弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第322回 久兵衛がホテルオークラを訴えた  

高級寿司店である久兵衛が
建て替え後のホテルオークラでの
入居場所を巡って
訴訟を起こしました。

建て替え後のホテルオークラでの店舗の位置が
主要エリアから遠く離れた片隅を指定され
格を著しくおとしめられたというのが
その理由のようです。

報道では、
オークラが久兵衛の店舗の位置を確保しなければならない
法律上の理由が明らかになっておらず
単に新しいところでは格落ちだという主張だけのようなので
それでは、訴訟は勝てないのでは?
となってしまいます。

しかし、久兵衛は、今回、新しいホテルオークラに初めて入居するわけではありません。
久兵衛は旧ホテルオークラにも入居していたわけですから、
建て替えだから一時的に退去してほしいと言われた際に
オークラに条件を付けて、出るのが普通です。
その際に、新ホテルオークラの計画、位置などを普通なら確認を取るはずです。

しかし、訴訟では、そのようや約束違反ということでもなく、
新ホテルオークラでの位置は最近になって初めて知ったということのようです。

そうだとすれば、新ホテルオークラでの久兵衛の位置については
オークラとの間で約束はないから、オークラが自由に決められるということになってしまうかもしれません。

ただし、今回の店舗の出店契約(賃貸借契約)が以前の契約の継続と考えると
同等の位置に確保されるべきという主張も成り立つ可能性があります。

元々の契約でも、店舗の位置はその店舗の人気等を考慮してオークラ側が決められる
という内容になっていた可能性もあります。
そうだとすると、久兵衛の位置はオークラが自由に決められるということになります。

過去の契約内容や過去の契約と今回の契約の関係、立退きのときの話し合いの内容など
によっては、久兵衛の主張する店舗の位置が守られる可能性はありますが
これらの内容が全てオークラに有利な内容であれば、オークラ側の主張が通る
ということになります。

このように建替えのときの退去の話し合いは重要で、
これは、久兵衛だけの話ではありません。
ここを弁護士に相談し、場合によって依頼しておけば
このようなことにはならなかったのではないかと思います。




( 2018/11/20 00:00 ) Category 不動産 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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