弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第341回 土地のマイナス入札 

このコラムでも何回か書きましたが
以前、不動産は持っていれば必ず価値があるプラスの財産と
考えられていました。
しかし、今では、「負動産」などと呼ばれ
持っているとマイナスでしかなく
放棄したい、手放したいと言われるものもあります。

今回は、それが数字で表れたというお話です。
みなさんは、「マイナス入札」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
入札というのは、買受人を一定の期限を定めて募集し、一番高い値段を付けた人に売却するという
売却方法です。
「マイナス入札」というのは、購入希望代金がマイナスでも売却するという
入札です。

例えば、土地の上に老朽化した建物が建っている場合、
建物の解体費用が土地の価格を上回るような場合
土地は欲しいけど、建物を解体する費用を自分で出さないといけないならば
購入してもマイナスになってしまうので、誰も買わないということになります。
具体的には、土地が1000万円であるのに対し、
その土地上の鉄筋コンクリートの建物を解体するのに
2000万円かかるという場合、
土地を1000万円で買うとすると、あとで解体費用2000万円を払う必要があるので
1000万円の土地を3000万円出して買うのと同じこととなります。
土地建物を無料でもらっても、あとで2000万円を支払う必要があるので
マイナス1000万円となってしまいます。

そこで、入札する際に、マイナス1000万円、即ち、売った者が買った者に1000万円を支払うことで
土地を引き取ってもらうのがマイナス入札です。
土地建物の所有者は、解体費用2000万円を全額支払わずに済むし、今後建物の保守管理の費用もかからなくて
済むようになります。
特に、市町村が所有者であった場合、民間人が購入すれば、固定資産税が入ってくることとなります。

このように、お金を払っても、買い取ってもらえばメリットがある場合には
マイナス入札が行われることになります。

不動産は必ずプラスの財産となると思われていたことから
考えると、時代は変わったということになるのかもしれません。
( 2019/04/09 00:00 ) Category 不動産 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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