし、
契約が妥当なのかどうか、有効なのか無効なのかは
裁判で争って初めて決まるわけです。

法律上違法とはされていない産業について
弁護士が依頼を受けて訴訟を起こしただけで
懲戒ということだと、
誰でも自分の主張が正しいと思うことを
裁判で争って正しいかどうか確認することができるという
裁判を受ける権利が害されてしまいますし
弁護士としての業務も縮小してしまうと思います。

前回も言いましたが
僕はそのAV出演契約の違約金を有効だと考えていたり
AVプロダクションがしたことが正しいと言っているわけではありません。
だいたい、どういう契約内容で、どういう経緯で契約が締結されたかなどは
よくわかりません。
弁護士が代理人となってAVプロダクションに裁判で争う機会を与えただけで
弁護士が懲戒されるのはおかしいのではないかと言っています。




( 2017/10/03 00:00 ) Category 弁護士 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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