弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第297回 ビットコインを始めとする仮想通貨の相続問題 

昨年は、ビットコインを始めとする仮想通貨の中には
購入した金額よりも20倍になるものも現れ、
億の利益が発生した方もいるようです。
億の利益が発生した方は
「億り人」などと呼ばれていたようです。

仮想通貨は、法律上の位置づけが
曖昧ではありますが
譲渡した利益には課税されますし
相続税も課せられることから
財産として取り扱われることになります。

そこで、
ビットコインを始めとする仮想通貨も
相続の対象となります。

しかし、ここで問題なのは、
仮想通貨は、公開鍵と秘密鍵で
取引をして、秘密鍵を持っている人が所有者となる仕組みに
なっているようです。
そして、この秘密鍵は、暗証番号のようなものなのですが
通常は、スマホ等で使用しているアプリの中で管理されており
暗証番号のように持ち主が1回1回入力することはありません。

スマホ上でアプリを使用することによって
秘密鍵の認証を行っています。

ここで、仮想通貨の使用者が亡くなってしまった場合
相続人は、スマホのパスワードを知らなければ
スマホを起動できません。
そうなると、当然スマホ内にある仮想通貨のアプリも
使用できませんから
秘密鍵の認証を行うことができません。

そうなると、せっかく仮想通貨により
一財産を築いていたにもかかわらず
相続人がその仮想通貨を使用できないということに
なってしまう可能性があるのです。

使えないだけならまだしも
国税庁は、仮想通貨について
相続人がパスワード(秘密鍵)がわからない場合でも
相続税を課すと言っています。

どういうことかというと
相続人は秘密鍵がわからないから使えないにもかかわらず
相続税は課されるということです。

仮想通貨の相続のことを考えると
秘密鍵かスマホのパスワードを
相続人になるかもしれない人に
教えておく必要があるかもしれません。

しかし、仮想通貨の秘密鍵を教えてしまうと
その相続人になるかもしれない方に仮想通貨を処分されてしまう可能性もあります。
スマホのパスワードを教えてしまえば
中を見られてしまい、パスワードをかけている意味も無くなってしまいます。

死ぬ間際に教えようと思っても
事故等で亡くなってしまう場合は
伝える暇はないですからね。

仮想通貨で、一財産を持っている人は
相続について対策をしておいた方がよいと思います。
以上のことから、仮想通貨の相続はなかなか難しい問題があります。

( 2018/05/15 00:00 ) Category 相続・遺産分割 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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