弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第312回 迷子の土地をなくすためには 

所有者のわからない土地を
「迷子の土地」と呼ぶようです。
この迷子の土地は年々増加しているようです。

土地は持っていれば、価値が上がると思われていた時代には
考えられませんが、
それだけ持っていても仕方がないと思われている土地が
増えているのかもしれません。

所有者の不明な土地は
土地の再開発にとっても
地域の保安や安全からも
好ましいものではありません。

土地は手を入れなければ
荒れてしまいますし、
荒れている土地の近隣も
雰囲気が悪くなってしまいます。

さて、この迷子の土地をなくすために
いろいろ議論がされているようです。
登記を義務付けるなどの案がなされています。

しかし、最近は、離婚も増加していますし
親類の付き合いも希薄になっています。
したがって、自分が相続人となっていることを知らない
というケースもあると思います。
例えば、幼いときに父親と母親が離婚して
母親に付いて行ったケース。
このケースでは、父親が1人で亡くなった場合
子供に連絡が来ない可能性があります。

さらには、父親に弟がいて生涯独身で子供も配偶者もなく亡くなったケース。
兄弟の子供が相続人になりますが、父親とも疎遠になっているくらいですから
父親の兄弟が亡くなったことも知らないでしょうし、
自分が相続人となることも知らないのが普通でしょう。

このようなことを考えると
死亡届が出されたときには
役所が相続人に
相続が発生し相続人となったことを通知する必要があると思います。
その上で不動産があるので相続手続きをするように
通知をしたらよいのではないでしょうか。

今は、土地建物と言った不動産は固定資産税を課税する市町村ごとにしか
わかりません。
死亡届を出された市町村でも
亡くなった方が、自分のところの不動産しかあることはわからないのです。
そこで、他市町村にある不動産については、
死亡届を出された市町村でもわからないのですから
縁が薄かった相続人も調べてわからない可能性があります。

したがって、不動産については、
市町村ごとの管理ではなく
亡くなった人が
全国のどこに不動産を所有しているのかどうかわかるようにしないと
迷子の土地は無くならないと思います。

その上で、人が亡くなったときは
相続人に通知が行くということであれば
迷子の土地は少なくなっていくのではないかと思います。




( 2018/09/04 00:00 ) Category 相続・遺産分割 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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