弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第284回 花押は押印に当たらない最高裁判決のその後 

第198回 花押は押印に当たらないとする最高裁判決
お話ししたとおり、
花押(かおう)は、自筆証書遺言の要件である押印に当たらないので
花押が記載してあっても
遺言は無効となりました。

その事件は、遺言として無効であっても
亡くなったことを理由とする死因贈与として有効かどうか
ということが争われていました。
死因贈与というのは、
死ぬことを条件として
贈与する契約のことです。
遺言は、遺言者が一人で遺産を誰に相続するか決めるものですが
死因贈与は、贈与する人ともらう人が
贈与する人が亡くなったときに贈与をし
これを受ける約束をすることで
遺言と死因贈与は似ていますが、
法律的には異なるものとして取り扱われます。

差し戻し審での高裁では、
この点が争われ、高裁判決は
遺言として無効であっても
死因贈与として有効と判断したようです。

そして、この度、最高裁でも
その高裁の判断には問題がない
ということで上告を受理せず、
高裁判決が確定したようです。

遺言として無効であっても
死因贈与として有効ということは
結局遺産は、被相続人の思い通りに
相続人に取得させることができることになります。

自筆証書遺言は
全文自筆で書く必要があって
日付けと署名捺印が必要で
要件を欠いて無効になってしまうことは
結構あります。
そういう場合に遺言書は無効だからと
諦めないで
死因贈与と言えないかどうか
弁護士に相談された方がよいと思います。
死因贈与と言えれば
その内容のとおりに
遺産を取得することが可能となります。



( 2018/02/13 18:41 ) Category 相続・遺産分割 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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