弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第316回 貴ノ岩が元日馬富士に2400万円の損害賠償請求 

昨年、話題になった横綱日馬富士の暴行事件による横綱引退。
もうみなさんは、忘れかけていたのではないでしょうか。
元横綱日馬富士に対しては、刑事事件では、罰金刑が確定しています。

その後、貴ノ岩が元日馬富士に対し損害賠償請求をし、
調停を行っていたようです。
調停というのは、裁判所を間に挟んでの話し合いです。
したがって、裁判と違って、裁判所が判決を出してはくれないことから
当事者間で合意できなければ解決しません。

この話し合いでは合意ができず、
今回、貴ノ岩が元日馬富士に対し
損害賠償請求訴訟を起こしたということです。

その額、約2400万円。

刑事事件では、全治12日間のケガという診断書に基づいて
罰金刑が科されたようです。
これに対し、貴ノ岩は全治1カ月かかったということに基づき
損害賠償請求をしています。
治療期間が12日か30日かの差がありますが
それにしても通常の傷害事件の損害賠償請求としては
かなり高い印象を受けます。

傷害を理由に損害賠償請求をする際には
治療費、治療期間中の慰謝料、治療期間中に働けなかったことによる損害(逸失利益)、
後遺症がある場合は後遺症の損害と後遺症慰謝料を請求するのが一般的です。

報道によれば、治療費430万円、慰謝料500万円、治療期間中に受け取れなかった懸賞金900万円
を損害として主張しているようです。
懸賞金は、どういう計算根拠かわかりませんが、
治療期間が30日であっても、慰謝料と治療費としてその額は認められないのではないかと思われます。

貴ノ岩の起こした訴訟は、一説によると貴乃花親方の意向だと言われています。
相撲協会のあり方について、意見の違いから
貴乃花は相撲協会を退職したようです。

今回の訴訟上の請求が通る見込みが高いということであれば
訴訟を起こした意味があるでしょうが、
あまり通らずに、単に金額を吹っ掛けただけと思われてしまっては
訴訟を起こした意味はなく、かえって貴乃花や貴ノ岩の評価を下げるマイナスになるのではないでしょうか。

それでも、弁護士が就いて訴訟を起こしたのですから、それだけの損害を被ったことを証明できる
秘策があるということなのでしょうか。

単に吹っ掛けただけと言われないような結果が出ることを祈っています。






( 2018/10/09 00:00 ) Category 損害賠償請求 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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