弁護士高島秀行の資産を守り残す法律

資産を守り残すために事前に備える賢い法律利用方法

第47回 倍額賃料で明渡を確保 

オフィスや店舗、マンションなどの賃貸物件の貸主にとって
契約が終了したときに借主がすぐに出て行ってくれるかは
気になるところです。
すぐに出て行ってくれなければ、次の貸主に貸せないからです。

そういうケースで効果を発揮するのが、倍額賃料の条項です。
どういう条項かというと、次のようなものです。

「解除や期間満了によって 賃貸借契約が終了したときは
 すぐに明け渡す。」

これは当たり前の規定です。次が大切な規定です。

「借主が明け渡さないときは
 賃貸借契約終了の翌日から明渡済みまで
 賃料の倍額の賃料相当損害金を
 支払わなければならない。」

というものです。

賃貸借契約が終了した後も
借主がオフィスや店舗、マンションを使い続けた時には
使用の対価を支払わなければなりません。
これを「賃料相当損害金」と言います。

通常、契約に何の規定がなくても
借主は契約終了後も使用を継続すれば
賃料相当損害金を支払う必要があります。
しかし、その金額は、これまでの家賃と同額となります。

そうだとすると、借主にとっては
契約違反によって契約が解除されたとしても
今までの家賃と同額を支払えば
これまでどおり賃貸物件を使用できることになります。
(もちろん、裁判で明渡の判決が出れば
強制的に追い出されることにはなりますが、
強制的な追い出しは、
貸主にとってもそれなりに費用がかかります)

賃貸借契約に、
賃貸借契約が終了したときは
明渡まで倍額賃料を支払うという規定を入れておけば
借主は、
賃貸物件を明け渡さないと
これまでの賃料の倍額を支払わなければならなくなるので
経済的に割に合わないということで
自ら出て行こうという気になるわけです。

賃料の倍額条項は
過去の裁判例でも有効とされています。

賃貸物件の貸主の方は
自分の契約書に倍額条項が入っているか
確認してみてください。
( 2013/07/16 00:00 ) Category 賃貸借 | トラックバック(-) | コメント(-)
プロフィール

弁護士 高島秀行

Author:弁護士 高島秀行
第一東京弁護士会所属
東京都港区虎ノ門で
高島総合法律事務所経営
昭和40年生まれ
昭和63年慶応義塾大学法学部
法律学科卒業
平成6年弁護士登録

著書
『訴えられたらどうする!!』
『相続・遺産分割する前に読む本』
『企業のための民暴撃退マニュアル』
『Q&A改正派遣法早わかり』

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