弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第353回 配偶者短期居住権も創設されました(改正相続法7) 

前回、配偶者の権利を強化するために
改正相続法では、配偶者居住権が創設されたという
お話をしました。

今回は、配偶者居住権と名前が似ている配偶者短期居住権が創設された
というお話です。

配偶者短期居住権は、配偶者居住権と名前は似ていますが、異なる権利です。
配偶者居住権は、遺贈や遺産分割により設定される、配偶者が亡くなるまでその建物に住んでいることが
できる権利です。

これに対し、
配偶者短期居住権は、
相続開始時点で、亡くなった方の配偶者が遺産である建物に居住していた場合は
一定期間その建物に居住できる権利です。

これまで、亡くなった方と同居していた相続人は、
遺産分割協議が成立するまでは、
無償でその建物に居住することができるというのが
判例でした。

しかし、この判例に従えば
逆に遺産分割協議が成立すると直ぐに出て行かなければなりません。

また、配偶者が居住している建物を配偶者以外に相続させるという遺言がある場合や
配偶者が居住している建物を売って、その代金を相続分に従い分けるという遺言がある場合には
遺産分割協議は必要ありませんから、
配偶者は、直ぐに建物から出て行かなければならなくなってしまいます。

そこで、改正相続法では、
遺産分割協議が成立したとしても相続開始から6ヶ月を経過していない場合は
配偶者は引き続き居住していた建物に居住する権利が認められました。

また、遺言書や遺贈などで、建物を取得した人から建物から出ていくように求められたとしても
出て行くように請求されたときから、6ヶ月は建物に居住する権利が認められるとしました。

これらが、配偶者短期居住権です。
配偶者短期居住権は、
それまで住んでいた住居から直ぐに出て行かなくてもよい権利なのです。
ただ、一定期間が経過すると出て行かなければならない権利です。

これに対し、前回ご説明した配偶者居住権は
遺贈や遺産分割協議によって、その建物に亡くなるまで居住することができる権利ということになります。

このように名前が似ていても、配偶者居住権と配偶者短期居住権は
内容が異なります。
ただ、どちらも配偶者の権利を強化するために認められたという点では
同じになります。





( 2019/07/09 00:00 ) Category 相続・遺産分割 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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