弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第314回 品川でビルの立退き戦争勃発? 

東洋経済オンラインによると
品川駅の再開発を巡って
京急がビルの立退きをテナントに求めて
訴訟を起こしているそうです。

京急が品川駅近くに所有するビルが
京急品川駅の高さをJRと同じ高さにするのに
当該ビルの撤去が必要だということです。

建物の貸主は、賃貸借契約期間満了の1年前から半年前に
正当な理由があれば賃貸借契約を終了することができます。
しかし、日本の法律というか裁判例では
借主保護の観点から
なかなか正当な理由は認められません。
正当な理由が認められる場合も
高額な立ち退き料を支払うことが
義務付けられるのが普通です。

立退き料の内容は
借家権価格(土地の価格×借地権割合×借家権割合×建物の占有割合)
その他引越費用や新しい物件の礼金や手数料
引っ越したために売り上げが落ちた場合の営業補償
などが考えられます。
借家権価格の他に営業補償も賠償する必要があるかどうかは
判例や学説で考え方が分かれています。

移転により利益が減ることへの補償が営業補償なので
赤字の店舗の場合は保証する必要がないということになります。

東洋経済によれば、
京急は立退き料として
テナントの規模に応じて
1000万円から1億5000万円を提示したうえで
移転先を探しているようです。

移転について、争いになっているのは
当該ビルに入居している居酒屋チェーンだそうです。
営業利益が11カ月で4000万円を超えているそうです。

年間4000万円以上利益が得られるとすれば
立退きしなければ1億5000万円くらいは直ぐに稼げそうですので、
1億5000万円の立退き料では、立ち退気には応じないでしょう。

今後判決になれば、裁判所が立ち退きを命じるのか、
命じるとしていくらの立退き料としたのかが
明確になりますが
両当事者とも他のテナントとの関係もありますので
このようなケースは守秘義務を付けて和解をすることが多いです。

したがって、立退き料がいくらかは表に出てこない可能性は高いです。

どのような決着となるか注目ですけどね。
( 2018/09/25 00:00 ) Category 不動産 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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