弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第302回 正規非正規の手当についても最高裁の判断 

前回、第301回 定年後の再雇用、待遇格差に遂に最高裁判決
で、定年後の再雇用の際に給料を減額してよいかという点について
最高裁が合理的な理由があれば減額しても違法ではないと判断した
ことについてお話ししました。

今回は、その続きで、最高裁判決は正規非正規の手当の差についても
判断をしましたので、その点についてお話ししたいと思います。

第一審の判決では
通勤費用を補助する通勤手当を
非正規社員に支給しないことを違法だと判断しました。

これに対し、原審の高裁判決では、
通勤費用を補助する通勤手当、
食事代を補助する給食手当、
事故を起こさないことを奨励する無事故手当、
特殊作業業務に従事した際の作業手当を
非正規社員に支給しないことは違法として
相当額の支払いを命じました。

最高裁は、これらの手当については
高裁の判断が正しいとし、
さらに、
休日以外の全ての日に出勤したものに支払われる精勤手当、皆勤手当についても
非正規社員に支払わないことは不合理で違法と判断しました。

住宅費用の補助である住居手当については、
正社員は転勤等で転居があり住居費用が多額となる可能性があることから
転勤のない非正規社員に支給しなくても
不合理ではないと判断されました。

以上のように、非正規だから手当は支給しないというだけでは
違法とされる可能性があります。
非正規の社員に手当を支給しない場合は
正社員にはこのような理由があるから支給する
あるいは、非正規社員にはこういう理由があるから
支給しないと合理的な理由が必要となります。

社員の転勤等がない会社では
住居手当を正社員と非正規社員で支給したりしなかったりする場合は
不合理で違法だとされる可能性があります。

会社は、この最高裁判決を踏まえて
支給している手当を非正規社員に支給しないことに合理的理由があるか
検討する必要があります。




( 2018/06/16 15:53 ) Category 企業法務 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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