弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第306回 自筆の遺言書がある場合はすぐに検認の申立の義務があります(相続4) 

被相続人の自筆の遺言書があった場合
保管者や発見者は、
被相続人が死亡して相続が発生していると知ったときは、
遅滞なく、遺言書の検認を家庭裁判所に申し立てる必要があります。

遺産は、被相続人の自筆の遺言で
全部自分のものだと喜んではいられないのです。

この検認という手続きは
遺言書の偽造を防ぐために
裁判所が、遺言書の状態や内容を確認して
保存をする手続きということとなります。
遺言書や封筒をコピーして
検認調書という形で書類として残すこととなります。

自筆で作成された遺言書を自筆証書遺言と言いますが、
この自筆証書遺言は、
家庭裁判所の検認を受けないと
被相続人名義の預金を下ろしたり
不動産の名義を変更したりすることが
できません。

検認の際には、被相続人の生まれてから亡くなるまでの
戸籍と被相続人の相続人の戸籍を提出する必要があります。
被相続人の相続人全員が裁判所から呼び出し状を受け取るので
遺産を全部一人で相続することとなったことを
他の相続人に知られることにもなります。

まあ、遺産分割の話をずっとしなければ
他の相続人から遺産はどうするという遺産分割協議の申し入れがあれば
自分一人に遺産を相続させるという遺言があると相手に言わなければならないので
同じかもしれませんが。

自筆証書遺言は検認が必要ですが
公正証書遺言の場合検認は不要です。

公正証書遺言で遺産を全部相続させると書かれてあれば
その遺言書の正本を持って銀行に行けば
預金を全部下ろして自分のものにできますし、
不動産の名義も変更することが可能です。
(戸籍謄本や除籍謄本など必要書類を合わせて
用意することは必要です)

そういう意味では、公正証書遺言は作るのは
面倒だし、費用がかかりますが
被相続人が亡くなってからの手続きは
検認が不要な分公正証書遺言の方が便利です。

自筆証書遺言は、紛失、焼失、破損、汚損等により
無くなってしまうと、効力が無くなってしまうし
全文自筆で、日付が書かれていて、本人の署名捺印があることが
要件ですが、その要件が欠けていても無効になってしまうことから
遺言書を作成するなら
公正証書遺言を作成することをお勧めします。
( 2018/07/17 00:00 ) Category 相続・遺産分割 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

QRコード
QR