弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第343回 システム開発失敗で127億円の損害賠償請求 

日経コンピュータの記事によると
食品卸最大手の三菱食品は
システム開発大手TISインテックグループのインテックに対し
委託した管理システムが完成しなかったことを理由として
何と127億円の損害賠償請求を求めて
訴訟を起こしたそうです。

システムは、三菱食品とその取引先3000社の
ビジネスルールの管理を目的とするものでした。

数が多いので、1年かけて3000社のルールを管理していく
予定だったようですが、
遅れて、当初の予定には到底間に合わないということで
契約を解除して、127億円の損害賠償請求をすることにしたようです。
その損害の内訳は
委託先のインテックに支払った委託料約30億5000万円
インテック以外の企業への支払い分約26億円
旧システム維持に必要な利用料約70億円
だそうです。

三菱食品からすれば、新システムができなかったのだから
新システム開発のために支払った費用は全部無駄になったということはわかります。

しかし、委託先のインテック以外に、
システム開発に必要な費用を26億円も支払っていた
ということです。
これが役に立たなくなったとして損害となるのかどうかは微妙ですね。

新システムが開発できていれば払う必要がなくなったはずの
旧システム維持に必要な利用料70億円も
認められる可能性もあるし
認められないかもしれないというものです。

これに対し、インテック側は、
開発したものは品質を確保していた、
システム資産が肥大化して管理できないため
取引先を移行するための調査が難航したことが
原因で、失敗の原因が三菱食品にある
と主張しています。

システム開発については
注文主の発注の仕方が明確であったか
途中での変更があったかなど注文主の原因が問題となることが
多いですが、
今回の受託者であるインテックの
システム資産が肥大化して取引先を移行するための調査が難航した
というのは、
注文主に原因があったと言えるのかこれだけの主張ではよくわかりません。
システム開発の専門業者である受託者側で最初からそれくらい
わかるのではないかという気もします。

仮に、受託者に過失があったとしても
損害が全部認められるのかという点も問題となります。

大手同士の巨額の損害賠償請求訴訟ですが
さて、結果はどうなるでしょうか。









( 2019/04/23 00:00 ) Category 企業法務 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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