弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第283回  共有と言えば、聞こえはいいですが 

世の中に、共有の土地や建物は
意外に多いです。

夫婦、あるいは親子が共同で、マンションを買ったり
戸建てを建てたりする場合は、
共有にしてあることが多いです。

これは、購入資金に基づき
持ち分もそれに応じて
はっきりさせておこうというもので
ある意味合理的です。

しかし、不動産が共有となっている一番の原因は
遺産分割です。
多くが親あるいは祖父の代に相続する際に
共有としてそのままということが多いです。

そして、兄弟のうち1人が
その建物に住んでいることが多いです。

兄弟のうちの1人が生きているうちは
他の兄弟も黙って使用させてきたのでしょうが
兄弟が亡くなったときに、
他の兄弟から、親の代の遺産分割をしてほしいと言われたら
残された家族は、たまったものではありません。

例えば、4人兄弟ABCDがいて
親から相続した土地建物には長男Aとその家族がずっと住んでいたとします。
Aが亡くなったとたんに、
BCDが、土地建物について親の代の遺産分割をして欲しいと言ってくる可能性はあります。

兄弟は平等ですから、
4人兄弟だとしたら、残された家族の相続した分は
4分の1しかありません。
4分の3の代償金を支払わなければ
そこに住むことはできなくなります。

この相続の問題点は、
Aが生きているうちに、
Aが相続するという遺産分割で決着しておかなかった
ということになります。
もちろん、その際にAが代償金を支払わなければならない
可能性がありますが
Aは親が亡くなってから家族と一緒に
住んでいて他の兄弟は文句を言わなかったくらいですから
それは減額するなり
分割払いで支払う約束をするなり
方法はあったはずです。

親に遺言書を書いてもらうという方法もありました。

共有にしておくということは
何となく聞こえはいいですが
問題の解決を先延ばしにしているだけで
後でトラブルになってしまうことが多いです。
なるべくなら、その時々で
代償金や売って代金を分けるなど
お金で解決してしまう方が
後で家族が苦しむことになるということは
少ないようです。

( 2018/02/06 00:00 ) Category 相続・遺産分割 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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